仮想空間

趣味の変体仮名

三好松洛

義経千本桜 第三

読んだ本 https://archive.waseda.jp/archive/index.html イ14-00002-842 46(左頁) 第三三芳野は丹後武蔵に大和路やわけて名高き金峯山蔵王弥勒の御宝物御開帳迚野も山も賑ふ道の傍らに 茶店構へて出花汲む青前垂の入ばなは女房盛りの器量よし 五つか六つ…

義経千本桜 第二

読んだ本 https://archive.waseda.jp/archive/index.html イ14-00002-842 24(左頁) 第二吹く風につれて聞ゆる ときの声 物すさましき気色(けしき)かな きのふは北闕の守護けふは都を落人の 身と成給ふ九郎義経 数多の武士もちり/\゛に成り亀井六郎駿河…

義経千本桜 第一

コロナのバカヤローのせいで4月大阪、5月東京ともに文楽「義経千本桜」の通し狂言が上演中止となりました。番付は、 初 段 大序 仙洞御所の段 北嵯峨の段 堀川御所の段 二段目 伏見稲荷の段 渡海屋・大物浦の段 三段目 椎の木の段 小金吾討死の段 すしやの段…

ひらかな盛衰記 第五

読んだ本 https://archive.waseda.jp/archive/index.html イ14-00002-696 96 第五源平互に攻め戦ふ生田の大手を討やぶらんと 梶原平三景時次男平次景高 無二無三に切て入敵あまた切ちらし 太刀のほめきをさまさんと 攻め口少し引退き一息ついで立たる所に 後…

ひらかな盛衰記 第四

読んだ本 https://archive.waseda.jp/archive/index.html イ14-00002-696 76 第四山遠ふして雲旅人(りよじん)の跡を埋(うづむ) 爰も名にあふ香嶋の里西国の往還迚 賤が家居も賑はへり 今日は天道大日如来 未申の年は御一代の守り本尊と 錫杖ふり立家々に…

ひらかな盛衰記 第三

読んだ本 https://archive.waseda.jp/archive/index.html イ14-00002-696 42 第三 道行君が後ろ紐捨る身を 捨てぬほだしは子ゆへのやみ 空もあやなき暁の 髪も形も宵の儘世のうさつらさ悲しさを いはぬ色なる山吹御前月さへ西に落人の 桂の里のなんぎより し…

ひらかな盛衰記 第二

読んだ本 https://archive.waseda.jp/archive/index.html イ14-00002-696 22 第二鷹は水に入て芸なく 鵜は山に有て能なし 筋目有侍も世事には疎き町住居 削る楊枝さへ細望姓(ほそもとで)しんく果もじ身すぎ楊枝 商売磨やうじの看板 猿もくはねど高楊枝 浪…

ひらかな盛衰記 第一

読んだ本 https://archive.waseda.jp/archive/index.html イ14-00002-696 2 逆櫓松 矢箙梅 ひらかな盛衰記頃は元暦元年正月廿日 朝日将軍木曽義仲悪逆日々に盛んなる 都の騒動しづめよと 鎌倉殿の下知を請け 大手の大将蒲(かばの)冠者範頼 勢田をさして攻…

薩摩歌妓鑑 第十一

読んだ本 https://www.waseda.jp/enpaku/db/ ニ10-02059 78(右頁5行目) 第十一 新廓の段虎猫また猫灰猫三毛 おだれの上にさかるも有 下には犬めがきつと見付 にらんでも上と下猫は命ひろた 犬骨折 うたふぞめきも姿繕ふ鏡山弐部太夫の領分迚 大学が屋敷に…

薩摩歌妓鑑 第十

読んだ本 https://www.waseda.jp/enpaku/db/ ニ10-02059 73(右頁4行目) 第十 掟の段 むざんやな五々作は 身の罪科に我が名も 姿も埋む畑中 しかも頻りに雨の夜や 責め苦を受くる水責も 天の咎と観念し 娘につるゝ縁の蔓 西瓜畑の西向は自然とかゝるはた物…

薩摩歌妓鑑 第九

読んだ本 https://www.waseda.jp/enpaku/db/ ニ10-02059 63(右頁5行目) 第九 松が端(はな)の段難波の 芦は濱荻と草の名さへも 其昔 室の里にて芸子と呼れ 晒の里でお内儀様 此頃爰に松が端親の 内では娘のおまん 暑気(あつけ)の悩みの物思ひかてゝくは…

薩摩歌妓鑑 第八 

読んだ本 https://www.waseda.jp/enpaku/db/ ニ10-02059 52(右頁四行目) 第八 男揃への段 はやめて物申 頼ませう /\と切声で 奴が持ちし臺の物 どれいと出る小嬪 拙者は風間要人(かなめ)よりのお使でごはります 旦那申上ますは 伴之進様には近々吾妻へ…

薩摩歌妓鑑 第七

読んだ本 https://www.waseda.jp/enpaku/db/ ニ10-02059 38(右頁三行目) 第七 早打の段 さして 急ぎ行川立は川と譬し 言の葉や 流れの果を 粋(すい)と呼ぶ 人の口のは何の語様々に投やりて 浮世はてんほの川柳水にもまるゝ晒の里おまんさゝのが初世帯 け…

薩摩歌妓鑑 第五・第六

読んだ本 https://www.waseda.jp/enpaku/db/ ニ10-02059 33(左頁) 第五 道行恋の伊達紋えいさつさ /\ まだげじやがてんじやえいさつさ /\ 高いはがてんじやえいさつさ ヲゝうつとし ヲツトまつかせ すだれあげさせ おまんさゝのも爰までは 気もはりま…

薩摩歌妓鑑 第四

読んだ本 https://www.waseda.jp/enpaku/db/ ニ10-02059 29(左頁3行目) 第四 松原の段 顔も裳(もすそ)も紅裏(もみうら)に露を 縫ふてぞ夜嵐に 星吹ちらす蛍火や提燈希にしん/\と 虫のむつ言かまびすく 昼さへくらき 松原の廿日余りの宵闇に 思ひの闇…

薩摩歌妓鑑  第三

読んだ本 https://www.waseda.jp/enpaku/db/ ニ10-02059 19(三行目) 第三 屋敷の段 干よりひらりと 飛だるヤア推参者 関口内記 薩摩源二左衛門がかう打合した刀 女原に教へられ 血の色も見ず納めふか 馬鹿尽すなすつこんで居よ 但むね打がくひたいかと 互…

薩摩歌妓鑑 第二

読んだ本 https://www.waseda.jp/enpaku/db/ ニ10-02059 14(3行目) 第弐 橋の段 さして「立帰る弓は袋に治りて鳥驚かぬ三日月や 濱御殿の鎮守稲荷明神 例年の祭とて屋敷の四方は提燈に 邊もかゝやく御召の御座 御供の舟の数々も 御舟入にやりつゞけから紅…

薩摩歌妓鑑 第一

読んだ本 https://www.waseda.jp/enpaku/db/ ニ10-02059 2 おまん源五兵衛 さゝの三五兵衛 薩摩歌妓鑑 第壱芍薬の段難波津に咲や此花冬籠り 今を春べと芍薬の盛を見する植木屋の 花壇の花も動きなき 御代を祝する印かや 播磨の国の一城主尾上式部太夫 其身は…

妹背山婦女庭訓 第四・第五(井戸替~杉酒屋~道行~鱶七上使~姫戻り~金殿~入鹿滅亡~志賀都)

杉酒屋(今西酒造) 読んだ本 https://www.waseda.jp/enpaku/db/ ニ10-00469 ニ10-02226 70(左頁) 第四(井戸替の段)引たり ヲウ 引たり ヲツト文月七日例年の 水を新井に繰返す釣瓶の縄も三輪の里 酒商売の世杉屋が身過の水の内井戸をわけて 祝ひの賑は…

妹背山婦女庭訓 第三(太宰館~妹山背山)

読んだ本 https://www.waseda.jp/enpaku/db/ ニ10-00469 ニ10-02226 46(左頁) 第三(太宰館の段)奈良の都の八重九重 禁裏守護の太宰の館 入鹿公のお成迚?(さゞめ)き渡る奥女中 荒牧弥藤次一間を出 コリヤ仕丁(じそう)共 今日は入鹿公御目出たの御悦…

妹背山婦女庭訓 第二(猿沢池~つづら山・鹿殺し・掛乞・万歳~芝六忠義)

衣掛け柳と猿沢池 読んだ本 https://www.waseda.jp/enpaku/db/ ニ10-00469 ニ10-02226 24(左頁) 第弐(猿沢池の段)山又山も都路は心に連れて奥深き 名も猿沢の池にさへ波立 世こそうかりける こなたの道よりたとり来る山働きの狩人共 打連立て立留り コレ…

妹背山婦女庭訓 第一(大内~小松原~蝦夷子館)

読んだ本 https://www.waseda.jp/enpaku/db/ ニ10-00469 ニ10-02226 2(左頁) 再版 十三鐘 絹懸柳 妹背山婦女庭訓 座本 竹田新松 (第一)(大内の段)頭直位(かしこくもそろしめ)す 敷津八州(やしま)の三器(さんだから)智たり仁たり英勇の 利(とき…

義経千本桜 第四 道行初音旅

読んだ本 http://archive.waseda.jp/archive/index.html イ14-00002-842 73 第四 道行初音旅恋と 忠義はいづれがおもい かけて思ひははかりなや 忠と信(まこと)のものゝふに君が情と預けられ 静に忍ぶ都をば 跡に見捨てて旅立ちて つくらぬなりも義理の御…

ひらかな盛衰記 松右衛門内より逆櫓の段

読んだ本イ14-00002-696 (松右衛門内) 55行く空の 難波潟あし火焚家(たくや)の 片庇 家居には似ぬ里の名や 福嶋の地はおしなべて世を海渡る舟長の 有が中にも権四郎とて年も六つを十かhりの 松右衛門といふ通り名は養ひ聟に譲りやる 門に目充ての松一ト…

ひらかな盛衰記 三ノ口 笹引の段

読んだ本 http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/856522 245 左頁四行目 「立さはく かぜも はげしき 夜半(よは)の空星さへ雲に 246おほはれて 道もあやなく物凄き裏は田畑を隔ての大藪 押合けかき分け 忠義一途にかい/\敷 お筆は片手に若君抱き山吹御前の…

ひらかな盛衰記 三の口 大津宿屋の段

読んだ本 http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/856522 221宿屋笹引の段盛衰記 三の口 222 左頁 ひらかな盛衰記 三の口東路をのぼり下りの 旅人も二つと三つに追分や大津に並ぶはたごやの 棟門(かど)多き其中に名高き関の清水やが 得より 223奥に客留て 料…

ひらかな盛衰記 初段 義仲館の段

読んだ本 http://www.enpaku.waseda.ac.jp イ14-00002-696 義仲館の段 7時なれや 九重の空も閑(のどけ)き春の色 霞こめたる桧皮ぶき 美麗を尽し手を尽す木曽殿の御館には御長男駒若君三つの長生(おひさき)いりはし わけて母君山吹御前 御寵愛浅からず付…

ひらかな盛衰記 二の切 源太勘当の段

読んだ本 http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/856266 ひらかな盛衰記 1源太勘当の段盛衰記 二の切 2ひらかな盛衰記 弐の切り時も有せず表の方 若旦那の御帰国とざゝめく声々 梶原源太景季(かげすえ)鎌倉一の風流男 戦場より立帰るえぼしのかけ緒古実を正…

源平布引滝 三の切 綿繰馬の段 (九郎助住家)

読んだ本 http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/856503 (コマ77表紙) 78源平布引滝 三の切「出て走行 音しづまれば 葵御前 太郎吉連て立出給ひ聞き及ひし実盛殿 お目にかゝるは初て段々のお情 忘置じと有 79ければ 是は/\御挨拶 某元は源氏の家臣 新院の…

源平布引滝 三の口 竹生島詣の段

床本も読んでみたの。だいぶん読みやすいの。 読んだ本 http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/856222 2源平布引滝 三の口来る人と野に立人に 物とへば先へ/\とおしへられ 心も関の明神もよそに見なして走行小まんは御籏肌に入そこに 3隠れ爰に忍び 葵の御前…