仮想空間

趣味の変体仮名

文耕堂

御所桜堀川夜討 第五(花扇邯鄲枕)

読んだ本 https://archive.waseda.jp/archive/index.html 浄瑠璃本データベース イ14-00002-308 84(右頁三行目) 第五 明渡るのべも山路もてる空は 敵の心は蔵馬道夜共昼共弁へず 逃るを追かけ ぼつ詰て土佐が乗たる俊足逸物 おろしも立ず飛のつて相合馬の…

御所桜堀川夜討 第四 道行伊勢みやけ

読んだ本 https://archive.waseda.jp/archive/index.html 浄瑠璃本データベース イ14-00002-308 62(左頁) 第四 道行伊勢みやけ 思ふ事 内外(うちそと)の宮に ひく鈴のならずばよもやさばかりの 参宮同者は よもあらじ 義経の北の方卿の君御くはいたい御…

御所桜堀川夜討 第三 弁慶上使の段

読んだ本 https://archive.waseda.jp/archive/index.html 浄瑠璃本データベース イ14-00002-308 41(左頁) 第三 風の勢は大海の浪を動せ共 井の内の水を動す事あたはず 九郎判官 義経公梶原父子が讒言にて 御舎兄(しやきやう)右大臣家ノ御不審日々にいや…

御所桜堀川夜討 第二

読んだ本 https://archive.waseda.jp/archive/index.html 浄瑠璃本データベース イ14-00002-308 18 第二 施しは財(たから)と法と無畏の三つ 権者(ごんじや)の詞さかんなる 九郎判官義経いまだ牛 若たりし時 五条の橋の千人切と 世の取ざたも年月も早十三…

御所桜堀川夜討 第一

読んだ本 https://archive.waseda.jp/archive/index.html 浄瑠璃本データベース イ14-00002-308 2 御所桜堀川夜討 作者 文耕堂 三好松洛 恩は春のごとく威は虎のごとく 訓(おしへ)は父のごとく 愛は母のごとしと 李厳(りげん)を謡ひし史民の 詞 今此時に…

ひらかな盛衰記 第五

読んだ本 https://archive.waseda.jp/archive/index.html イ14-00002-696 96 第五源平互に攻め戦ふ生田の大手を討やぶらんと 梶原平三景時次男平次景高 無二無三に切て入敵あまた切ちらし 太刀のほめきをさまさんと 攻め口少し引退き一息ついで立たる所に 後…

ひらかな盛衰記 第四

読んだ本 https://archive.waseda.jp/archive/index.html イ14-00002-696 76 第四山遠ふして雲旅人(りよじん)の跡を埋(うづむ) 爰も名にあふ香嶋の里西国の往還迚 賤が家居も賑はへり 今日は天道大日如来 未申の年は御一代の守り本尊と 錫杖ふり立家々に…

ひらかな盛衰記 第三

読んだ本 https://archive.waseda.jp/archive/index.html イ14-00002-696 42 第三 道行君が後ろ紐捨る身を 捨てぬほだしは子ゆへのやみ 空もあやなき暁の 髪も形も宵の儘世のうさつらさ悲しさを いはぬ色なる山吹御前月さへ西に落人の 桂の里のなんぎより し…

ひらかな盛衰記 第二

読んだ本 https://archive.waseda.jp/archive/index.html イ14-00002-696 22 第二鷹は水に入て芸なく 鵜は山に有て能なし 筋目有侍も世事には疎き町住居 削る楊枝さへ細望姓(ほそもとで)しんく果もじ身すぎ楊枝 商売磨やうじの看板 猿もくはねど高楊枝 浪…

ひらかな盛衰記 第一

読んだ本 https://archive.waseda.jp/archive/index.html イ14-00002-696 2 逆櫓松 矢箙梅 ひらかな盛衰記頃は元暦元年正月廿日 朝日将軍木曽義仲悪逆日々に盛んなる 都の騒動しづめよと 鎌倉殿の下知を請け 大手の大将蒲(かばの)冠者範頼 勢田をさして攻…

檀浦兜軍記 第五

読んだ本 https://www.waseda.jp/enpaku/db/ イ14-00002-523 93(右頁6行目) 第五 かまくらさしてぞ急ぎける百戦百勝勇士の名を定めがたし 死を安くして名をあらはすといへり かづさの景清みづから頼朝の 手に渡れば 扇子が谷(やつ)につめ籠(ろう)をし…

檀浦兜軍記 第四 

読んだ本 https://www.waseda.jp/enpaku/db/ イ14-00002-523 74(左頁) 第四 道行旅寝の添乳(そへぢ)哥はゝきゞの有りとは見へて あはぬとは代々のながめのたねなれど わが身ひとつはつれなきと 思ふ心の松の名や世にもあこやがつま思ひ つとめの中のまこ…

檀浦兜軍記 第三(阿古屋琴責)

読んだ本 https://www.waseda.jp/enpaku/db/ イ14-00002-523 50(左頁) 第三 (阿古屋琴責)鳬(かも)の脛(はぎ)短しといへ共是をつがば憂へなん 鶴の脛長しといへ共是をたゝば悲しみなん 民をせいすること此理にひとし されば治まる九重に猶も非常をい…

檀浦兜軍記 第二

阿古屋は妊娠していた? え゛~~~そうだっけ? と思ったら、三段目(阿古屋琴責めの段)でもちゃんと岩永に 「聞けばうぬは懐胎とな」と云われているのでありました。 読んだ本 https://www.waseda.jp/enpaku/db/ イ14-00002-523 26 第二清水や大じ大ひの…

檀浦兜軍記 第一

読んだ本 https://www.waseda.jp/enpaku/db/ イ14-00002-523 2(左頁) 檀浦兜軍記 (第一) 作者 文耕堂 長谷川千四宵に起き肝(ひたけ)て食し 夜半(よは)に念(おもひ) 朝(あした)に行ふ 故(かるがゆへ)に虞舜(ぐしゆん)の居は三年にして都をな…

大塔宮曦鎧 第五

読んだ本 http://archive.waseda.jp/archive/index.html イ14-00002-111 88(右頁6行目) 第五 かゝやけり日西天に没すること三百七十余ヶ日 大凶変じて一元に帰すといふ 聖者(じやうじや)の末来記当たれるかな 西国の官軍等天皇をうばひかへし はりまの国…

大塔宮曦鎧 第四 

読んだ本 http://archive.waseda.jp/archive/index.html イ14-00002-111 67(左頁) 第四 大塔の宮くまのすゞかけもろ共に あはれと思へ 山ざくら 花に心をそみかくだの 姿にかへて大たうの 宮もわらぢのたび衣 今ぞはじめてみくまのゝ さきにおちつくあても…

大塔宮曦鎧 第三 (身替り音頭の段)

読んだ本 http://archive.waseda.jp/archive/index.html イ14-00002-111 53(左頁5行目下) (身替り音頭の段)天てらす 月日の種の御身にも 世のうき雲におほはれて まだ八歳の若宮御母君 楚(そ)の囚れといたはしくも永井右馬頭 宣明に預られめぐりきびし…

大塔宮曦鎧 第三 (六波羅館の段)

読んだ本 http://archive.waseda.jp/archive/index.html イ14-00002-111 44(左頁) 第三 (六波羅館の段)都なる女あり車を同じうす 顔(かんばせ)蕣(あさがほ)の花のごとしとうたふ 鄭衛の二風(じふう)道を蕩(とらか)し国を賊(そこな)ふの淫声と…

大塔宮曦鎧 第二

読んだ本 http://archive.waseda.jp/archive/index.html イ14-00002-111 24(左頁) 第二臣として不忠成は子として不孝成に同じと 田氏が母の確言誠なるをや 両六波羅の下司(したづかさ)斉藤太郎左衛門尉利行 決断日の外も休みなく六はらの北殿 常盤駿河守…

大塔宮㬢鎧 第一

読んだ本 http://archive.waseda.jp/archive/index.html イ14-00002-111 2 (第一) 太平紀 網目 大塔宮曦鎧 近松門左衛門添削 作者竹田出雲掾 松田和吉舜に錐を立るの地なけれ共天下をたもち 禹(う)に十戸の聚なけれ共諸候に王たり 上三光の明をおほはず …

ひらかな盛衰記 松右衛門内より逆櫓の段

読んだ本イ14-00002-696 (松右衛門内) 55行く空の 難波潟あし火焚家(たくや)の 片庇 家居には似ぬ里の名や 福嶋の地はおしなべて世を海渡る舟長の 有が中にも権四郎とて年も六つを十かhりの 松右衛門といふ通り名は養ひ聟に譲りやる 門に目充ての松一ト…

ひらかな盛衰記 三ノ口 笹引の段

読んだ本 http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/856522 245 左頁四行目 「立さはく かぜも はげしき 夜半(よは)の空星さへ雲に 246おほはれて 道もあやなく物凄き裏は田畑を隔ての大藪 押合けかき分け 忠義一途にかい/\敷 お筆は片手に若君抱き山吹御前の…

ひらかな盛衰記 三の口 大津宿屋の段

読んだ本 http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/856522 221宿屋笹引の段盛衰記 三の口 222 左頁 ひらかな盛衰記 三の口東路をのぼり下りの 旅人も二つと三つに追分や大津に並ぶはたごやの 棟門(かど)多き其中に名高き関の清水やが 得より 223奥に客留て 料…

ひらかな盛衰記 初段 義仲館の段

読んだ本 http://www.enpaku.waseda.ac.jp イ14-00002-696 義仲館の段 7時なれや 九重の空も閑(のどけ)き春の色 霞こめたる桧皮ぶき 美麗を尽し手を尽す木曽殿の御館には御長男駒若君三つの長生(おひさき)いりはし わけて母君山吹御前 御寵愛浅からず付…

ひらかな盛衰記 二の切 源太勘当の段

読んだ本 http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/856266 ひらかな盛衰記 1源太勘当の段盛衰記 二の切 2ひらかな盛衰記 弐の切り時も有せず表の方 若旦那の御帰国とざゝめく声々 梶原源太景季(かげすえ)鎌倉一の風流男 戦場より立帰るえぼしのかけ緒古実を正…