仮想空間

趣味の変体仮名

竹田出雲(二代)

双蝶々曲輪日記 第九

読んだ本 https://archive.waseda.jp/archive/index.html 浄瑠璃本データベース ニ10-02245 87 第九 勧心寺(かんしんじ)の隠れ家(が)に恋路のまぼろし 河内の国のかた邊りに幻(まぼろし)竹右衛門といふ親仁有 心にゆがむ節もなく 正直一遍歯に 衣をき…

双蝶々曲輪日記 第八(引窓)

読んだ本 https://archive.waseda.jp/archive/index.html 浄瑠璃本データベース ニ10-02245 75 第八 八幡の親里に血筋の引まど 出入るや月弓の 八幡(やはた)山崎南(なん)与兵衛のお祖母(ばゝ) 我子可愛かナなけを 出せさと諷ひしを 思ひ合せば其昔 八…

双蝶々曲輪日記 第七

読んだ本 https://archive.waseda.jp/archive/index.html 浄瑠璃本データベース ニ10-02245 72(左頁) 第七 道行菜種の乱咲 〽はてしなく 狂ふ与次兵衛を 長吉が漸抱(いだき)とゞむれば なふ正体なき お身の上 あづまが顔も見忘れてか これのふ/\と すが…

双蝶々曲輪日記 第六

読んだ本 https://archive.waseda.jp/archive/index.html 浄瑠璃本データベース ニ10-02245 57 第六 橋本の辻駕籠に相輿(あいごし)の欠落 思ひなくて藪入したき 親里に 与五郎が嫁お照 さらるゝとなく去となく呼 戻されて明け暮に しんき/\のぶら/\病さ…

双蝶々曲輪日記 第五

読んだ本 https://archive.waseda.jp/archive/index.html 浄瑠璃本データベース ニ10-02245 52 第五 芝居裏のけんくはに難波のどろ/\ 大宝寺町を横切にすぐには行ぬ郷左衛門 業(ごう)をにやして与五郎がたぶさ片手に 引ずり廻す畠中 難義難波や芝居裏 歎…

双蝶々曲輪日記 第四

読んだ本 https://archive.waseda.jp/archive/index.html 浄瑠璃本データベース ニ10-02245 38(左頁) 第四 大法寺町の立引に兄弟のちなみ 大坂に こゝも名高き 嶋の内 大宝寺町に年を経て角をたやさぬつき米や ひとり息 子の長吉はてゝ親なしの我儘育 姉の…

双蝶々曲輪日記 第三

読んだ本 https://archive.waseda.jp/archive/index.html 浄瑠璃本データベース ニ10-02245 25(左頁) 第三 揚屋待ちのいきづくに小指の身がはり 寂光の都は爰ぞ 四筋町九軒常夜の闇をてらす 井筒がもとの賑しさ 数 の菩薩の来迎と五百羅漢の末社共 しま黄…

双蝶々曲輪日記 第二

読んだ本 https://archive.waseda.jp/archive/index.html 浄瑠璃本データベース ニ10-02245 13(左頁) 第二 相撲の花扇に異見の親骨 茶を参れ/\/\/\ 中入迄も勝負附け かちまけの勝負附/\と 重言多き 売り声も 高台(たかきや)橋の南詰 けふ七日目の大…

双蝶々曲輪日記 第一

読んだ本 https://archive.waseda.jp/archive/index.html 浄瑠璃本データベース ニ10-02245 2 双蝶蝶曲輪日記 第一 浮瀬(うかむせ)の居つゞけに相図の笛売(ふえうり) 爰に一つの望がござる 京の女郎に長崎いしやう きせて ちゝやちん/\ちつくり江戸のは…

狐忠信の段(義経千本桜 川連法眼館の段の部分)

5月文楽を見たら読みたくなりました。 読んだ本 https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/856281 1 大坂五行 大極 上紙 清版 版元 東京日本橋区上槇町八番地 定価十銭 高橋書店 義経千本櫻(よしつねせんぼんさくら) 四段目中 忠信狐(たゞのぶきつね)の段 2…

義経千本桜 第三

読んだ本 https://archive.waseda.jp/archive/index.html イ14-00002-842 46(左頁) 第三三芳野は丹後武蔵に大和路やわけて名高き金峯山蔵王弥勒の御宝物御開帳迚野も山も賑ふ道の傍らに 茶店構へて出花汲む青前垂の入ばなは女房盛りの器量よし 五つか六つ…

義経千本桜 第二

読んだ本 https://archive.waseda.jp/archive/index.html イ14-00002-842 24(左頁) 第二吹く風につれて聞ゆる ときの声 物すさましき気色(けしき)かな きのふは北闕の守護けふは都を落人の 身と成給ふ九郎義経 数多の武士もちり/\゛に成り亀井六郎駿河…

義経千本桜 第一

コロナのバカヤローのせいで4月大阪、5月東京ともに文楽「義経千本桜」の通し狂言が上演中止となりました。番付は、 初 段 大序 仙洞御所の段 北嵯峨の段 堀川御所の段 二段目 伏見稲荷の段 渡海屋・大物浦の段 三段目 椎の木の段 小金吾討死の段 すしやの段…

ひらかな盛衰記 第五

読んだ本 https://archive.waseda.jp/archive/index.html イ14-00002-696 96 第五源平互に攻め戦ふ生田の大手を討やぶらんと 梶原平三景時次男平次景高 無二無三に切て入敵あまた切ちらし 太刀のほめきをさまさんと 攻め口少し引退き一息ついで立たる所に 後…

ひらかな盛衰記 第四

読んだ本 https://archive.waseda.jp/archive/index.html イ14-00002-696 76 第四山遠ふして雲旅人(りよじん)の跡を埋(うづむ) 爰も名にあふ香嶋の里西国の往還迚 賤が家居も賑はへり 今日は天道大日如来 未申の年は御一代の守り本尊と 錫杖ふり立家々に…

ひらかな盛衰記 第三

読んだ本 https://archive.waseda.jp/archive/index.html イ14-00002-696 42 第三 道行君が後ろ紐捨る身を 捨てぬほだしは子ゆへのやみ 空もあやなき暁の 髪も形も宵の儘世のうさつらさ悲しさを いはぬ色なる山吹御前月さへ西に落人の 桂の里のなんぎより し…

ひらかな盛衰記 第二

読んだ本 https://archive.waseda.jp/archive/index.html イ14-00002-696 22 第二鷹は水に入て芸なく 鵜は山に有て能なし 筋目有侍も世事には疎き町住居 削る楊枝さへ細望姓(ほそもとで)しんく果もじ身すぎ楊枝 商売磨やうじの看板 猿もくはねど高楊枝 浪…

ひらかな盛衰記 第一

読んだ本 https://archive.waseda.jp/archive/index.html イ14-00002-696 2 逆櫓松 矢箙梅 ひらかな盛衰記頃は元暦元年正月廿日 朝日将軍木曽義仲悪逆日々に盛んなる 都の騒動しづめよと 鎌倉殿の下知を請け 大手の大将蒲(かばの)冠者範頼 勢田をさして攻…

日高川入相花王 第五

読んだ本 http://archive.waseda.jp/archive/index.html イ14-00002-680 93(右頁5行目) 第五孔子季氏を謂(のたまは)く八佾(はついつ)にして庭に舞はず 是をも忍ぶべくんば 孰(いづ)れをか忍ぶべからさらん 左大臣藤原の忠文猪熊通りに別殿 をかまへ …

日高川入相花王 道行思ひの雪吹 (附・渡し場の段)

読んだ本 http://archive.waseda.jp/archive/index.html イ14-00002-680 77 道行思ひの雪吹(ふゞき) つまづきし 石も他生の縁の端 むすぼふれたる 身をしる人もなし しる人は 哀れと思へ桜木の ちりてちはつの御姿ならはぬ 旅の苦をこして 恋路/\が 身の…

日高川入相花王 第四

読んだ本 http://archive.waseda.jp/archive/index.html イ14-00002-680 69 第四むかし/\此所に真那古の庄司といふ者有 頃しも春の始めつかた熊野三所権現に あゆみをはこぶ諸人(もろびと)の 往来(ゆきゝ)に宿の施しは誠に出家侍の 屋敷は余所にかはり…

日高川入相花王 第三

読んだ本 http://archive.waseda.jp/archive/index.html イ14-00002-680 41(左頁) 第三心は文字に書かるれど絵にかゝれぬを心といふ 三徳を備へ五常を去らぬ 六孫王経基のおはします 八条の訴目館(そめやかた) 北の方真弓御前君子のよきたぐひとや 夫を…

日高川入相花王 第二

読んだ本 http://archive.waseda.jp/archive/index.html イ14-00002-680 22(三行目) 第二 顕はせり花の都の邉りにも狼谷といふ名有 熊野山家の育ちにも容儀たいはい心はへ清きを家の通り名や 真那子の庄司清次が 一人娘に清姫迚 今年二八の春過ぎてなつき…

日高川入相花王 第一

読んだ本 http://archive.waseda.jp/archive/index.html イ14-00002-680 2 日高川入相花王 (第一)此花は是人間の種にあらず 瓊樹(けいじゆ)枝頭(しとう)第二の花と 親王に題すからうたの言の葉草はかはらねど 唐土人(もろこしびと)の目にふれぬ 我朝…

義経千本桜 第四 道行初音旅

読んだ本 http://archive.waseda.jp/archive/index.html イ14-00002-842 73 第四 道行初音旅恋と 忠義はいづれがおもい かけて思ひははかりなや 忠と信(まこと)のものゝふに君が情と預けられ 静に忍ぶ都をば 跡に見捨てて旅立ちて つくらぬなりも義理の御…

ひらかな盛衰記 松右衛門内より逆櫓の段

読んだ本イ14-00002-696 (松右衛門内) 55行く空の 難波潟あし火焚家(たくや)の 片庇 家居には似ぬ里の名や 福嶋の地はおしなべて世を海渡る舟長の 有が中にも権四郎とて年も六つを十かhりの 松右衛門といふ通り名は養ひ聟に譲りやる 門に目充ての松一ト…

ひらかな盛衰記 三ノ口 笹引の段

読んだ本 http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/856522 245 左頁四行目 「立さはく かぜも はげしき 夜半(よは)の空星さへ雲に 246おほはれて 道もあやなく物凄き裏は田畑を隔ての大藪 押合けかき分け 忠義一途にかい/\敷 お筆は片手に若君抱き山吹御前の…

ひらかな盛衰記 三の口 大津宿屋の段

読んだ本 http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/856522 221宿屋笹引の段盛衰記 三の口 222 左頁 ひらかな盛衰記 三の口東路をのぼり下りの 旅人も二つと三つに追分や大津に並ぶはたごやの 棟門(かど)多き其中に名高き関の清水やが 得より 223奥に客留て 料…

ひらかな盛衰記 初段 義仲館の段

読んだ本 http://www.enpaku.waseda.ac.jp イ14-00002-696 義仲館の段 7時なれや 九重の空も閑(のどけ)き春の色 霞こめたる桧皮ぶき 美麗を尽し手を尽す木曽殿の御館には御長男駒若君三つの長生(おひさき)いりはし わけて母君山吹御前 御寵愛浅からず付…

ひらかな盛衰記 二の切 源太勘当の段

読んだ本 http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/856266 ひらかな盛衰記 1源太勘当の段盛衰記 二の切 2ひらかな盛衰記 弐の切り時も有せず表の方 若旦那の御帰国とざゝめく声々 梶原源太景季(かげすえ)鎌倉一の風流男 戦場より立帰るえぼしのかけ緒古実を正…