仮想空間

趣味の変体仮名

豊国

忠臣蔵八景 打ち出しの夕照

打出しの夕照仇敵うち出す木戸の口紅粉に夕日まばゆき女中見物 (うちだしのせきしょう あだがたき うちだす きどのくちべにに・・・)

忠臣蔵八景 十段目の帰帆

十だん目の帰帆縁の綱きる去状の追風にしりにほかけてかへる親舟

忠臣蔵八景 九段目の暮雪

九段目の暮雪祝言をしからはさせてくれの雪にとけて顔までいろ直し する

忠臣蔵八景 七段目の秋の月

七だんめの秋の月秋の夜も九つはしこ中ぞらをあを向て見る洞底の月

忠臣蔵八景 五段目の夜の雨

五段目の夜の雨かた先へさつとあひせてよるの雨をのからさきに名のるとろぼう (肩先へさっと浴びせて夜の雨 斧から先に名乗る泥棒)

忠臣蔵八景 四段目の晴嵐

四だん目の晴嵐引はらふ城のあらしの雲間よりはれる三空に見ゆる大ぼし

忠臣蔵八景 三段目の落雁

三段目の落雁かる/\と使ひもはやひ勘平にてうと落あふ雁の玉章

忠臣蔵八景 二段目の晩鐘

二だん目の晩鐘三井寺の入相よりも目覚しのまくら時計は耳にこたゆる

誠忠義士伝之内 天川屋女房お其

そのは儀兵衛におとらぬ気性なれども 実父良竹は高野の廻し者なる事 儀兵衛これを知り つひにりべつす おその我子にひかされ ふたゝびわが家えもどり しじうのようすをきゝ 仇うちの後 義士ぼだいのため ていはつすといふ

誠忠義士伝之内 桃井若狭之助

播磨守の弟名は安近鶴ヶ岡にて師直が過言を怒り刀の柄に手をかけしが神と君との御前をはゞかりし堪忍は若きに似ず営中にて再事に及ばんとせしに家老が権謀よくねい者の腹をさぐり黄金の光輝白刃の奇禍をてんず若狭はさいわいある人なり良臣伐松 貧伯倣柳 (…

誠忠義士伝 萱野三平

三平は討入のきはにのぞみ父母にいとまごひのため国もとえ立よりしに父三平の面色たゞならぬを見てさとりふたゝび家を出さずよつて三平は忠孝の道にせまり書おきしてせつふくす大石そのせい忠をかんじ夜討のせつやり印に茅野三平討死としてすておきたりとかや

恋合端唄尽 小万・三五兵衛

恋合端唄尽小万三五兵衛 「本てうしはうた」はぎ ききやうなかに玉づさしのばせて月に野末のつゆ君をまつむし夜舟にすだく ふけゆく鐘に鴈の声 恋はこふしたものかいな 「本てうしはうた」神かけて ちぎる二人が恋中を 端でじやまして水さして 月にむらくも …

恋合端唄尽 小万・源五兵衛

恋合端唄尽小万源五兵衛 「本てうしはうた(本調子端唄)」うそとまことの二瀬川 だまされぬ気てだまされて すへは野となれ山となれわしが思は君ゆへ三ツ又川の舩のうち心のうちをおんさつし 「本てうしはうた」だまされしむろの桜や うきよはうそかまことこ…

江戸名所発句合之内 吾妻橋

江戸名所発句合之内 吾妻橋 峯つくる雲のはじめや筑波山 「この橋から川上にミゆるつくばハ男体女体とミねも二つにわかつて居るが西の方にひとつある富士ハ男か女かさつはりわからない 「ハテしれた事女もをんな志かも三國一のお山タ 柳下亭種員即興 「この…