近松半二

近江源氏先陣館 第九

読んだ本 https://archive.waseda.jp/archive/index.html ニ10-01036 83 第九比良の暮雪と賞ぜしも 誠は寒き 暮の雪冬ぞ淋しき大津の浦に 世をこぎ渡る船先の妻もとも/\゛外?(かせぎ)内は八十五の涎くり 留主の手習机の上双紙に六道切書て 天かまいかの…

近江源氏先陣館 第八(和田兵衛上使~盛綱陣屋)

読んだ本 https://archive.waseda.jp/archive/index.html ニ10-01036 65(左頁) 第八 (和田兵衛上使)其源は近江路のひえ山 おろし隔てられ 便り片田の雁絶へて 武士(ものゝふ)の義は石山や月の弓張矢叫びの 矢橋の帰帆陣幕も ひらめく比良の陣館 小三郎…

近江源氏先陣館 第七

読んだ本 https://archive.waseda.jp/archive/index.html ニ10-01036 57(左頁) 第七名にし近江の景色も今戦場と名古の浦 源の頼家公坂本に居城し給ひ 家々の籏指物比叡嵐に?(ひるがへり)霜に曜く弓鉄砲 陣所の篝火天を灼(こが)し要害 厳しく守り居る …

近江源氏先陣館 第六

読んだ本 https://archive.waseda.jp/archive/index.html ニ10-01036 42 第六所の名さへ醒井(さめがい)といへど朝夕酔ふして 酒手に諸式諸道具迄酒屋へ かき出す駕舁有り 名は四斗兵衛が内一ぱい ふんぞり返る高枕 傍に女房が賃仕事 小遣だけをつむぎ出す …

近江源氏先陣館 第五

読んだ本 https://archive.waseda.jp/archive/index.html ニ10-01036 35(左頁) 第五近江のや 鏡の山へ影遠き 高宮の村はづれ 漂(たどり)て爰に時姫君住の江諸共うき旅に うき恋人を見失ひそこよ 爰よと立休らひ コレのふ住の江 そなたの世話て漸と 廻り…

近江源氏先陣館 第四 道行旅路のぬれ衣

読んだ本 https://archive.waseda.jp/archive/index.html ニ10-01036 33(左頁) 第四 道行旅路のぬれ衣うき事の つかさをとへば世の人の 恋と旅とに有明の 光りは空に いや高き 北条時政の深窓に ひそう娘ともてはやす 名も時姫の時に合ふ 鎌倉山を跡になし…

近江源氏先陣館 第三

読んだ本 https://archive.waseda.jp/archive/index.html ニ10-01036 17 第三実に治まれるためしには松に小松の生ひ添ひて枝に枝葉に葉の栄へ 契り盡せぬ源や 御酒の機嫌も頼家卿昼夜分かたぬ舞諷ひ お傍扈従が笛鼓 白拍子には若狭とて器量もよしの桜花 恋し…

近江源氏先陣館 第二

読んだ本 https://archive.waseda.jp/archive/index.html ニ10-01036 8 第弐八重桜散しく法の東大寺 惣追補使(ふし)の御ぼだいを弔ふ結構工みを尽し 金銀瑠璃破璃錦の戸張 回廊石垣悉く 五色の織絹幾重につゝみ照日に耀く粧ひは是弥陀経を写されたり 扨又…

近江源氏先陣館 第一

読んだ本 https://archive.waseda.jp/archive/index.html ニ10-01036 2(左頁) (第一) 再版 近江源氏先陣館 座本竹田新松新玉の春立初めて御園には 木々も緑の四方の波しづけき君が御代とかや されば右大将頼朝公 奢る平家を西海に切しづめ 源氏一統の御…

鎌倉三代記(十段続) 第十

読んだ本 https://www.waseda.jp/enpaku/db/ ニ10-02434 91(左頁最後の行) 第十 を忘れ草人目いぶせきかこに乗 村口さしてぞ 92古へは桐壺箒木須磨明石 ?き筆の間所も今石山の御本陣 御威勢天地に翻る虹龍の三鱗ゆり立る籏へんほんと靡き従ふ陣内には 出入…

鎌倉三代記(十段続) 第九

読んだ本 https://www.waseda.jp/enpaku/db/ ニ10-02434 (お経笑える。読むの大変だったけど。) 85(左頁) 第九南無阿弥陀仏/\なむあみだ仏なむあみだ 念仏さへも当世は柝入て他念なく仏の道へ種を蒔小松村の無量庵 勤終れば伴僧達直に此世の伸欠身過に…

鎌倉三代記(十段続) 第八 道行露の顔吉花

読んだ本 https://www.waseda.jp/enpaku/db/ ニ10-02434 82(左頁) 第八 道行露の㒵吉花咲た桜になぜ駒繋ぐ 駒がいさめは花がちる ヤレモサウヤレ ヤレサテナ駒がいさめば花が散る 花の都の京方へ 忠義をつくす朝光が 妻の朝路と諸共に 又鎌倉をたつか弓 引…

鎌倉三代記(十段続) 第七(局使者~米洗い~三浦之助母別れ~高綱物語)

詠んだ本 https://www.waseda.jp/enpaku/db/ ニ10-02434 62(左頁) 第七 (局使者の段)時烏 ふる程なけど聞人なく おのが儘なる在の名は 絹川の村はづれ 三浦の助義村が古郷(こきやう)に残すたらちめの 母は老病みぶら/\と近所隣の見舞人に藁タ屋の軒…

鎌倉三代記(十段続) 第六

読んだ本 https://www.waseda.jp/enpaku/db/ ニ10-02434 49(左頁) 第六七つさんささかれば 十七八か顔に紅葉をちらすへ 抱ちやねん/\寝まいか 小ゆりの花がゆるはいな 植付哥の声々も 揃ふて諷ふ 早苗笠手元と節と近江路や 北川の村はづれ男女(なんによ…

鎌倉三代記(十段続) 第五

読んだ本 https://www.waseda.jp/enpaku/db/ ニ10-02434 35(左頁) 第五物騒しき戦場はいつ太平を湖に 今ぞ生死(しやうじ)の追分や追つ追れつ馳違ふ矢橋(やばせ)の 浪の礒ばたに登り下りの旅人を乗せて商ふ渡し守 夫(つま)は?(かせぎ?)の留主の中 …

鎌倉三代記(十段続) 第四

読んだ本 https://www.waseda.jp/enpaku/db/ ニ10-02434 32 第四花の雪吹(ふゞき)と詠みたりし 志賀の山越へ夏木立間毎にもる籏さし物 峯も麓も卯の花の盛争ふ鎧武者 寄せ螺(かい)攻め鐘打ならし先陣二陣をくりおろし早乗出す十万余騎 不敵の和田兵衛只…

鎌倉三代記 (十段続) 第三

読んだ本 https://www.waseda.jp/enpaku/db/ ニ10-02434 20 第三エゝ小霜殿もふよいわいの 昨日結ふた髪 ちやむちやくにさしやつた程にの サイナ 組敷た故首かく仕かたに掴んだのじやはいの入?(びん)かして錣はこなたにとゝまつたと 甲乙争ふ女中達かたい…

鎌倉三代記 (十段続) 第二

読んだ本 https://www.waseda.jp/enpaku/db/ ニ10-02434 6 第二年々卯月 中の申 山王の祭迚坂本の御城に御神事を移され 諸士の面々末明より御社参有ば きね原鼓神楽歌 おゆるし請て町家の子供 玄関広間お白洲迄鼓太鼓で囃子立て とんつくどんなぶ拍子も 時に…

鎌倉三代記 (十段続) 第一

読んだ本 https://www.waseda.jp/enpaku/db/ ニ10-02434 2(左頁) 源頼朝 源実朝 鎌倉三代記 十段続 (第一)中華(もろこし)の 西湖(せいこ)をひきし琵琶の海 名に近江の八景も修羅の巷と鳴浪(なるなみ)の 百万余騎に埋もれて四方の山々尖どなる雪の…

奥州安達原 第五

読んだ本 http://archive.waseda.jp/archive/index.html ニ10-00558 94 第五深きを以て浅きに入浅きを以て深きを知る 其源や武将の大度 八幡太郎義家公 貞任が籠りたる小松が柵に押寄らる 付随ふ輩(ともがら)には 舎弟新羅三郎義光鎌倉の権五郎景政 其外一…

奥州安達原 第四 道行千里の岩田帯(~一つ家の段)

読んだ本 http://archive.waseda.jp/archive/index.html ニ10-00558 71 第四 道行千里の岩田帯傾城の 癪は誠の置き所 世界の客へそら言も ひとりにつくす真実の 恋の中なる 恋絹が寝姿恥ぬ中となる 其こしかたの 通ひ路は花車のかげ橋渡り初め 生駒の手綱せ…

奥州安達原 第三 (朱雀堤の段~袖萩祭文)

読んだ本 http://archive.waseda.jp/archive/index.html ニ10-00558 45 第三さればにや少将は 百夜(もゝよ)通へと夕闇の 笠にふる雪つもる雪恋の重荷の朱雀道 七条堤の仮橋に 盲目(めくら)女の引語り 綴(つゞれ)の中の秘蔵娘 十斗なが手を出して 右や…

奥州安達原 第二

読んだ本 http://archive.waseda.jp/archive/index.html ニ10-00558 25 第弐琴棊書画を嗜む身共生まれず 明け暮物の命を取り浮世を渡る 綱手縄 浪打際にさは/\と かづきの海士が昼休み コリヤ長太のおかた けふはお代官様が外が濱を通らしやると浦中はもや…

奥州安達原 第一

読んだ本 http://archive.waseda.jp/archive/index.html ニ10-00558 2 奥州安達原(第一) 作者 竹田和泉時は康平五つの年 後朱雀院の朝に当つて東夷猥りに逆威を奮ひ 王命に背き奉るといへ共 源氏の武功に切靡(なび)け再び治まる時津風 八幡太郎義家公 武…

日高川入相花王 第五

読んだ本 http://archive.waseda.jp/archive/index.html イ14-00002-680 93(右頁5行目) 第五孔子季氏を謂(のたまは)く八佾(はついつ)にして庭に舞はず 是をも忍ぶべくんば 孰(いづ)れをか忍ぶべからさらん 左大臣藤原の忠文猪熊通りに別殿 をかまへ …

日高川入相花王 道行思ひの雪吹 (附・渡し場の段)

読んだ本 http://archive.waseda.jp/archive/index.html イ14-00002-680 77 道行思ひの雪吹(ふゞき) つまづきし 石も他生の縁の端 むすぼふれたる 身をしる人もなし しる人は 哀れと思へ桜木の ちりてちはつの御姿ならはぬ 旅の苦をこして 恋路/\が 身の…

日高川入相花王 第四

読んだ本 http://archive.waseda.jp/archive/index.html イ14-00002-680 69 第四むかし/\此所に真那古の庄司といふ者有 頃しも春の始めつかた熊野三所権現に あゆみをはこぶ諸人(もろびと)の 往来(ゆきゝ)に宿の施しは誠に出家侍の 屋敷は余所にかはり…

日高川入相花王 第三

読んだ本 http://archive.waseda.jp/archive/index.html イ14-00002-680 41(左頁) 第三心は文字に書かるれど絵にかゝれぬを心といふ 三徳を備へ五常を去らぬ 六孫王経基のおはします 八条の訴目館(そめやかた) 北の方真弓御前君子のよきたぐひとや 夫を…

日高川入相花王 第二

読んだ本 http://archive.waseda.jp/archive/index.html イ14-00002-680 22(三行目) 第二 顕はせり花の都の邉りにも狼谷といふ名有 熊野山家の育ちにも容儀たいはい心はへ清きを家の通り名や 真那子の庄司清次が 一人娘に清姫迚 今年二八の春過ぎてなつき…

日高川入相花王 第一

読んだ本 http://archive.waseda.jp/archive/index.html イ14-00002-680 2 日高川入相花王 (第一)此花は是人間の種にあらず 瓊樹(けいじゆ)枝頭(しとう)第二の花と 親王に題すからうたの言の葉草はかはらねど 唐土人(もろこしびと)の目にふれぬ 我朝…