仮想空間

趣味の変体仮名

近松半二

新版歌祭文(2) 野崎村の段

読んだ本 http://archive.waseda.jp/archive/index.html イ14-00002-425 15 野崎村の段年の内に春を向へて初梅の花も時しる野崎村 久作といふ小百姓せはしき中に女房は 万事の限りの膈病(かくやまひ) 娘おみつが介抱も心一ぱい二親に 孝行臼の石よりも堅い…

新版歌祭文(1) 座摩社の段

読んだ本 http://archive.waseda.jp/archive/index.html イ14-00002-425 2 おそめ 久松 新版歌祭文 作者近松半二 座摩社の段敬白(うやまつてもふす) 難波の里の大社(やしろ)座摩明神の鳥居前(さき) 張廻したる一構へは手の筋失せ物走り人息もすた/\…

新版歌祭文 野崎村の段

読んだ本 http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/856461 3 新版歌祭文 上の巻二段目の切 野崎村の段引立て入りにけり行に娘は気もいそ/\ 日頃の願が叶うたも 天神様や 4観音様 第一は親のお蔭エゝこんな事なら今朝あたり髪も結うて置かう物鉄漿(かね)の付…

本朝廿四考 第五

読んだ本 http://archive.waseda.jp/archive/index.html イ14-00002-741 97(左頁) 第五甲斐越後両家の戦ひ 四度の軍術互角にて 勝負一時に決せんと釼の刃音鯨波 山河もうごく斗なり かゝる所へ北条氏時村上左衛門義清 軍兵数多引連て暫しと石に腰打かけ コ…

本朝廿四考 第四 (奥庭狐火の段)

読んだ本 http://archive.waseda.jp/archive/index.html イ14-00002-741 92(2行目上の段) (奥庭狐火の段) 思ひにや こがれてもゆるのべの狐火 さよふけて狐火や 狐火のべの のべの狐火 さよふけて 幾重漏くる爪音は 君を設けの奥御殿 こなたは正体涙なが…

本朝廿四考 第四 (十種香の段)

本 http://archive.waseda.jp/archive/index.html イ14-00002-741 87(1行目下の方) (十種香の段) 臥所へ行水の流と人の 蓑作が姿見かはす長上下 悠々として一間を立出 我民間に育ち人に面テを見しられぬを幸いに 花作りと成て入込しは 初君の御身の上に若…

本朝廿四考 第四 (道行似合の女夫丸)

読んだ本 http://archive.waseda.jp/archive/index.html イ14-00002-741 69(左頁) 第四 道行似合の女夫丸(めうとぐはん)偽りの 文字をわくれば 人の為 身の為ならず恋ならず 心なけれど濡衣がなきつまの名も勝頼にともなふ人も 勝頼といふてよし有蓑作が…

本朝廿四考 第三 (勘助住家の段)

読んだ本 http://archive.waseda.jp/archive/index.html イ14-00002-741 55(左頁5行目下)(勘助住家の段) こそは帰らるゝ 木曾山木立あらくれて 無法無徹をしにせにて名も横蔵のすじかい通 草鞋(わらんづ)の日もふり埋む餌竿かたげて門口より 母者人今…

本朝廿四考 第三 (景勝下駄の段)

読んだ本 http://archive.waseda.jp/archive/index.html イ14-00002-741 50(左頁4行目下) (景勝下駄の段) ゆゝしけれ 秋の末より 信濃路は 野山も家も 降り埋(うづむ) 雪の中なる白髪の雪 女ながらも故有て 男のすなる名を名乗る 山本勘助と人毎に 岩…

本朝廿四考 第三 (桔梗原の段) 

読んだ本 http://archive.waseda.jp/archive/index.html イ14-00002-741 43 第三 (桔梗原の段)名も山深き信濃路に ?(やさ)しき花の名に呼し爰ぞ桔梗が原とかや 甲斐と越後の領分にわけて立たるさい目の場所 馬草を苅に奴らさ 一本きめた刀より研ぎ立て鎌…

本朝廿四考 第二

読んだ本 http://archive.waseda.jp/archive/index.html イ14-00002-741 22(三行目) 第弐 木曽川や夜半に紛れて 出て行恵は四方に隠れなき 下諏訪の神垣は下照姫の御神にて 霊験あらたに帰します故近国の貴賤歩みを運ぶ賑ひに 宜ねが小鼓神楽歌神慮も嘸と…

本朝廿四考 第一

読んだ本 http://archive.waseda.jp/archive/index.html イ14-00002-741 2 武田信玄 長尾謙信 本朝廿四孝 座本竹田因幡掾 (第一)春は曙漸白く成行まゝに 雪間の若菜青やかに 摘みい出つゝ 霞だちたる花の頃は更なり さればあやしの賤迄も己々が品に付き 寿…

妹背山女庭訓 姫戻りの段 金殿の段

読んだ本 http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/856576 2 妹背山婦女庭訓 四の切 されば恋する身ぞつらや (姫戻りの段)出るも入るも忍ぶ草 露踏わけて橘姫 すご/\帰る対の屋の 障子に 3ばらり打礫 ソリヤお帰りのしらせぞと めい/\庭につどひおり しを…

妹背山女庭訓 杉酒屋の段

読んだ本 http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1033811 妹背山婦女庭訓 四の口 日と供にいとなむさまも入相の 四方のいちぐら戸ざし時 子太郎後を打見やり 灯(ともひ)を上げ表の戸 3夜の構へのそこ爰と こなたの道より 歩み寄 振の袖の香やごとなき 面を隠…

奥州安達ヶ原 袖萩祭文

読んだ本 http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/856583 奥州安達原 三の切(袖萩祭文) 立って入りにける 只さえ曇る雪空に 心の闇のくれ近く 一間に直す白梅も無常を急ぐ冬の風 身にこたゆるは 血筋の縁 不憫やお袖はどぼ/\と親の大事と聞くつらさ娘お君に…