仮想空間

趣味の変体仮名

古今名婦伝 遊女地獄

「古今名婦伝」 柳亭梅彦記 「豊国画」 遊女地獄泉州(せんしう)堺(さかい)高須の遊君(ゆうくん)なり 容顔(ようがん)並びなく全盛にして 気象高く 自ら地獄と呼(よび)て 衣類皆地獄変相(いるいみなぢごくへんさう)の図を画(えがゝ)しめたり 暇…

おさな源氏 巻三~四

読んだ本 https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/2567274?tocOpened=1 1 おさな源氏物語 二之上 さかきより 2 源氏物語 巻之三四 さか木 花ちる里 須磨 あかし みをつくし よもぎふ せき屋 えあはせ まつ風 うす雲 あさかほ をとめ (図)南 秋好中宮 池 御蔵…

古今名婦伝 静御前

「古今名婦伝」 静御前花洛(みやこ)の白拍子なり 義経(ぎけい)殿に深く想はれけるが判官殿 鎌倉の討手(うつて)厳しく 落(おち)玉ふ時吉野にて名残を惜(をし)み 皇都(みやこ)に止(とゞ)まり其後 鎌倉へ召下され右幕下(うばくか)殿の御前(み…

おさな源氏 巻一~二

読んだ本 https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/2567273 言葉の意味を調べ、漢字を充ててみました(薄字)。 1 おさな源氏物語 巻一~二 2 ある女はうの長/\しきさうしをよみけるをわらはへ とものこそりよりて聞いけるかはやそらにおほえて くち/\にいひ…

古今名婦伝 栢原の捨女

「古今名婦伝」 栢原(かいばら)の捨女(すてぢよ)丹後国氷上郡(ひがみごほり)田氏(たうぢ)の女(むすめ)なり 弱年(おさなき)より和歌俳諧を好み 秀吟(しうぎん)多し 初雪や二字(にのじ) ふみ出す下駄の跡(あと) これ幼き時に よみしとぞ同宗…

桃太郎一代記(百たらうばなし)

読んだ本 https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1919909 2 百(もゝ)たらうばなし むかし/\。しん/\゛のぢゝは。せきぜんの。 たかきやまへ。ぼんほうの。くさかりに。しんじつ のばゝは。いんとくの。ふかきかはへ。こゝろの あかを。せんたくに。ゆきけ…

古今名婦伝 掃溜於松

「古今名婦伝」 掃溜於松(はきためおまつ)芝三田の局見世(つぼねみせ)なり その身 賤しき身ながら 心清くこの女の異名を 掃溜(はきだめ)お松といふにぞ 或時塵塚(ちりづか)の歌は詠(よみ)たり是よりして 其名一時に高く 実(げ)に珍しき 女なり …

桃太郎一代記

「有吉のカネオくん」の国会図書館の回で、おもしろ蔵書の一つとして紹介されていました。桃を食べた爺さん婆さんが若返って子作り再チャレンジの結果生れたのが桃太郎、というバージョン違いの説がミソです。お伴にして欲しい犬猿雉の自己プレゼンも面白か…

立正安国論

天災、飢饉に見舞われた当時、文応元年に日蓮が執筆し鎌倉幕府執権時頼に提出した文書。問答形式によって浄土宗を批判排除しつつ法華経の正当性と必要性を説いているが政治批判とも受け取れ、それにより日蓮は伊豆へ流される。問うて曰く、答えて曰く以外に…

古今名婦伝 小野小町

「古今名婦伝」 豊国画 小野小町(おのゝこまち)出羽の郡司か女(むすめ)とも 小野好実(おのゝよしざね)が猶子(ゆうし)ともいふ 和歌は衣通姫(そとをりひめ)の流れを汲で 其頃の歌仙なり あるとき内裏の歌合(うたあはせ)に大伴(おほとも)の黒主…

御代参丑時詣(ごだいさんうしのときもうで)

読んだ本 https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/9892579 4 かまくらかめがやつといふ所に 松山 かげゆと いふ人あり 御ほふこふを たいせつに つとめしび よくいんきよの ねがいかなひ ひとり むすめの こいむこ 新之丞に かとくを おふせ つけ られこのうへ…

古今名婦伝 巴御前

「古今名婦伝」 応需 梅素亭記 巴御前 巴は木曽義仲の妻にして粟津の戦(たゝかひ)破れて石田為久がために義中をうたれ 我はまた和田義盛に生捕(いけどら)るゝに 義盛巴が力量を感じて右幕(うばく)下(か)に許(ゆるし)を乞て妻となして一子をまうく …

女用訓蒙図彙

読んだ本 https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/2554828?tocOpened=1 3 女用訓蒙図彙(おんなようきんもうづい)序 天地(あめつち)むら気そめ陰陽となづけしより人論は じまれり 国さかへ里さかふるなり しかあれば有(う) 情(じやう)にをいて妹背のこ…

双蝶々曲輪日記 第九

読んだ本 https://archive.waseda.jp/archive/index.html 浄瑠璃本データベース ニ10-02245 87 第九 勧心寺(かんしんじ)の隠れ家(が)に恋路のまぼろし 河内の国のかた邊りに幻(まぼろし)竹右衛門といふ親仁有 心にゆがむ節もなく 正直一遍歯に 衣をき…

双蝶々曲輪日記 第八(引窓)

読んだ本 https://archive.waseda.jp/archive/index.html 浄瑠璃本データベース ニ10-02245 75 第八 八幡の親里に血筋の引まど 出入るや月弓の 八幡(やはた)山崎南(なん)与兵衛のお祖母(ばゝ) 我子可愛かナなけを 出せさと諷ひしを 思ひ合せば其昔 八…

双蝶々曲輪日記 第七

読んだ本 https://archive.waseda.jp/archive/index.html 浄瑠璃本データベース ニ10-02245 72(左頁) 第七 道行菜種の乱咲 〽はてしなく 狂ふ与次兵衛を 長吉が漸抱(いだき)とゞむれば なふ正体なき お身の上 あづまが顔も見忘れてか これのふ/\と すが…

双蝶々曲輪日記 第六

読んだ本 https://archive.waseda.jp/archive/index.html 浄瑠璃本データベース ニ10-02245 57 第六 橋本の辻駕籠に相輿(あいごし)の欠落 思ひなくて藪入したき 親里に 与五郎が嫁お照 さらるゝとなく去となく呼 戻されて明け暮に しんき/\のぶら/\病さ…

双蝶々曲輪日記 第五

読んだ本 https://archive.waseda.jp/archive/index.html 浄瑠璃本データベース ニ10-02245 52 第五 芝居裏のけんくはに難波のどろ/\ 大宝寺町を横切にすぐには行ぬ郷左衛門 業(ごう)をにやして与五郎がたぶさ片手に 引ずり廻す畠中 難義難波や芝居裏 歎…

双蝶々曲輪日記 第四

読んだ本 https://archive.waseda.jp/archive/index.html 浄瑠璃本データベース ニ10-02245 38(左頁) 第四 大法寺町の立引に兄弟のちなみ 大坂に こゝも名高き 嶋の内 大宝寺町に年を経て角をたやさぬつき米や ひとり息 子の長吉はてゝ親なしの我儘育 姉の…

双蝶々曲輪日記 第三

読んだ本 https://archive.waseda.jp/archive/index.html 浄瑠璃本データベース ニ10-02245 25(左頁) 第三 揚屋待ちのいきづくに小指の身がはり 寂光の都は爰ぞ 四筋町九軒常夜の闇をてらす 井筒がもとの賑しさ 数 の菩薩の来迎と五百羅漢の末社共 しま黄…

双蝶々曲輪日記 第二

読んだ本 https://archive.waseda.jp/archive/index.html 浄瑠璃本データベース ニ10-02245 13(左頁) 第二 相撲の花扇に異見の親骨 茶を参れ/\/\/\ 中入迄も勝負附け かちまけの勝負附/\と 重言多き 売り声も 高台(たかきや)橋の南詰 けふ七日目の大…

双蝶々曲輪日記 第一

読んだ本 https://archive.waseda.jp/archive/index.html 浄瑠璃本データベース ニ10-02245 2 双蝶蝶曲輪日記 第一 浮瀬(うかむせ)の居つゞけに相図の笛売(ふえうり) 爰に一つの望がござる 京の女郎に長崎いしやう きせて ちゝやちん/\ちつくり江戸のは…

放下筌

読んだ本 https://www.dh-jac.net/db1/books/results1280.php?f1=hayBK02-0155&f12=1&enter=portal&lang=ja&max=1&skip=0&enter=portal&lang=ja 2 序 今迄 世に ばけ物の本 あまたありといへども 皆怪(あやし)く 恐敷(をそろしき)のみにて 其变化の正体…

碁太平記白石噺 第十一

読んだ本 https://archive.waseda.jp/archive/index.html 浄瑠璃本データベース ニ10-01458 126(4行目) 第十一 蚍蜉(ひふ)集つて大樹を動かす 義興をからめんと笠置の山を十重廿重 淀野木津川瓶(みか)の原 甲の星を輝かしおめきさ けんで責登る 爰ぞ一…

碁太平記白石噺 第十

読んだ本 https://archive.waseda.jp/archive/index.html 浄瑠璃本データベース ニ10-01458 107(左頁) 第十 京の水色よい染出しの 殿茶小紋を見初めて染て 今宵必かならずやいの 松葉小紋の かはらぬ色をそつちもサ こつちもサ そつちもこつちも 思ひ合の…

碁太平記白石噺 第九 道行いはぬいろきぬ

読んだ本 https://archive.waseda.jp/archive/index.html 浄瑠璃本データベース ニ10-01458 105(左頁) 第九 道行いはぬいろきぬ 爰の在所によいこの嫁御 よその男に気をもみ洗ひ かいげ柄杓のえにしは千年かけ水の 流と 人の行すへは いさ白石や さゞれ石 …

碁太平記白石噺 第八

読んだ本 https://archive.waseda.jp/archive/index.html 浄瑠璃本データベース ニ10-01458 84 第八 我家に 千尋の影を 榎の木松 牛込邊にゆつたりと 浪人ながらたくはへに 剩る風雅の茶 心や 手前も清き宇治の常悦 心置なき友どちとつれ/\ 晴す夜咄の用意…

碁太平記白石噺 第七

読んだ本 https://archive.waseda.jp/archive/index.html 浄瑠璃本データベース ニ10-01458 60(左頁) 第七 古への 葭葦生(はへ)し所をば 今は吉字に書替て新吉原の繁昌は 外に類ひもなまめきし 或は貸本小間物や 早いぞめきは浅黄裏 陣笠股引苦に侍のさ/…

碁太平記白石噺 第六

読んだ本 https://archive.waseda.jp/archive/index.html 浄瑠璃本データベース ニ10-01458 50(左頁) 第六 サア/\旦那方 お茶屋様へお腰でもおかけなさい 今日は結構なお天気で 私も仕合観音 様もお仕合でござります 咄しも差合のない私が作つたのをあげ…

碁太平記白石噺 第五

読んだ本 https://archive.waseda.jp/archive/index.html 浄瑠璃本データベース ニ10-01458 36(左頁6行目) 第五 陸奥は いづくは有ど塩竈の ソレにはあらで朝夕の 煙も細く白坂の 城下に近き逆井村 与茂作 37 か留守のうち妻は春ゟぶら/\の枕も 床(とこ…