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『浄瑠璃本史研究』の見返し

床本

 

わたくしには難しい2冊の本を久し振りに図書館から借りて来た。

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 床本の「四行本」とか「五行本」などの違いの所以が書かれていたかな~?と思って。

 

 

早速、神津武男さん著『浄瑠璃本史研究』を開くと見返しが丸本。

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なんの浄瑠璃だろう?読めるかな。

え~と、え~~~と、

お、これは「袖萩祭文」だな。

 

して 運を一時に発せんと 太刀に手をかけ詰め寄れば ハヽアせいたりな貞任 汝獅
子王の勢い有り共 八方に敵を受け一人の力に及 又其方が一命 環の
宮と宝剱の有り家 責むる共よも白状せじ 術を以て捜(さがし)出す夫レ迄は いつ迄
も助け置く 命ながらへ時節を待って 戦場の勝負はなぜせぬぞ 今犬死し
て親時頼が 大望は無にするか 弓矢の情けは相互い 夫婦の操も節義は
一つ 貞心厚き袖萩が 最後の際に一言は 妻子に詞もかけよかし 暇乞を
と仁愛になふなつかしの貞任殿 最前からよふ似た声とは聞きながら あんまり

思いがけもない 六年ぶりで廻り合 顔見る事も叶わぬか 死る今はにちょっとな
と 此眼が明たいコレお君 とと様のふと稚子を 見るに遉(さすが)の貞任も 恩愛の
涙はら/\/\ 大将憐み思し召 てて親の縁切ったるお君 義家が子に養はんと 
仰せに傔丈有難涙 いかなれば某は敵と味方を聟にもつ 因果も思ひ 
廻らせばせば代々不和なる源平を 先祖に背いて縁組んだ 我誤りを白旗の此 
白梅を血に染めて 元の平家の寒紅梅 娘 父上いざ一所に 聟殿さらば 我
夫さらば 傔丈殿 姉様のふと別れの涙 母の袂も敷妙も 一度にわっと

 

『奥州安達ヶ原』三段目「袖萩祭文」でしたー!

 

 

扉にも。どうやら見返しとは違う作品っぽい。

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 えっと~~、「入江」と「弾正」の名が読めるが、この組み合わせは聞き覚えがないぞ。

「入江 弾正」でネット検索するも手掛かりなし。「歌舞伎登場人物事典」にも記載なし。

ということは端役なのかなぁ。う~~~ん。

 

あっ、

 

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端っこに「孝四十八」とあるのを見つけてしまった!

「孝」といえば「二十四孝」しかないんじゃん?

文化デジタルライブラリー」に行って「役名・入江」で検索、

あったー!『本朝二十四孝』の三段目「桔梗ヶ原の段」でした。

なんかインチキしちゃったような気もするけど、知らない浄瑠璃だし仕方ないよね。

ともあれ通して読んでみよー。

 

まつ其ごとく 稚けれ共甲州の町人 其元がお構ひあらば 却て狼藉国賊の 名を取る
か弾正殿と 先にかけたる詞の裏釘折返されてさしもの弾正返答せき切ル女房入江 思へば無
念と唐織が 抱し稚子無理やりに引取ばわっと泣 是は無体な入江様 さっきの喧嘩に負けた
???  と妻顔はほのめく薄
???  し 実やいたって正直は頭
にやとる 神の慈悲一湯の善を持ツ雪中の梅にも勝る主君の悦び此身の忠義されば
いな お慈悲深い信玄様の御威勢が顕れて私が無念もたった今 ナア申入江様最前のお

 

でしたー!

読めた~∩( ・ω・)∩バンジャーイ 

参考にした本 http://www.dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/856269 コマ28~