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曽根崎心中初演番付 口上

曽根崎心中

 

『牟芸古雅志』掲載の、人形浄瑠璃曽根崎心中』初演番付です。

初演時の様子と人形遣い松八郎兵衛の口上が書いてあります。

 

 

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(枠外・上) 

近松門左衛門
越前の産にて
肥前唐津
近松寺に遊学し
後に京都に住し
日本一枹子の
兄なり云々

 

(右枠に外題)

曽根崎心中 付り 観音廻り   作者 近松門左衛門 

             おやま人形 辰松八郎兵衛

 

(絵・四角内の説明書き)
「志やみせんひき」(三味線弾き) 
「太夫竹本ちくごの掾」(たゆう・たけもと筑後のじょう)
「竹本たのもつれかたる」(竹本頼母、連れ語る)
「おはつミちゆき」(お初、道行)
「辰松八郎兵衛人形つかふ所」(たつまつはちろべえ、人形遣うところ)
「口上人かきつけ請取」(口上人、書き付け受け取る)

 

(絵・一番下)
見物の
中より
かきつけ
わたす

(見物の中より書き付け渡す)

 

 

 (左枠内に人形遣い松八郎兵衛の口上)

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曽根崎心中 作 者  近松門左衛門
      人ぎやう 辰松八郎兵衛

松八郎兵衛口上
此度仕りますそねさきの志ん中の義は京近松門左衛門あと月ふつと御当地へくだり
あハせましてかやうのことこさりましたを承り何とぞおなぐさみにもなりまする様にと存まして
則浄るりに取くミおめにかけまするやうにござりますはう/\゛のかぶきにも仕りまして
さのミかはりました義もござりませね共浄るりに仕りますハはじめにてござりまする
序に卅三所のくハんをんめぐりの道行がござります人形の義ハめつらしからね共御目
通りにて私がつかひまする様にござりますとかく御ひいきのちくごのぜう義で
ござりまする間何事もよしなに御けんぶつ下されませふ是より心中のはじ
まりさやうにおこゝろへなされませい

 

この度仕ります曽根崎の心中の義は、京・近松門左衛門、あと月(先月)ふっと御当地へ下り、合わせまして斯様の事にござりました(心中事件があったこと)を承り、何卒お慰みにもなりまする様にと存じまして、則(すなわち・即座に)浄瑠璃に取り組み、お目にかけまする様にござります。方々の歌舞伎にも仕りまして、然のみ(さのみ・そんなに)変わりました義もござりませねども、浄瑠璃に仕りますは始めにてござりまする。「序」に三十三所観音廻り(江戸時代に流行った大坂三十三か所観音めぐり)の道行がござります。兎角御贔屓の筑後掾(竹本筑後掾・たけもとちくごのじょう)義でござりまする間、何事もよしなに御見物下されましょう。これより心中の始まり、左様にお心得なされませい。