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曽根崎心中 三十三所観音廻り

床本 曽根崎心中

 

読んだ本 http://www.enpaku.waseda.ac.jp/db/index.html (イ14-00002-481 )

 

曽根崎心中 付 観音廻り

 

げにやあんらくせかいより 今此しや
ばにじげんして 我らがためのくはん
ぜおんあをぐもたのしたかきやに のほ
りてたみのにきはひを ちぎりをきてし
なにはづや みつづヽとをとみつのさと ふた


3
しよ/\のれいちれいぶつめぐれば つみも
なつのくもあつくろしとてかごをはやをり
はのこひめさぶろくの 十八九なつかほよ花
今さき出しの はつ花にかさはきず共めさ
ず共 てる日の神もおとこ神 よけて日ま
けはよもあらじ たのみ有けるしゆんれい

道 西国卅三所にもむかふと きくぞ有がたき
一ばんに天まの 大ゆふじ 此御寺のなもふりしむかしの
人も きのとほるの おとゞの 君か しほがまのうらを
都にほり江こぐ しほくみぶねのあとたえず
今もぐせいのろびやうしに のりの玉ぼこゑい
/\ 大坂しゆんれいむねにきふだの ふたらくや


4
大江のきしにうつなみに しらむよあけの とり
も二ばんに長ふくじ そらにまばゆき久かたの ひ
かりにうつる家かげのあれ/\ はしればはしる
これ/\又とまればとまるふりのよしあし見る
ごとく 心もさぞや神仏 てらすかゞみの神明宮
おがみめぐりてほうぢうじ 人のねがひも我ごとく

たれをか恋のいのりぞと あたのりんきやほうかいじ
東はいかに 大きやうじ くさのわかめも春過て をくれ
ざきなるなたねやけしの 露にやつるヽ夏の虫 をの
がつまごひ やさしやすしや あちへとびつれ こちへ
とびつれ あちやこち風ひた/\/\ はねと/\を
あはせのそでの そめたもやうを花かとてかたに


5
とまればをのづから もんにあげはのてうせんじ
ぜんだうじりつたうじ 天まのふだしよのこりなく
そなたにめぐるゆふ立のくものはごろも せみの
はのうすき手のこひ あつき日に つらぬくあせの
玉つくりいなり の宮にまよふとの やみはことはり
御仏も 衆生のためのおやなれば 是ぞをばせの

かうとくじ よもにながめのはてしなく 西にふなぢ
のうみふかく なみのあはぢにきえずもかよふ おき
のしほ風身にしむかもめ なれも むじやうのけふ
りにむせふ いろにこがれてしなふなら しんそ此
身はなりしだい さて げによいけいでんじ えんにひ
かれて 又いつか こヽにかうづのべんめうゐん ぼだいの


6
たねや上寺町の長あんじ よりせいあんじのぼ
りやすな/\くだりやひょこ/\ のぼりつおりつ
谷町すぢを あゆみならはずゆきならはねば しよ
ていくづをれアヽはづかしのももりてもすそははら
/\/\ はつとかへるをうちかきあはせ ゆるみしおび
を引しめ/\ しめてまつはれふぢのたな 十七ばん

じうぐはんじ 是からいくつ生玉のほんせいじそと
ふしおがむ じゆずにつながんぼたいじや はや天王
六時堂七千よくはんの経堂に読む
とりの時ぞとて よそのまつよひきぬ/\も 思いはで
つらきかねのこゑ こん金堂かうだうまんどう
ゐんにともすひは かげもかヽやくろうそくの


7
清水にしばしとて やがてやすらふ あふさかのせきの
しみづをくみあげつ 手にむすびあげ口すヽぎむみやう
の酒の思ひさます 木々の下風 ひや/\と右の袖口
左の袖へ とほるきせるにくゆる火も 道のなぐさみ
あつからずふきて みだるヽうすけふり そらにきえ
ては是もまた ゆくゑもしらぬ あひおもひ

ぐさ 人しらぶぐさ道くさに 日もかたふきぬいそ
かんと又立出るくものあし しぐれの松の下寺町
にしん/\゛ふかきしんかうじ さとらぬ身さへ
かくじ さて こんたいじ大れんじ めくり/\て是
ぞはや 三十ばんに み三津寺の大じ大ひを頼に
て かくる仏の御手のいと しらが町とよくろか


8
みは恋にみだるヽまうしうの 夢をさまさんはく
ろうの こヽもいなりの神やしろ仏神すいはのしるし
とていらかならべし新御霊に おがみをさまるさしもぐさ
くさのはすはなよにまじり 卅三に御身をかへいろで
みち引なさけでをしへ 恋をぼだいのはしとなし わたして
すくふくはんぜおんちかひは たへに有がたし