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山本屋かつ山の事 咄の絵有多

 

読んだ本 http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1242667

 

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13

山本屋かつ山の事
むかし京町二丁目山本や
介右衛門かかゝへにかつ山といへ
るゆふぢよあり
もといやしかざる女
なりしか父のふ
きやうをこうむり
此里へいたる突出しの
日黒しゆすの小袖
にいもせ山ながるゝ
川のうすごほりとけてぞいとゞ
そではぬれけるとみづからよみし
うたをぬわせかみもことかはり
めづらしければこれよりかつ山
むすびとて人々ぶけがた
町ともにこれをもちゆ
又ひやうごむすひといふ
かみはひやうごやといふ
けいせいやより出す又
しまだむすびといふは
しまだの万吉といふ
女かぶき
むすび
はじめし也

 

昔、京町二丁目山本屋介右衛門抱えに勝山とい言える遊女あり。
もと賤しからざる女なりしが、父の不況を蒙りこの里へ至る。
突出しの日、黒繻子の小袖に
「妹背山流るる川の薄氷溶けてぞいとど袖は濡れける」
と自ら歌いし歌を縫わせ、髪も事変り珍しければ、これより
勝山結びとて人々武家方、町、供にこれを用ゆ。又、兵庫結び
という髪は、兵庫屋という傾城屋より出す。又、島田結びというは、
島田の万吉という女歌舞伎結び始めし也。

 

 

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