曽根崎三丁目の情死

 

字が小さく読み難い部分があったが頑張って読んでみた。

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明治八年
大坂錦画新聞
第九号

第三月十七日午
後八時頃大坂西成
郡第三?曽根崎
村云々に。新屋しきに情死
とて。汚名の高き安五郎は。元薩
州蔵やしきの仲士にて。江戸堀北通
三丁目に住居しものながら。フト上福島なる
山崎咲蔵の娘しげといへると 馴
そめしはカノ新中?なる。川村よつといふ方へ。二人とも心易く
行かよふより。ふかくなり。末は夫婦と約束に。いつしか
身も。重くなり。親にも明して産む子さへ。間もなく死せりを

幸ひに。しげの親な?咲蔵は。二人が中をかき分けしが。わかり
かねたる男ゆへ 咲蔵は大いに心痛し。弟の直七にたのみければ
直七いろ/\周旋して。二人にいけんくはへければ。冥加顔して安五郎
それに付ては話も有ば。し?と二階をかした給へと。上って間もなくあやしき物音。何
事しやんと。上りて見れば。燈火けしてくらがりの。恋の闇かや二人りとも血まぶれなりし
有様に。コハ何故と問まもなく其儘息はたへしとぞ  

 

 (?)の付いている「フト」と「ノき」は特に自信なし。

 

三月十七日午後八時ごろ、大坂西成郡曽根崎村云々に新屋敷に情死とて、汚名高き安五郎はもと薩州蔵屋敷の仲士にて、江戸掘北通三丁目に住居し者ながら、フト上福島なる山崎咲蔵の娘しげと言えると馴れ染めしは、かの新中?なる川村よつと言う方へ行き通うより深くなり、末は夫婦と約束にいつしか身も重くなり、親にも明かして産む子さえ、間もなく死せりを幸いに、しげの親なる咲蔵は二人が仲を搔き分けしが、わかりかねたる男ゆえ、咲蔵は大いに心痛し、弟の直七に頼みければ直七いろいろ周旋して、二人に意見加えければ、冥加顔して安五郎、それについては話も有らば、暫し二階を貸し給えと、上って間もなく怪しき物音、何事やらんと上りて見れば、燈火消して暗がりの、恋の闇かや二人とも血まぶれなりし有様に、コハ何故と問う間もなくそのまま息は絶えしとぞ。