二代尾上忠義伝 前書

 

 

五月東京文楽公演にて観劇した「加々見山旧錦絵」にはえらく感動した。なので、

その記念に同じ物語の絵草子が読みたい。読んでみよう。読めるかな?

 

読んだ本 http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/10301710

 

参考にした本(上と同じ本だが画像が鮮明)   http://www.wul.waseda.ac.jp/kotenseki/html/he13/he13_02378_0304/index.html

 

4 右頁

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二代尾上忠義伝
新判刻稗史合巻五冊
故郷之錦絵
文政辛巳孟春?市
晋米斎編
五渡亭圖
本材木町一丁目
版原 春(窓?)軒

 

左頁

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勧善懲悪の碑微意を一劇場に操り。人世多端の形勢(ありさま)を狂言の條(すぢ)に採。
然も性質の善不善を役者の似㒵に扮じ。以て夫婦幼童の教諭に
備ふ。忠は紙崎が実の厚きに尾上の松の操を添へ。義はお初が至誠の
終を遂るに。眼兵衛が目瞬(めまぐろか)ざるの勇を加ふ。色は縫之助が糸に綾取て。
操姫が貞を顕し。契情道芝が死して道を立るに涙の露を潅ぐ。?然(難然?)
桃井が深く契りし早枝が岩藤の蔓は断(きれ)ども。恋路の跡を止めず。締
括?くゝりなき敵役鷲の善六が羽をのした行方をしらず。灰吹から蛇の出る
嘘を吐て。蛇が出さうで蚊も出ぬは。嗚呼狂言綺語。善に強きは暫
云ず。悪に剛きは岩藤の蔓。大杉の赤身。若之を以て盥に造るとも。
必耳を濯こと勿れと尓云。
文政四年辛巳春 於藍亭之窗下 晋米斎玉粒 戯叙