二代尾上忠義伝 四段目つづき(その1)

 

読んだ本 http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/10301710

 

 

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 18
「つゞき」
「ヲゝでかした
此一トこしは
ほうびに
とらす武
士のたまし
ひに入レかへて
国のため
娘のため
「なるか
ならぬは
刀の
こひ
ぐち

 

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 きるか
きら
ぬか
しやう
じの
さかひ
わた


たく


の下
「かならず
ともに
こゝろ
まし
たト

 

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 やくそくして
こそは
わかれ
ける
○道
芝は
ぬひ
の助に
わかれ
うろ/\
はし
り行
さきへ
つきあたりたる
おや子のえん「がん
兵衛はこしをかゞめ

 

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 「ヲゝこれは/\あまりに
いそいでおもはぬそさう
ト見あはすかほに「とゝさんか
「むすめかトハツとおどろく
ばかりなし「久しぶりであふ
たそなたへをりいつておやより
たのみといふはほかでもないが
ぬひの助殿のことを思ひきり
持氏様へおどぎにあがつて
そちが身のためとの様の
おさめト半ぶんきかず
「もしとゝさん「上へ」

 

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 「下より」
ほかのことなら
なんなりと
そむきま
せぬが何を
かくしませう
わたしが
身には「次へ」

 

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「おお、でかした。この一腰は褒美に取らす。武士の魂に入れ替えて、国の為娘の為。」「成るか成らぬは刀の鯉口、斬るか斬らぬか障子の境、私の宅は雪の下」「必ず共に」「心得ました」と約してこそは別れける。

○道芝は縫之助に別れ、うろうろ走り行く先へ突き当りたる親子の縁。眼兵衛は腰を屈め、「おお、これはこれはあまりに急いで思わぬ粗相」と見合わす顔に「父さんか」「娘か」と、はっと驚くばかりなり。「久しぶりで会うたそなたへ折り入って親が頼み、と言うは他でもないが、縫之助様の事を思い切り、持氏様へお伽に上って、そちが身の為」と半分聞かず「もし父さん、他の事ならなんなりと背きませぬが、何を隠しましょう、私が身には」「次へ!」