二代尾上忠義伝 六段目つづき(その2)

 

読んだ本 http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/10301710

参照した本 (コマ21)

http://www.wul.waseda.ac.jp/kotenseki/html/he13/he13_02378_0304/index.html

 

 

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 23
「つゞき」此うへとても岩藤まさたらはぬことは
よいやうに「さしづしてくれう何のそもじの
御はつめいこなたのおやは金もちで
お金御用をつとめやるそのかうまんが
はなのさきへぶらついてコレ此つらに
みえるはいの其角とやらの句に

口切やなんぢをよぶは
金の事コレ金持づら
やめにしてくだされ
尾上殿お表ならば
用人かくのつぼね
やくをなご一通り
はもちろんまん一
らうぜきものがおくへ
切入うがまゝをなご
ながらもごぜんの
じゆごうちとる
きりやうが
なけりや
つとまらぬ

 

「テモ
まアおそ
ろしいたく
みごとじや

 

 

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 そもじも心がけ
がござるか
しせうは
何といひ
まするいのう
イヤモおとま
しやこゝな
ろくぬすびと
「づぎへ」

 

(右頁下)

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「モシ
てん
ぜん殿
いつぞや
とり
おとした
みつ しよ
なんでも
尾上めが
あたらめて
けつかると
きのふも
かう/\けん
くわしかけ
ても
さて
/\
しぶ
とい
女かく
申し
此いへ
を一ト

のみ と
思ふ
お まへ や

 

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わたし
アノ
小あま
いつぴき
又もやう
をかへて
きやつを
ぼいまくれば
のゝみやたか 
さご此一家
中はおまへ
とわしが
心のまゝ

「京都
よりの
御ない故に
御かとくは花若との
事 スリヤこれまでの
心つくしもあだ事
しかしかんじんのつぎ
めのりんしをちやく
ぶくしておけば花
若のかとく

 

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 おもひもよらぬ
いづれじやまなをのへ
めをシイこえがたかい
かべにみゝいわのものいふ
よの中コリヤひすべし/\

 

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「この上とても岩藤様、足らわぬ事は良い様に」「指図してくりょう?何のそもじの御発明、こなたの親は金持ちでお金御用を勤めやる。その高慢が鼻の先へぶらついて、これこの面に見えるわいの。其角とやらの句に、口切や 汝を呼ぶは 金の事、これ金持面やめにして下され尾上殿、お表ならば用人格の局役、女子一通りは勿論、万一狼藉者のが奥へ切り入ろうが、まま女子ながらも御前のじゆご(守護?前後?)討ち取る器量がなけりゃ勤まらぬ。そもじも心掛けがござるか、師匠は何と言います?ないのか?いやも、おとましや、ここな禄盗人

「次へ!」

 

(右ページ下)
「もし、天膳様、いつぞや取り落した密書、なんでも尾上めが温めてけつかる、と昨日もこうこう喧嘩仕掛けても、さてさてしぶとい女、ああ申し、この家を一飲みと思うお前や私、あの小アマ一匹、又模様を変えてきゃつをぼいまくれば、野々宮高砂この一家中はお前とわしが心のまま」
「京都よりの御ない故に御家督は花若との事、すりゃ、これまでの心尽しも仇事。しかし肝心の継ぎ目の綸旨を着服しておけば、花若の家督、思いもよらぬ。いずれ邪魔な尾上めを、」
「しい、声が高い、壁に耳、いわのもの言う世の中、こりゃ秘すべし、秘すべし。」