仮想空間

趣味の変体仮名

豆腐百珍 通品 佳品

 

読んだ本 http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/2536494

 

19 左頁

 通品

廿七 炙(やき)豆腐  廿八 油煠(あげ)とうふ  廿九 軟(おぼろ)とうふ


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三十 絹ごし豆腐  卅一 油煠田楽  卅二 竹輪豆腐

卅三 青菽乳(あおまめとうふ) 卅四 やつこ豆腐  卅五 葛田楽 祇園とうふなり

卅六 赤みそのしき味噌とうふ

 佳品

卅七 なじみ豆腐 上々の白味噌よくすりて酒にて中稀(うす)に
   のべとうふをよきほとにきり一時あまり浸をき其まゝ

   文武火(つよからずよはからず中ぐらひの火なり)にて煮たつる也○葱白のざく/\゛
   青番椒(とうがらし) おろし大根をく○器物は抽みそ皿などよし

卅八 苞(つと)とうふ とうふよく水をしぼり醴をすりまぜて
   棒の如くとりて竹簀に巻き蒸して小口切にす

卅九 今出川とうふ 昆布をしき鰹のだし汁と酒しほと
   にて煮ぬく也中ほどより醤油さし加減しかくし
   葛をひき椀へよそひてみ胡桃の砕きをふる也


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四十 一種の黄檗(わうばく)とうふ 薄醤油と酒しほ合せよく沸(にへたゝ)せ
   別の鍋に油たつふりと沸せ豆腐を平骰(ひらおほさい)に切りて
   金の籠(あみかご)に入れ油へつけて二三べんふりまはし直ぐに
   煮醤油の鍋へ入れ烹調(かげにょくに)る也○一説に水をよくしぼ
   りて「十」雷とうふの如くするを亦(やかた)黄檗といふ

四十一 青海(せいがい)とうふ 絹ごしのすくひ豆腐を葛湯にて煮
    調よくし○別に生(き)の煮かへし醤油をこしらへをき出し
    さまに椀中へさし醤油にして青海苔を焙(ほいろ)にかけ
    いかにもよく細末しるひにかけたるをぱつとをく也

四十二 浅茅(あさぢ)田楽 稀醤(うすしやうゆ)のつけ炙(やき)にして梅醤(むめみそ)をぬりて
    いりたる芥子を密(ぴつしり)とかける也

四十三 海胆(うに)田楽 うにを酒にてよきかげんにとき用ゆ常
    の田楽の如し○對馬と肥前の平戸より産(いづ)るうに
    を最も上品とす越前の藍川はこれにつぐもの也

四十四 雲かけ豆腐 よきほどり切りて寒曝しの糯の粉に
    糝(まふ)し蒸て山葵味噌をかくる○山葵味噌の製は「八十二」


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    茶とうふの下(ところ)に出たり

四十五 線麺とうふ よくすり漉て鶏卵白つなぎに入れて
    みの紙を板の上にしき豆腐を割刀(ほうてう)にてうすくむら
    なきやうにのべしき湯玉のたつ沸湯をかけとほす也
    さて水につけとり出だしいかにも細く切る也
    △右の製を鏊子(かわしなべ)にて転し焼を稭(しべ)とうふといふ

四十六 稭(しべ)とうふ 右の線麺の下に出たり

四十七 薯藷(いも)かけ豆腐 やまのいもをおろしよくすりをきか
    つほの出し汁醤油少ししほからめにしくら/\と
    沸たゝせ大金匕(かなしやくし)にてすりいもをすくひ入れふうはりと
    ふくれあがるところをよそふ也 ○「百」真のうどんどうふ葛
    湯にて烹調よきを湯をしぼりあたゝめたる小奈良
    茶碗へよそひ上へ右のいもの烹調(かけん)をよそふ也二鍋ともに
    烹調(にかげん)のもち合大事なり尤二人かゝるべし○胡椒の末
    ふる○青海苔の細末ふるもつともよし

四十八 砕きとうふ 「十」雷とうふの下に出たり


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四十九 備後とうふ あさく焼て酒ばかりにて煮て出すとき
    醤油の調和(かげん)し花かつほにおろし大根をく○これ草(さう)の
    織部とうふ也○織部とうふは続編に出す也

五十  小竹(おちく)葉とうふ 焼たての豆腐をつかみくづし醤
    油の和調(あんばい)し鶏卵著(とぢ)にしてすり山椒ふる

五十一 引ずりおうふ よきほどにきり葛湯にて煮てあみ杓
    子にてすくひ器へよそひ○山葵みそを少しかたくして

    其うつわの蓋にぬりつけて足すなりもししらぬ人は
    ふたをとりて豆腐ばかりなりと思ふなり手とりの
    一興なるべしさてふたをかへしとうふをみそに引
    ずり食する也味噌の稠(たき)稀(うすき)の和調(かげん)だいじなり
    ○山葵みそは「八十二」茶とうふの下に見へたり

五十二 うづみ豆腐 あつ灰にうづむ者と同名異様なり
    「九十八」雪消飯(ゆきげめし)の下に出たり

五十三 釈迦とうふ 中骰(さい)にきり笟籬(いかき)にてふりまはして


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    角とり葛をあらりは米粒ほどに砕き豆腐に
    纏(まぶ)しつけ其まゝ油にて煠(あぐ)るなり

五十四 瞿麦(なでしこ)とうふ 青味噌かけ豆腐にして薯屑(じよこ)と辣
    茄(とうがらし)とをばらりとおくなり
    ○薯屑の製はやまのいもをよく湯煮してしはら
    をき水気をさり銅篩(かなはいのふ)にてこしたるものなり
    ○辣茄は心(しん)とたねをさりいかにも細くはりに
    刻むなり

五十五 沙金(しやきん)どうふ 全油煠(まるあげ)にして一方をきりそぎ中を刳り
    ぬき内へ鴨 紅魚臠(たいのきりみ)木耳 銀杏の加料(かやく)入
    鶏卵七分め入れ くちを昆布かかん瓢にてくゝり
    酒煮にしてすり山椒をく

五十六 叩き豆腐 やき豆腐ふくさ味噌七分三分の分量にし
    て菜刀にてひとつによくたゝきよきほどにとり油にて
    さつと煠(あぐ)る也 調和好みに随ふ