豆腐百珍 奇品

 

読んだ本 http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/2536494

 

 

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奇品


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五十七 寶蜆(しゞみもどき) 豆腐を全(まる)ながら水気なしに文武火(つよからぬひ)にて煮る水
    いづるを金匕(かねさし)にてすくひさり又みづ出(いづ)ればすくひ幾次(たび)も
    して煮かたまりぽろ/\とみしゞみの如くになるを油にて
    さつと?(あ)げみしゞみの調味の如く稀(うす)醤油にて煮て青
    山椒をおく也

五十八 玲瓏(こほり)とうふ 干凝菜(かんてん)を煮ぬき其湯にて豆腐を烹(たき)
    しめさましつかふ調味このみ随(しだ)ひ

五十九 浄饌(?しやうじん)の海胆でんがく 麹 豆林酒(みりんしゆ) 醤油 三品等分に
    合せ紅椒(とうがらし)の細末加へ貯へをきなれたるときよくするな
    り是を用ひ「四十三」うに田楽の製(しよう)の如くす

六十  繭でんがく つきあての餅を花びらの如くいかにも薄く
    のばして少し炙り田楽の山椒味噌のつけやきにした
    るを右の餅にてくるりとつゝむなり

六十一 簑でんがく 辣料(からみ)みあはせに味噌へすりませ常の田楽
    の如くして花かつほのよくきれいにそろひたるを味噌の上へ


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    密(ぴつしり)とかくる也

六十二 六方焦着(やきめ)とうふ 壱挺四つ切ぐらひの大きさにして
    きり四方上下ともに?子(くわしなべ)にて焼也勿論水気を
    なべに油を少しひくべし調味このみしだひ也

六十三 茶(さ)れい豆腐 大平鍋の底へ竹葉(さゝ)を密と布(しき)ならべ
    其上へ豆腐壱挺五つ切ぐらいにしたるを亦(また)ぴつしりと
    ならべ其上へふくさ味噌を厚くしき又竹葉を布
    とうふをしきみそをしきかくの如く二遍にても三

    べんにてもして半日あまり煮る也○平茶椀へよそひ
    すり山椒ふる又竹葉しきながらよそふもよろしく
    ▲またふくさ味噌にて終日(いちにち)煮てみそをはらひ其のち
    いかやうとも調味すべきを草(さう)の茶れいとうふといふ

六十四 糟ぬり豆腐 とうふをよくすりて古酒にて解(やは)らげ
    加料(かやく)に味つけたるを入れ煮る也○臠(きりみ)には塩紅魚(しほたい)か
    口塩の大口魚(たら)か白海鰌(くじら)かを用ひ鳥肉には鴈か鴨か
    見合せに入れ 焦(やき)栗子 木耳 油?松露(あげしやうろ)等也


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六十五 寶香魚(あゆもどき) 豆腐を長くはしらに切りあさく油?(あげ)て
    蓼酢をかくるなり

六十六 小倉とうふ 紫菜(あさくさのり)を豆腐によくすりまぜ板へのばし
    小色紙小たんざくに切り調和好みしだひにす

六十七 縮緬とうふ 「十七」ぷつかけうどんの下(ところ)に出たり

六十八 方(かく)ヒレウヅ うすき杉のさゝばこをこしらへ大小よろ
    しきにしたがひ「十九」ひれうすの加料をしこみてさて

    湯だまのたつほどの沸湯へはこながら底ばかり浸る
    ほどにつけよく蒸す也 とり出しよきほどにきりて
    香油(ごまのあぶら)にてさつと?(あぐ)る也

六十九 焙(ほいろ)とうふ 「十五」おしどうふをせんにきりて稀(うす)あぢを
    つけしばらく板にひろげ乾かせ焙にかける也

七十  鹿子(かのこ)豆腐 水気をしぼりよくすりて煮すごさぬよろし
    き烹調(にかげん)の小豆をまぜ合せよきほどにとりて蒸す也
    其上の調和は好みに任すべし


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七十一 うつし豆腐 紅魚(たい)の?(おほきりみ)と大骰(おほさい)に切たる豆腐と一鍋に
    湯煮し?(きりみ)をのけとうふばかりに生姜醤油かけすり
    柚をおく

七十二 冬至夜とうふ 壱挺を羅紋(ぬのめ)をさり四方をき?お?し(きりおとし?)
    角を正しくし復(また)角をとりて八角にし こぐちぎりに
    五六分にきり 酒しほ豆油(しやうゆ)に勺薬(かげん)し煮て汁をしぼり
    油痲(しろこま)白豆腐よくすり合(あはせ)かける也勿論右の八角
    つくるときの屑(おとしくず)をすりて用るなり○紫野大徳寺

    の冬夜とうふは全(まる)やきの小口切を味噌にてよく煮て
    右の品をかける也 冬至の夕(よ)大徳寺一山各院(てら/\)こと/\
    く此豆腐を煮る節物(せつぶつ)なるよし

七十三 味噌漬とうふ 「十五」おしとうふをみの紙に包み味噌
    に一夜つけをくなり和調(てうみ)好み随がふ

七十四 菽乳麪(とうふあん) 「十」かみなり豆腐の下に出たる砕豆腐の如
    くし青菜の微塵刻と豆腐と等分に油にて炒つけた
    るを水を入れ煮て○索麵(そうめん)を少しこいめに茹でゝよく洗ひ


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    をきたるをうちこみ醤油の和調する也

七十五 蓮根(はすとうふ)蓮の根を擦(おろ)し豆腐水をしぼりて等
    分に混ぜ合せよきほどにとりみの紙に包み湯煮して
    ○白味噌に胡麻等分にすりまぜ沙糖(しろさとう)少し加へ
    温めたるをしきみそにして辣料(からみ)見あわせにを?衣
    のはすとうふをよそふなり