日本振袖始 第四 素戔鳴の尊道行

 

読んだ本 http://archive.waseda.jp/archive/index.html

      ニ10-00299 
 

 
61(左頁)
   第四 素戔鳴の尊道行
さる程にそさのおの尊 そみんが宿を御出有 旅よりたびに
出雲路や きのふの八重のしら雲を けふの山路とふみわくる 人め
のせきのせきもりも とがむとしもはなけれ共 心と忍ふ 御有様
おそれ ながらも哀也月日のたねの 御身にて 其影やどす露だにも
もりてたまらぬやぶれみの きて見よとてや酒折の 山は露の海ふかく
嵐こぎゆく落葉船水に しはよるおきな川としはふれ共色かへぬく


62
ろかみ 山とはあれとかや老の 鶯名に恥て 声なおしみそまかね吹
きびの 中山中/\にちらせし 花を春かせの又吹ためて 石ざきや いや
高山の松がエ枝も二たび花のさかりみすらん 見あくれば 久かたの たかまが
原は たかく共今の心を見そなはし 願ひを三つの御宝の 一つをまもれ二
ばしらあまのうきはし いつのまに 我ためつらき とだへして 思ひわたらん便さへ
涙ほすまをしばしとてぬぎてももとのすがみのや姿斗はますらおが
やたけ心を力成あづさが そまに行くれて見おろせは はくろ江によこ

たはり すいくはう天にまじはれり 子をよぶましらいかるがの声 きしの
をざゝに かるもかくすふいのさはぐ音迄も 御心をくだくはしとなり まさき
のかづら青かづら あゆみ見だれて行末に岩ほのかなへ こぼくをたき せい山
雲をせんずるに 咽をうるをす便もなく 猶人里は遠ざかり 何ゆへいそぐ
雲のあし 嵐山おろし松かぜがばらん /\と吹音つるればみねの 木
の葉が ざら/\/\と ちり/\ ちり/\水の音にさへ かりねの夢をおどろかし
ねぬ夜ぬる夜をかさね来て こけにかたしく袖師の浦磯により


63
くるうきもたまもを 打まぜてまだ 見るめわかめを打まぜ
/\いろ/\の波やにしきをたゝむらん まさごまじりのはまづたひ
しほのされ貝うつせがいおきにまどはせるゝ春の霜 さながらやいばの
ことくにてあゆみつかるゝ 玉ほこの ほこさきにむかひてはあくまも
おそれ鬼神もひしくいきほひにも 御身ひとつの雪をさへ
はらひ かねたるみのかさや 身のうさきとをくりかへしかそへ/\て思ふ
にも 理はもちながら心からひの川 上にて「つき給ふ

てふとりの花をたづねてねぐら もとむるしほらしや てふ
鳥も 花にはぬるゝにわが身は 何とならのはの つやにもぬれ
ぬひとりねや 引すさみ手をつくしたる やまとこと 青に聞えし
出雲の国手摩乳(てなづち)長者が独り子 いなだ姫は此頃熱のさし引
さめくちは おかぜめすなと花見まく 皺(ひ)の川きしの桜狩見らるゝ
花も見る君が 姿の花に恥ぬへし 旅のつかれのふら/\といねぶり
こけし岩がねの 枕がたへの物の音に尊の御めはさめながら まだ


64
寝た顔の足の下 またゝくめもと石たゝく鶺鴒の鳥とび
来り 堤の芝に羽をやすめ足も尾さきもせはしなく はつと立
ては又飛おり 日陰にあさるとり/\に 女房達うつくしいやさしい
鳥 あの尾づかひのせはしなさ あれ程に尾をいごかしては鳴そ 
な物じやと笑ひける 物をもいはず稲田姫つく/\見とれ
おはせしが いや/\笑ふことでなし 忝も女神男神天の浮橋に立
給へは あのせきれいの鳥来りいもせの道を教しより ふう婦

ちぎりをなし初め此あしはらをうみ給ひ それより世の中の
父母夫婦の道顕れ みづからや旁(かた/\゛)が 生れ出しも此いはれ 扨
こそあのせきれいを庭くなき庭たゝき 恋教へ鳥共いふぞと
よ 教ても習ふても殿御もたぬみづからが ならふかひもないはい
のとても師匠に成からは 男もたしや今とらへて籠に入 たい
じよ立して放さんと心詞もしどけなく そろり/\と手を上
て おさゆればふはと立又おさゆれははつと立 アゝしんきやとて尊


65
の召れし笠追取 あなたへおさへこなたへおさへおはへ おはゆる笠の
羽かぜに恐るゝ鳥は行方しらず思はず尊の上へ まろびかゝ
れは驚き起て じつと見かはす顔と顔互にうなづく花薄
ほの字を中にこもらせて鳥のおしへし縁のはし 爰にも天の浮橋
の夫婦の始と成にける 恋にこりたる尊の心又ほれ/\と成
給ひ 御らんのごとくいやしき旅人 やんことなき上らうの人めも有
そこのき給へとの給へ共 姫はとかふのいらへもなく ぞつとさむけも

忽に顔色は朱をそゝぎ五体に大熱ほとをり出 尊にひつしといたき
付もだへくるしむ其有様 女房達も立さはぎ尊も見すてがた
ければ 手を引かへ漸と幕の「内にぞ入給ふ母はおとろき 屏風
押のけけふよもやと思ひしに 又もや熱のさしけるよと 様々に
看病し となたかは存ね共 旅のお方の御介抱身にもあまりて
忝し 問とはるゝもちゞの縁そこつに申事ならねど 此国此所に
八岐の大蛇とて大じや有 いつの世よりか年毎に 色よき姫を


66
人みごくに取らざれは 一ざい所たゝりをなす 其印には 山宇津木の
折枝が鳴り渡つて棟木に立 家の柱より血しほながれいで
其瑞相には前方に 必とらるべき娘が熱病をやむしらせあり
それ故に一ざい所娘持たる者ことに 風でも引て熱させば もし
家の棟へ山うつ木が立ふかと 親々の心づかひはいか斗 それに此子
か熱のさし引さま/\゛のかん病印もなし もしもそれに極つて
大蛇が餌食と成ならば ふたりの親はいかならんゆくえもしらぬ

旅人にかたるもいふもかなしさの心にあまるゆへぞとてかつはと臥
て 泣いたる 八岐の大蛇が物がたり尊とつくと聞召 もしや旁は
手摩乳長者の一家の人にてはなきか 吉備の国蘇民将来
教にて 手摩乳夫婦を尋る者よとの給へは エゝ其手摩乳
とは夫のこと わらはが名は足摩乳此姫はいなだ姫 蘇民がしるべの
おかたと有ば外ならぬ所縁も有 あはれみ給へ旅人と又さめ/\と
泣涙 姫がくるしむ玉の汗 町雨村雨夕立の一度に降くるごとく


67
にて 尊の旅のみのかさもかさねてぬるゝ斗也 尊つゝむにつゝま
れず名は聞もしつつらん そさのおとは我ことよ 身を焼きほねを
こかす大熱成共 忽ち退け得させんとの給へば 母は恐れて飛しさり
かしらをさげてうやまひける 尊枕に立よりて腰の御釼をするり
とぬき 抑此日本は日の神の御国にて 陽気さかんにして暖か
成こと 天地の内にならぶ方なき国土也 されはいざなきの尊軻遇(かぐ)
突智(つち)といふ火の神を御たんじやう有し時 其軻遇突智が火焔

にやかれてかみさりませしも 内に大熱の火をつゝみしゆへ也故に日
本に生るゝ者は 十六の夏迄は 両袖の下を闕腋(けつてき)の脇あけにして
熱をもらし 涼しみを受たれば国と人と相応せず しかるを父母愛
におぼれ さなきだに実熱深きおさな子を絹につゝみ錦にまき
熱に熱を添るゆへ 寵愛かへつて愁への種と成ぞかし 今より日
本のきせん男女我詞を式(のり)となし 闕腋(わきあけ)をきさせさせば 見よ/\
無病延命疑ひ有べからず いで其印を見せんずとほとをりさます


68
氷の御釼 閉ぢたる左右の袖下さらり/\と立所に わきあけより
ふすほり出半天に煙みち/\て うず巻さると見へけるが 顔色
さめてしろ/\と心地すゞしく見へにける 末代和国闕腋は此御
神の教也 母は悦びうき/\いそ/\前後を忘れ ハアゝ有がたや忝な
や 此いなだ姫夫もなし恐れなから尊様 御逗留のお寝間のとぎ
おみやづかへに参らすべし はやふ帰り夫にしらせ悦ばせん 姫はみちの
しるべにと立よれば立寄て 一首の御製(ぎよせい)にかく斗八くもたつ

いづもやえがき つまごめに やえがきつくる其八重垣を 是こそ三
十一文字の歌のはじめや わきあけの袖と 袖とや「重ぬらん
むべも とみける三枝の 三つ葉四つ葉の殿づくり築地大門つき
/\しく 庭はしぜんの植込に 海を見はらし山請ていながらに
ぜいをおくざしき 手摩乳長者が屋形には 尊の御入いなだ姫の
病気ほんぶく悦びに 猶悦びのきやうおうは 毎日酒宴にくら
さるゝ 主の長者もほろ酔(えひ)ながら蘇民将来が来りしとや 珎しや


69
/\ 案内所か是へ/\と請じける 先息災でめでたいが親兄の
こと聞及び 日頃の巨旦が悪心 そふあらふと思ひしこと わとのが
正直天にかなひ 尊のお宿申されしは子孫のほまれ 見ことも
度々の御噂先おめ見へと有ければ されば我らも数ヶ所の手疵
あひしか共 預り奉る手形守の威徳によつて 跡方もなく平
ゆうし 御恩の尊御行末も気遣御跡より参らんと 御契約
申せしゆへ本国を打たゝんとせし折節 帝都より大山祇と申臣

尊をしたひ奉り 我らに案内申せとの御頼是迄お供
仕る 是は又御預りの手形守 ともに御披露頼奉るといひ
もあへぬに長者悦び 何大山祇のお出とや 天下に誰
あらふにくきの尊の舅君 かゝる邊土の我らが宅へ尋ねも
尊の御いくはうさぞ御悦び こなたへ請し奉れといさんでおくへ
入にける 蘇民が案内に 大山祇 家は長者が宿なれと 尊
をうやまふ心にや 下座にひかへておはします いさみいさめる手


70
摩乳長者始の顔色引かへて しぶ/\顔にて立出 ナフ蘇民 大山
祇とはあなたのことな 我らは手摩乳と申者 はる/\゛の御出尊へ申
上る所 いか成事にやさん/\゛の御きげん 大山祇の臣ならば詞もかは
さぬ顔も見ぬ もどせ/\との仰 我らもはつと存 同道の蘇
民に御にくしみばし候かと 押かへし問申せば 情をかけしそみんに
何の恨の有べきぞ まろをかろんずる大山祇なんのたいめん追
かへせ 年寄てくどい/\とかへつて我らを御しかり お帰りと申もめい

わく 同道の蘇民もさぞめいわく エゝ近頃きのどくとあたまかく
手真乳長者がしらがより 座はしらけてぞ見へにける 大山祇
手を打て ハア御恨思ひあたつたり 我娘木花さくや姫に尊御心を寄
られしを 其かひもなく帝の后に奉る 是は勅諚せん方なし
又宝剣の失ひ給ひしも化生の業とは申ながら 我娘岩長と
生れ出てのわざはひ 御かせい申此宝剣を取かへさでは末代までの
身の恥辱 此所に體は埋む共一たび御めにかゝらでは 都へ迚は


71
帰るまじ今一応申てたべと 思ひこんだる両眼に涙を はら/\とぞ
うかめける 洩聞えてや女房達尊の御出と呼はつて しさいは何と
白綾の歩障を中に押たつれば 大山祇力を得 主手摩乳
蘇民将来あつとかうべを かたむくる 始て着なす 脇明の
田舎めかずも 稲田姫 尊の仰をかうふりて 歩障の影より
こはづくり 大山祇 まろは素戔嗚の尊じやぞ 宝剣を取かへす
力にならんとてはる/\゛のくたりか いはれぬことの 人頼する程な

れば流浪の身にはならぬ 丸が一人の力にて取かへし此宝剣はそさの
おの尊の手から出たと 末代に名を残して見せう それ迄は
都の人にあふまいと 天照神に誓ひを立たればあふことはなら
ぬ 殊に后にも立さくや姫に心をかけ かみへの恐れ今での後
悔 其開耶姫が親にあふても どふやら心が残る様でいなもの
其うへさくや姫よりは 手近いにおりよいつぼみの花が有て 寝て
も起ても詠ている 此つぼみ悋気ぶかふて 外の花とはひ


72
とつ瓶にも生けさせぬ 蘇民は情を受た者 其外は舅の長
者ならではたいめんせうゆかりがなひ はやういにや/\と形も見
せず顔見せず詞で人にあふむの鳥 梅の鶯山烏まねびか
ねたるごとく也 母足摩乳銚子盃たづさへ出 大山祇様とやわらは
こそ足摩乳 お心のほいなさ推量いたし 思ふしさいの候へは先
御酒一つとすゝむれば猶心得ぬことかなと思ひながらもなかへの
銚子一つ受たる盃に人の心を汲にけり 申山祇様 ふたりが中にいな

だ姫とて独り娘の候は 尊様へ御寝間の御伽にまいらせて御不便(びん)は
かうふれ共 我々が娘尊の后と申さんも恐れ有 是を養子に
まいらすれば山祇様は舅君 是に増たるゆかりなし 御本意と
げられて後したしき御たいめんも有やうにと存るが 長者殿
いかゞ思召 尤と 親子の盃善はいそげと立寄てあくる 歩障の
さやかなる 雲井の人の盃に 蘇民も顔は色付て おめでたや
とぞ祝しける 大山祇大に悦び いなた姫を我子にして指し上ぐれば


73
勅諚も背かず 尊にも背かず此うへの本望なし 御たいめん取なしは
夫婦の人に任せ置 暫く旅宿に逗留し 吉左右を待申
蘇民いざなひ立帰れば 稲田姫は親子の礼儀長者夫
婦もしきたいし 別れて「りよ宿に帰りける 時刻吹まく 夕
嵐音も崩るゝ山うつ木 一枝こくうに鳴渡り 棟木にはつし
と血煙立柱を朱(あけ)に染てけり ふう婦はあつとどうてんし 悲しや
しらせの山うつぎがたつたはと 母も姫もたへ入ば長者もさはぎ

うろたへな/\ ヤレ男共女子共 はやうあの木を取て捨柱をぬぐへ
ヤレ梯子よ 次足よ棒よ杵よとひしめきける 幣帛(へいはく)引さげ
村中こぞつて数十人どか/\と入来り コレ/\毎年の人ミ御供 いづ
くに印立べきと地下中手わけしうかゝふ所 此家にしらせの
うつ木がお立なされた いつものごとく人み御供所へ同道し用意
せん サアいなだ姫を御渡しとよばゝる声々 夫婦も姫もちから
落 前にしらせの大熱は尊のお影でたすかれ共 どふてのがれ


74
ぬ命よなァ 所のしゆ頼ます どうぞたすけて下されといだき付
て 泣いたる ハテわるい合点な長者殿 誰がむごいめが見たからふ かう
いふ我々から来年は誰が身のうへであらふやら 合点づくては渡さ
れまい サアござれと押分る手摩乳押とめ そこつせられな
我子ならば所の法を我ひとり破らふか 此子は別に親が有 た
つた今大山祇といふ人に養子娘にやつた おれが娘でないか
らは人みごくにたてふ筈がない 爰に置ゆへやかましい養子

親へ手わたししよ 娘よこいと手を取てかけ出れば百姓共
どこへ/\ それではそつちの勝手はよかろ 其様な事ですむな
れは 大蛇に娘をとらるゝ者は独りも有まい 存の通おそふてさへ
ざい所中へたゝりがくる 長者殿でも手摩乳様でも 是ば
かりはよけられぬとあらけなく引立る 夫婦はもだへすがり付あ
やまつたざい所のしゆ 待て下され人みごくに立ませうと 漸
ひ引とゞめ娘を中に取廻し 顔つく/\゛と詞なくせき上/\ 嘆しが


75
足摩乳髪かきなで 毎年人みごくの時分になれば もしやこ
ちの娘にもあたらふかといくせの思ひする内に 今年はよそへ
と聞時は アゝうれしやのがれたよ 来年はどうあらふと案ず
れは今年も又のがれた 嬉しや/\と人の子のとらるゝを
悦んだ其むくひ 今年といふことしこちの身にむくひ来た
せめて病でしんだらば體成共のこらふ物顔見せてたもいなだ
姫 ナフ此うつくしいかんばせを 大蛇の餌食になすかひのと いたきよせ

むせび入たつもたゝれぬわしや足摩乳 こなたはもがれたほんの
手なづち どふしましよいのとすがり付声も おします泣いたる姫
も 現の心なく 大蛇の餌食にならんこと 悲しいうへはなけれ共 所の作法は
ぜひもなしとあきらめも有ぞかし お年よられた父母にながい嘆を
かけまするゝ 是が悲しいばかりと すがりつけばいだきよせ 涙あらそふ
おや子のさま ざい所の者も一同に子をとられしは身にしる雨 我身
にかゝらぬ人迄も袂をしほる斗也 そさのおの尊白小袖御手に引


76
提 とう/\とゆるぎ出 是こそまろが望時節 大蛇を討て本
意をとげ 国の嘆をすくふべしとの給へは 百姓共口々に 大蛇をどうし
た物とか思ふ あたまが八つ角が十六 眼も十六見通しの変化 男
にも女にも形は自由じざいの物 殊に男たる物刃物を持たり影を
見せても命がない 手に覚え有ならば亡して一ざい所の 末代迄の難
義をはすくわれよ 必々けがをして我々恨給ふな アゝいわれぬ腕立
命のかけかへ有そふなと一どにとつとぞ笑ひける しらずや我こそ

天照神の弟そさそおの尊 大蛇を討べき我手だてよつくきけ
いかにしゆうを得たる共龍蛇は必ず酒にまどふ 八つのもたひに毒酒を
たゝへ いなだ姫が顔を移し呑ほす折を見合て討になとかうた
さらん ヤアいなだ姫 此白きいふくの袂 外をまろくぬはせしは刃の反りを
かゝさん為 大蛇が間近く来らん時わき明の所より 釼を出しあ
ぎとをさせ 我其時走付 大蛇にもせよ毒蛇にもせよ一ひしぎ
に取てふせ うはゝれし宝剣やはかとらで置べきかと はゝぎりのめい剱を


77
わたし給へはいなだ姫 いたゞく釼をわき明の袖につゝんて衣がへ 太刀を二振
かくせしより わき明を振袖とは此時よりぞ始ける 手なづち夫婦も生
死の頼は尊の詞の末 松にかゝれる命の露 数の土民に引立られ 浮
をかり行いなだ姫 夫婦は涙にくれ方の時をつれなく別れの道 見かへれば
引立るかけ出れば引とゞむ 名残を末世にとゞめくることもおろかやいな
た姫は 祇園少将井大山祇は三嶋の明神 さくや姫は富士権
現 にゝきの尊は外宮の相殿神と 神との顔合せ袖の縁こそ久しけれ