2019-03-18 吉野城の大塔宮 大塔宮 名所図会 大和名所図会 巻6より 元弘三年正月十六日大塔宮吉野城に籠らせ給へば鎌倉勢六万余騎前後を囲みて攻寄ける 大塔宮の御鎧に立つ矢は七筋 血の流るゝ事瀧のごとし もはや御最期の酒宴ある所へ村上彦四郎義輝 錦の御鎧を賜り宮の御身かはりとなりて敵を欺き 宮を安々と高野山へ落し 其身は蔵王堂の前なる高矢櫓に上り 腹十文字に搔切て伏にける 誠に本朝の英雄にして 前漢の紀信にも劣るまじき人なり 山並みを迫り来る六万余騎が怖いです。