仮想空間

趣味の変体仮名

2018-01-01から1ヶ月間の記事一覧

江戸絵日本史 宇治橋合戦

治承四年四月平氏の暴威益々盛んにして源氏はあれども無(なき)が如し 源三位頼政これを憂ひ高倉の宮に奏して一族及び慷概(がうがい)の源氏と密(ひそかに)語らひ平氏を亡ぼさん事を企謀(くはだつる)といへども未だ時運の至らざるにや 陰謀露顕(あら…

曽根崎心中(再読)

読んだ本 http://archive.waseda.jp/archive/index.html イ14-00002-481 2 (三十三所観音廻り)曽根崎心中 付り観音廻りげにやあんらくせかいより 今此しやばにじげんして 我らがためのくはんぜおんあをぐもたかしたかきやに のぼりてたみのにぎはひを ちぎ…

曲亭馬琴

思ふのみにて 曲亭馬琴はい坊主あかりに出よとたれも見よしやうしにつける あらんと云ひしを思ひ出てさそ/\てものかれかたきは心のいゝとのかれぬとしかし世をのかれ人のいふは首を刺れは世を何やら有と聞しに又かたへの仏あれは衆生有衆生あれは 左から読…

当流小栗判官 第五

読んだ本 http://archive.waseda.jp/archive/index.html イ14-00002-579 50 左頁 第五菊のながれも是なれや生(いく)薬てふくまのゝゆ はこぶたりきにひかれ来てたちまちしん/\゛すこやかに 小栗判官兼氏と姓名まきれなかりける きなる哉めうなるかなどち…

当流小栗判官 第四 (照手姫車の段含む)

読んだ本 http://archive.waseda.jp/archive/index.html イ14-00002-579 39 右頁最後の行 第四名のみ鬼王鬼次が心は仏の道に入り うきよのきづなざん ぎりのひんもみたるゝふぢさはやみてらをさしてぞ急けるをりしも上人 りきしや共にはりごしからせ御帰寺あ…

当流小栗判官 第三

読んだ本 http://archive.waseda.jp/archive/index.html イ14-00002-579 28左頁 第三横山一家の人々はわぼくのえんをもよほさんと 酒盃とりもたせ小栗のやかたにあんないす もとよりふてきの小栗殿兄弟にたいめんし 何のための御出っぞやとぞ申さるゝ ぐんじ…

当流小栗判官 第二 (虫尽し含む)

読んだ本 http://archive.waseda.jp/archive/index.html イ14-00002-579 14左頁 第二 後藤左衛門虫つくしもろともにこゝろかよひてよりそはぬ なかやとりいのふたばしらふたとせのはるあきを いもとのきさらぎ心あり ふみのつかひのわたしぶねこがれて月日を…

当流小栗判官 第一 

美しい文字に惹かれ読み始めれば詩の様な文章に日本の四季折々の情景が目に浮かび、久しぶりに先へ先へと読みたい衝動に駆られながらなかば夢中になって読み進んだ。近松ってロマンチストよね。実録として伝うのは室町時代のことらしいが文もことばづかいも…

箱根霊験躄仇討 下の巻

読んだ本 http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/884320 箱根霊験躄仇討 下 2いざりの あたうち 下から吉はん [上よりつゞき]縄にかゝり捕人(とりて)の役人に引渡されける此事領主の耳ににして健気なる働きかなと殊の外賞せられ禄二百石たまはりて召抱へられ…

箱根霊験躄仇討 上の巻

読んだ本 http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/884319 箱根霊験躄仇討 上 2はこね れいげん 上のまき から吉はん ○頃は天正のむかし関白秀吉公の直参に飯沼三平といふ者あり妻子ある身も思案の外島原の浮かれ女綾機(あやはた)といへるに契りを重ね夜毎日ご…

見立多以尽  いっぷくのみたい

見立多以尽 いっふく のみたい 明ぬうちにと葛城の。神ならねども束縛(しばられ)し。雇夫(つとめ)の躬(み)ゆえ店(たな)の首尾。計つて帰す後朝(きな/\゛)にさぞ今ごろはと相思草(おもひぐさ)。くゆらすむねのけふりぞ細けれ

箱根霊験躄仇討 瀧の段

読んだ本 http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/856566 参考 http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/856448 (箱根霊験躄仇討 十一段目) 2 箱根霊験瀧の段「てこそ入にけり 忠孝の身にも因果は廻りくる片輪車の飯沼を 乗せて綱手を初花が 引も 3たよはき女気に…

大阪錦新話 第一号

羽前の国山形に、旅籠屋又兵衛といへる者は相応にくらせしが、六年まへに東京より女義太夫が来て興行せしに、おあさといへる義太夫に、うつゝぬかして又兵衛は、素直な女房をおきざりに、出奔んなして横浜で、おあさと二人くらせしが、追々金もつかびすて諸…

御伽草子. 第1冊 (文正さうし) ③

読んだ本 http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/2537569 42挿絵 ちうしやうどのをはじめて。おかしくぞきゝ給ふ。其のちはつくしき物ども。箱のなかにいれて。ひめ君のかたへとてつかはされける。ひめたち御らんじて。おほくの物をみつれ共。これほどめづらし…

御伽草子. 第1冊 (文正さうし) ②

読んだ本 http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/2537569 22挿絵 かどのほどより。あなめでたやをんなごはもつべき物なり。こくしの御しうとになるぞや。みな/\よういして御とも申せと申つゝ。むすめにむかひて申やう。さて/\めでたきことなり。いちいちに…

御伽草子. 第1冊 (文正さうし) ①

読んだ本 http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/2537569 3それむかしが今にいたるまで。めでたきことをきゝつたふるに。いやしきもの。ことのほかになりいでゝ。はじめよりのちまでも。ものうきことなくめでたきは。ひたちのくにに。しほやきのぶんすあyと申…

見立多以尽  もつと降せたい

見立多以尽 もつと 降せたい 客の量目(くわんめ)をひく三味線の。糸し可愛も止吹(やまぶき)の色には出さぬ体(ふり)ながら。光りをたのむ金春の。雨故借る簑布団八重か一重かしら紙に。包んだまゝの楮幣(ぺらさつ)を。上から探(おし)て荷(かゝへ)…

見立多以尽  御座つきをつけたい

見立多以尽 御座つきを つけたい 松は大夫の打かけは蔦の模様に藤色の。チンテンとんだ面白い。遊びも初手は交際(つきあひ)がいつか増長(こう)じて陰密(こつそり)と。おやかましふの声も絶(たえ)。話のやうな文がらを。綺語(のろけ)の種に巻かへし…

平家女護島 第二 (俊寛)

読んだ本 http://www.enpaku.waseda.ac.jp/db/index.html イ14-00002-723 23 左頁 第二我門に千尋有陰と詠ぜしも 平家に繁る園の竹 入道相国の御娘中宮御産のあたり月 御産所は六はらの池殿にて 兼ての御祈祷御室東寺天台座主を始 御願寺十六ヶ寺 いせ住吉加…

浮世十二支 まけて戌

あけましておめでとうございます。 今年もよろしくお願い申しあげます。 干支に因んで読んでみましたが、いやも、酷い云われよう。なんの根拠もなくただ犬の性質を人に、しかも女性に限って当て嵌めようとしているだけで、 たまたま戌年に生まれついたが為に…