仮想空間

趣味の変体仮名

竹田出雲(初代)

ひらかな盛衰記 初段 義仲館の段

読んだ本 http://www.enpaku.waseda.ac.jp イ14-00002-696 義仲館の段 7時なれや 九重の空も閑(のどけ)き春の色 霞こめたる桧皮ぶき 美麗を尽し手を尽す木曽殿の御館には御長男駒若君三つの長生(おひさき)いりはし わけて母君山吹御前 御寵愛浅からず付…

ひらかな盛衰記 二の切 源太勘当の段

読んだ本 http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/856266 ひらかな盛衰記 1源太勘当の段盛衰記 二の切 2ひらかな盛衰記 弐の切り時も有せず表の方 若旦那の御帰国とざゝめく声々 梶原源太景季(かげすえ)鎌倉一の風流男 戦場より立帰るえぼしのかけ緒古実を正…

夏祭浪花鑑 九段目 玉島徳兵衛内

読んだ本 http://www.enpaku.waseda.ac.jp/db/ ニ10-01283 91第九 親と子の縁を繋た 貫さしの捕縛 名物は刃物唐海月 備前備中両国で骨といはれし一寸徳兵衛命にかけて九郎兵衛を隠しとげればけふも又 庄屋代官の呼使是非なく行て留主の内 飛脚とおぼしき撥鬢…

夏祭浪花鑑 八段目 田島町団七内

読んだ本 http://www.enpaku.waseda.ac.jp/db/ ニ10-01283 77第八 友達に心を砕た 石割雪踏の合印 日数さへ早一七日田嶋町魚屋商売ひれの有 主は團七九郎兵衛迚昔と今の名を合せ 手強き業も五人前高津祭の其夜より 内へ帰りてゆつくりと何知ぬ顔 せぬふりに …

夏祭浪花鑑 七段目 長町裏

読んだ本 http://www.enpaku.waseda.ac.jp/db/ ニ10-01283 73左頁第七 男が欲を止兼た 紅粉紋の色入帷子 神と仏を荷なひ物はやし立てたる下寺町 高津宵宮の賑ひに紛れていそぐ舅義平次 かどの簾を細引きでくる/\巻の俄網 追立行を後よりも ヲゝイ呼かけ飛…

夏祭浪花鑑 六段目 釣船三婦内

読んだ本 http://www.enpaku.waseda.ac.jp/db/ ニ10-01283 64第六 男の意地を立ぬいた 焼鉄の女房作 賑わしき難波高津の夏神楽 ねり込ふり込荷なひ込 てうさようさのだて提燈門の揃へは地下町の 印を見世にいよ簾 並ぶ家居の其中に釣船三婦が内客は内証預り…

夏祭浪花鑑 五段目 道行妹背の走書

読んだ本 http://www.enpaku.waseda.ac.jp/db/ ニ10-01283 57左頁第五 道行妹背の走書ヲゝウイ/\ これ早ふ来てたもいの アゝ嬉しや今のは追手ではなかつたそふな ヤアあのかねは九つ心も 恋路の闇に 迷へど道は迷はじと 松屋町筋一筋に 思ひそめたるべに桔…

夏祭浪花鑑 四段目 内本町道具屋

読んだ本 http://www.enpaku.waseda.ac.jp/db/index.html ニ10-01283 41左頁第四 手代が恋を堀出した 浮牡丹の箱入娘難波津に 爰も眼の内本町 通筋を竪横に引廻したる角屋敷 道具屋の孫右衛門迚手広ふあきなふ大商人 表には茶の湯の道具時代蒔絵の道具類 和…

夏祭浪花鑑 三段目 住吉鳥居前

読んだ本 http://www.enpaku.waseda.ac.jp/db/index.html ニ10-01283 29 左頁第三 出入の数をつまぐつた 数珠三昧の男作 (住吉鳥居前の段) 住吉の浜辺を春の名に高き 夫レ斗では並木のかげ 新家の煮売髪結床 櫛のはをひく往来も自由な堺海道を 大坂の方か…

夏祭浪花鑑 二段目 玉島兵太夫内

読んだ本 http://www.enpaku.waseda.ac.jp/db/index.html ニ10-01283 15 左頁第二 殿の諚意を巻込だおやま絵の拝領物 治まる御代は国民に恵も深き泉の国 濱田の御城主東(あづま)より御帰国と 上下賑ふ家中町 表びら敷一かまへお国詰の諸士頭玉嶋兵太夫けふ…

夏祭浪花鑑 一段目 お鯛茶屋

読んだ本 http://www.enpaku.waseda.ac.jp/db/index.html ニ10-01283 2団七九郎兵衛釣舩三婦一寸徳兵衛 夏祭浪花鑑 第一 色の水上汲分た 御鯛茶屋の塩竃 諸行無常と響つゝ 菩提をしらする遠寺の鐘 生者必滅四季転変の花の色定めなきは娑婆世界 爰に六孫王の…

菅原伝授手習鑑 二段目 道行詞甘替  安井汐待の段

読んだ本 http://www.enpaku.waseda.ac.jp/db/index.html (イ14-00002-890 ) 36二段目 口 道行詞の甘替(みちゆきことばのあまいかい) サア/\子供衆買たり/\ 飴の鳥じや飴の鳥 それがいやならしる飴鑿(のみ)切り泣く子の口へ地黄煎玉 扨其外平野飴…

菅原伝授手習鑑 初段 築地の段

読んだ本 http://www.enpaku.waseda.ac.jp/db/index.html (イ14-00002-890) p31 右頁七行目下~ 「出て行く 源蔵と引っ違へ帰る梅王青息吐息 門の臺木に足つまづきかつぱと転(こけ)て起きる間も待た れぬ/\侍衆 御大事がおこつてきた 科の様子何かはし…

菅原伝授手習鑑 初段 筆法伝授の段

読んだ本 http://www.enpaku.waseda.ac.jp/db/index.html (イ14-00002-890 ) 筆法伝授の段 p18 左頁三行目~ 立ち帰る 上根と稽古と好きと三つの中 好きこそ物の上手とは 芸能修行教への金言 公務の暇明け暮れに好ませ給へる道真公 堂上堂下りはいふに及ば…

菅原伝授手習鑑 初段 加茂堤の段

読んだ本 http://www.enpaku.waseda.ac.jp/db/index.html (イ14-00002-890) p10左頁二行目中程~ 引捨る車は松に輪を休め 舎人 二人は肘枕 二輛ならべし御所車かたへは藤原かたへは菅原道真公の名代は左中弁希世 時平公の代参は三善清貫 加茂明神へ御脳の…

菅原伝授手習鑑 初段 大内の段

読んだ本 http://www.enpaku.waseda.ac.jp/db/index.html (イ14-00002-890 ) 参考にした本 同上イ14-00002-441 など 2菅原伝授手習鑑 (初段 大内の段)蒼々たる姑射(こや)の松化して芍薬の美人と顕れ珊々たる羅浮山の梅 夢に清麗の佳人となる 皆是擬議…

菅原伝授手習鑑 三段目 車曳きの段

読んだ本 http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/856508 286菅原伝授手習鑑 三の口 (車曳の段) 鳥の子の巣にはなれ魚陸(くが)に上がるとは 浪人の身の喩え種(ぐさ) 管丞相の舎人梅王丸主君流罪なされてより 287都の事共取賄ひ 御台のお行方尋ねんと笠ふ…

菅原伝授手習鑑 二段目 丞相名残の段(道明寺)

読んだ本 http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/856508 256(表紙)菅原伝授手習鑑二段目切 道明寺 257菅原伝授手習鑑 二の切 (丞相名残の段) 聞かして入りにけり 早刻限ぞと御膳の拵へ 銚子土器(かはらけ)熨斗昆布嬪共に嶋臺持たせ 伯母御座敷へ出給ひ …

菅原伝授手習鑑 二段目 杖折檻の段 東天紅の段

読んだ本 http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/856508 224(表紙) 八時鶏(やごゑとり)の段 菅原伝授 弐段目の中 225菅原伝授手習鑑 弐の中 (杖折檻の段) 管丞相の御別れ対面ありたき覚寿の願ひ 流人預かる判官代輝国の用捨を以て 河内の屋敷へ入給へば …

菅原伝授手習鑑 五段目 大内天変の段

読んだ本 http://www.enpaku.waseda.ac.jp/db/index.html(イ14-00002-890) 参考にした本 同上(ニ10-02393) 2冊目 54 五段目雲井長果(のどけ・長閑)き大内山早立ちはる水無月下旬日毎/\に時違へず電光雷火霹靂(はたゝがみ) 打続ての天変只事ならず …

菅原伝授手習鑑 四段目 寺小屋の段

読んだ本 http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/856509 12 左頁1行目~ 引連れ急ぎ行 どりやこちの子と近付きにと若君の傍へ寄せ機嫌紛らす折からに 立帰る主の源蔵常にかはつて色青ざめ 内入り 13悪く子供を見廻し エゝ氏より育ちといふに 繁花の地と違ひ い…

菅原伝授手習鑑 四段目 寺入りの段

読んだ本 http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/856509 2 菅原伝授手習鑑 四の切 (寺入の段) 一字千金二千金三千世界の 宝ぞと 教へる人に習ふ子の中に交る菅秀才武部源蔵夫婦の者いたはり 3傅(かしづ)き我子ぞと 人目に見せて片山家芹生の里へ所がへ子供…

増補菅原伝授手習鑑 松王屋敷の段

明治時代になってから書かれたものだそう。仮に全段通しで上演したとすると「北嵯峨」と「寺入り」の間に挿入される。松王により妻千代の真意が量られた上での夫婦の苦渋の決意、小太郎のあどけなくも健気な幼いなりの自己犠牲への覚悟、松王の仮病の必然性…

菅原伝授手習鑑 四段目 北嵯峨の段

読んだ本 http://www.enpaku.waseda.ac.jp/db/index.html (イ14-00002-890 2冊目 34p 5行目~) 34 5行目下夢破る 門山伏が螺の貝吹立/\北嵯峨の 在も山家もぬけめなく縁の行者の跡を追い 朝夕してやる五器膳器 五器の実修行としられたり アゝやかまし御…

菅原伝授手習鑑 四段目 天拝山の段

読んだ本 http://www.enpaku.waseda.ac.jp/db/index.html (イ14-00002-890 2冊目 p26~) 26 四段目 君思へばよやヨホイホ結ぼれ糸のハリナ とけぬ心がつろござるいよつろござる つらき筑紫に立つ年月 御いたはしや管丞相 讒者の業に罪せられ 埴生の小屋の…

菅原伝授手習鑑 三段目 桜丸切腹の段

読んだ本 http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/856508 344 右頁5行目下~ 呑込で奥へ行 兄弟夫婦に引わかれ取残されし八重が身の 仕廻もいかぬ 物思ひ門へ立そに待つ夫思ひがけなき納戸口刀片手ににつこと笑ひ女房共待ちつらんと 声にびっくり走り寄り いつ…

菅原伝授手習鑑 三段目 訴訟の段

読んだ本 http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/856508 336左頁 1行目下~ あらず戻られし 年は寄ってもこはいは親 上へも上らず犬蹲(つくば)ひけふの御祝儀おめでたふと 祝儀は述べても赤面し塵をひねらぬ斗なり 親はほや/\機嫌顔 嬶達が先へ来て七十の …

菅原伝授手習鑑 三段目 喧嘩の段

読んだ本 http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/856508 328左頁さして出て行く コレちよ様 年寄らしやつても 物覚がよい事 こな様や此はるは氏神様しつて居る 八重様は今が始め いわしやんすりや其通り 物覚のよい親御に違ひ 物忘れする子供達 松王殿なぜおそ…

菅原伝授手習鑑 三段目 茶筅酒の段

読んだ本 http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/856508 308菅原伝授手習鑑 三の切 別れ行 春さきは在々の鋤鍬迄が楽々と 遊びがちなる一農一番村では年(ねん)古き人にしられし四郎九郎 律儀一遍屑(?とりえ)にて管丞相の御領分 佐太村に手 309軽き下屋敷…