ゆ支くれて木の下風乎宿とせハ
花やこよひのあるし生ら牟忠度
ゆきくれて木の下風を宿とせば
花や今宵の主なるらむ 忠度
と読んでみたが、
最後の文句「なるらむ」は正しくは「ならまし」なのだそうだ。
どうしたら「生ら牟」が「ならまし」と読めるのじゃ~。
「生ら牟」の読みがそもそも間違っているのかもな。わかりましぇん。
静かな岸辺に忠度のものと思われる弓と直垂が無造作にほかされて、余程歩き疲れていたのだろう、今は泥のように眠っているようだ。桜の木は見えないけれど花びらが散り舞い降りて、暗闇と水面に煌めくようだ。松の木の先が闇夜に呑まれているか折れているかに見えるのは、忠度の一の谷での行く末を暗示しているようでもありまする。