見立多以尽
どふも ねむッたい
唐土に日に三たびねぶる柳あり。之を号(なづけ)て
眠柳(みんりやう)といふ。人に比(たと)へていふ時は。依るを以て昼の
出稼に。春初鴉の声をきかず。秋桂花(あさがほ)の
盛見す。昨日に今日と替(かはり)ゆく。客に枕は
かはれども。熟(とけ)/\゛の八重垣街(ちやう)。八重がき
つくる神殿の鏡ならねと心なく。
素顔をうつす塗物の。漆のやうな
濃情夫(よいひと)に。尽す誠も多かる
にや。昼も眠らぬ思ひを
なすとぞ。
見立多以尽
どふも ねむッたい
唐土に日に三たびねぶる柳あり。之を号(なづけ)て
眠柳(みんりやう)といふ。人に比(たと)へていふ時は。依るを以て昼の
出稼に。春初鴉の声をきかず。秋桂花(あさがほ)の
盛見す。昨日に今日と替(かはり)ゆく。客に枕は
かはれども。熟(とけ)/\゛の八重垣街(ちやう)。八重がき
つくる神殿の鏡ならねと心なく。
素顔をうつす塗物の。漆のやうな
濃情夫(よいひと)に。尽す誠も多かる
にや。昼も眠らぬ思ひを
なすとぞ。