奥州の海辺竹駒大明神の神主に娘は
七ヶ年己前行衛しれず相成候ゆへ 出し日を
命日として法会いとなみけり 当年は年回に
当り候上近寺の僧をあつめ施餓
鬼供養致し候行は右の娘海上に
浮み出 言舌さわやかに語りて曰く われは
七ヶ年以前入水するといへ共 不死
して大海神に仕へ一方の守護神と
なれり 今年は至てあしきやまい
流行いたし 当りたる人は
壱人も助る事なし依て是を
三コロリといへり 我姿を
段々見置 絵にうつし
諸人に知らしめよ
我姿画壱度見る人は
はやり病のうれひを
のがれ無病息才
なりと云捨て
海中にしずみ
けり
むねに三つの玉有
光りかゝやき
身の丈?十間余り