仮想空間

趣味の変体仮名

明治二十歳八月十九日日食九分九厘餘

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午後二時三十六分右ので(出)
より観はじめ 三時四十
八分上の右に甚し 四時五十
三分上と左の間にをはる(終わる)
但し白河より佐渡に至る
線路は皆既たるべし

此度の日食は誠に珎
らしき現象にて 今
を去る事百一年前
天明六年正月元日
以来曾(かつ)てなきよし 総て
物の色は奇異にして 全
く蝕するに及んでは咫(し)
尺(せき)も辨する事得ずと
は 誠に近年に珎らし
事にこそ

 

 ※咫尺(しせき)も辨する事得ず=視界が効かず、ごく近い距離でも見分けがつかない

 

 

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