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趣味の変体仮名

木曽左馬頭義仲(武者かゞ美 一名人相合 南伝二)

 

https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1312411

  木曽左馬頭義仲(きそさまのかみよしなか)
義仲は帯刀(たてわき)
先生義賢(せんせうよしかた)の
子なり 高倉の
宮の令旨(れいし)を
受て 城(じやう)の
資永(すけなが)を
討て平家
十万騎を
倶利伽羅谷へ追落し
勢ひに乗じて都へ登る
平家たまらず一の谷へ落(おつ)る
茲(こゝ)において武勇に誇って悪威を
揮(ふる)ふ 依て範頼(のりより)義経(よしつね)是を
攻(せむ)るに 一戦にして亡ぶ 義仲は眉太く長くして眉の頭(かしら)に▲

▲旋毛(つむじ)あり 眼中光々と
して眼尻逆づり
我威(がい)強く▲△

▲△短気の相あり 且(かつ)顳顬(こめかみ)の所常に薄黒く
ありしは是心ざしをはたさず途中に亡ぶるの
相とかや