読んだ本 https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1309972?tocOpened=1
源氏雲浮世画合(げんじくもうきよえあはせ)
空蝉
うつせみの
身をかへてけり
このもとに
猶人からの
なつかしき かな
「曽我五郎時致」
十八年の天津風けふ吹かへす
父の仇墨を呑身に漆する艱苦を
いとはず。裾野の狩屋へ忍び入。めざす敵(かたき)は
うつせみの幮(かや:とばり)は一度(ひとたび)もぬけたれども。床(とこ)を
捜(さぐ)りていまだ遠く去(さら)ざるを知り。遂に
本意を達せし事。其美名冨士の山より
高しとせん
賛 花笠外史 一勇斎 国芳画