仮想空間

趣味の変体仮名

黄素妙論

 

読んだ本 https://dl.ndl.go.jp/pid/2541834/1/2

 

松永久秀が愛読した養生本ということで読んでみたのですが、男女の営みを健康法として捉えた指南書でした。騙したな。持主の村上氏でしょうか、甞てこの本を所蔵していた方が実践に及んでいた形跡が漢方の使用法のところに残っており、それを見てちょっと「ふふっ」となってしまった。健康指南は、黄帝問うて云く、素女答えて云く、の問答形式で語られます。なので「黄素妙論」とは黄帝素女の妙なる論議という意味だと思われます。

 

 

2

○黄素妙論

むかしくはうていそちよにとふて

のたまはく・いにしへのせいじんはいの

ち・あるひは千二百さい・あるひは

八百さいをたもち・中ころにいた

りても・百廿さいをたもてつに・いま

どきはとく・数十歳にしてほろふ

それのみにあらすむひやうなるもの

 

 

3

すくなく・こしつのものおほし・か

くのことく寿夭大安危の不同あ

る事は・いつれのいはれぞや

○せぢよこたへていはく・それようせう

にして・やまひおほく・あるひは・なへ

にしてひいでず・ひいでみのらざる

はそのちゝひかずにしてたねをお

ろし・そのはゝたいをうけてのち・もろ

 

/\の事をつゝしまさるいはれ

なり・又ちゝはゝもけんこにして・その

こ・ようせうの時むびやうなりといへ

とも・廿卅になりてよりのち・ぜん/\

にびやうじやとなり・ひはづなるは・其

身ぶやうじやうなるいはれなり・それ

やうじやうとつは・いんしよくのほう

やう・おとこをんなのましはり・たゝ此

 

黄帝素女に問うて宣わく、古の聖人は命、或いは千二百歳、或いは八百歳を保ち、中頃に至りても百二十歳を保てるに、今時は疾(とく)数十歳にして滅ぶ。それのみにあらず、無病なる者少なく、痼疾の者多し。かくの如く寿夭安危の不同有る事は、何れの謂れぞや。
素女答えて曰く、それ幼少にして病多く、或いは苗にして秀でず、秀で実らざるは、その父日数(秀ず?)にして種を下ろし、その母胎を受けて後、諸々の事を慎まざる謂れなり。又、父母も堅固にして、その子、幼少の時、無病なりと言えども、二十、三十に成りてより後、漸々(ぜんぜん)に病者と成り、繊弱(ひはづ)なるは、その身、無養生なる謂れなり。それ養生といつ(言つ・出つ?)は、飲食の保養、男女の交わり、ただこの

 

 

 

4

二にきはまれり・まさにせうねんさう

ねんの時は・けつきすてにじゆんたく

にしてこつずいまことにけんご也

此じぶんいんしよくをつゝしみ・くは

うかうをとをくいたさは・なにのやまひ

ありてか来り・いかんしてながいきを

えさらんや そんしまいらせそうろう

○くはうていとふてのたまはく・おとこ

 

をんなのましはり和違いかん

○そぢよこたへていはく・それてんち

いんやうかうがうしては万物をしやう

じ・なんによのいんやうましはりあひて・

しそんをしやうす・しかるあひだ・てん

地のいんやうましはらざる時は・四時な

らすばんもつしやうぜす・男女のいん

やうあはさる時はじんりんめつして・し

 

二つに極まれり。正に少年、壮年の時は、血気既に潤沢にして、骨髄誠に堅固なり。この時分、飲食を慎み、交合を遠く致さば、何の病有りてか来たり。如何にして長生きを得ざらんや、存じ参らせ候。
黄帝問うて宣わく、男女の交わり和違、如何に。
素女答えて曰く、それ天地陰陽交合しては万物を生じ、男女の陰陽交わり合いて、子孫を生ず。而る間、天地の陰陽交わらざる時は、四時ならず万物生ぜず。男女の陰陽合わざる時は人倫滅して子

 

 

5

そんたゆる・しかりといへともくはいがう

するにひでんのようじゆつあり・これ

まことにやうじやうのおうぎ・やまひを

いやすめうだうなり。いまこと/\くこれ

をのへん・ふかくつゝしみて・見たりに

人にしめすべからす・それ女人のいん

ねんいたらざるあひたは・おのこしい

てましはるへからす・をんないんよくの

 

せいねんいたるしるし五あり

一にはおとこ・をんな・ひそかにたいめん

しものかたりなとするに・にはかに

をんなのおもてあかくなるは・心の中に

いんじのねんきさすしるしや・その

時なんしのたまぐきを女のぎよくもん

にあてがふへし

二にはをんなはなをすゝらは・よくねん

 

孫絶ゆる。然りと言えども交合するに秘伝の要術有り。これ誠に養生の奥義、病を癒やす妙道なり。今悉くこれを述べん。深く慎みて、濫りに人に示すべからず。それ女人の陰念至らざる間は、男強いて交わるべからず。女淫欲の情念到る徴五つ有り。
一つには男女密かに対面し、物語などするに、俄に女の面赤くなるは心の中に淫事の念兆す徴也。その時男子の玉茎の玉門に充てがうべし。
二つには女鼻をすすらば、欲念

 

 

6

はいのざうにうこくとしるへし・すな

わち玉くきを少入へし

三にはをんな・めをふさぎくちをあき

したをさまし・いきつかひあらくな

らは・いんせいひのざうにいたるとしる

へし・其時ゆる/\とたまくきを

出入すへし・あまりにふかくいれへ

からす

 

四には女のきよくもんの中・あたゝか

にうるほひゆたかにしてほかにな

かればじんきのいたると心へて玉かと

のくちへたまぐきをぬき出し左

右をよこにづくへし

五には女のあしにて・おとこのこしをは

さみ・をんなのてにておとこのせなか

をいたきしめ・くちをすはん事を

 

肺の臓に動くと知るべし。即ち玉茎を少し入るべし。
三には女、目を塞ぎ、口を開き、舌を冷まし、息遣い荒くならば、陰情の脾の臓に到ると知るべし。その時ゆるゆると玉茎を出入りすべし。余りに深く入れべからず。
四には女の玉門の中温かに、潤い豊かにして外に流れば、腎気の到ると心得て玉門の口へ玉茎を抜き出し左右を横につくべし。
五には女の足にて男の腰を挟み、女の手にて男の背中を抱き締め、口を吸わん事を

 

 

7

もとめば・かんのざうのきいたると

心えて玉ぐきをふかくぎよくもんの

おくにさしつめてしづかに左右(ひだりみぎ)を

こづべし以上かくのことく五ざうに

いんよく・せいいんのいたるをしりて

しつかにひじゆつをおこなつて・女

人びくはいのせいじゆうおほくなか

れて玉かとのおくびくめきうこく

 

事やみ・をんなためいきをつき・

しめたるてあしくつろく時・おとこ

のたまくきをぬくべし・もし此

とき女のかたよりしりをもちあけ・し

きりにすりまはりて・こえをいだし

うめくとも・おとこあはてゝあらくぬ

きさしをすへからず・かくのごとくして・

おとこせいじゆうをばつねにたもちて

 

求めば、肝の臓の効いたると心得て玉茎を深く玉門の奥に挿し詰めて静かに左右をこづべし。以上斯くの如く五臓に淫欲、情念の到るを知りて静かに秘術を行って、女人美快の精汁多く流れて玉門の奥びくめき、動く事止み、女ため息をつき、締めたる手足寛ぐ時、男の玉茎を抜くべし。もし、この時女の方より尻を持ち上げ、頻りに擦り回りて声を出し呻くとも、男慌てて荒く抜き差しをすべからず。斯くの如くして男精汁をば常に保ちて

 

8

みたりにしば/\もらすへからす・もし

五ざうのきいたらさるに・なんしし

いてたまぐきをさし入・たまかと

もいまだうるほはざるに・きびし

くいでいでいりをいたせば・なんしのせいじゆ

う・はやくもるゝもの也・たとへは・む

なしくたからをすてゝ・ようにたてさ

ることし・よく/\此ことはりを心

 

えて・たへなるみちをおこなふひとは・

ひやうほうじやのこだちにて・もろ/\

のたうぐをおさめ・一人してばんて

きにかつがことし・おとこわかくさかんな

るとき・玉ぐきしば/\おゆるにまか

せ・しげくましはりあふといへとも・此み

ちをまなひなき人なれは・むりにせい

しゆうのみをもらして・ぎよくもんび

 

みだりに屡々洩らすべからず。もし五臓の気到らざるに男子強いて玉茎を差入れ、玉門も未だ潤わざるに酷しく出入りを致せば男子の精汁早く漏るるもの也。例えば虚しく宝を捨てて用に立てざる如し。よくよくこの理を心得て妙なる道を行う人は、兵法者の小太刀にて諸々の道具を納め、一人して万敵に勝つが如し。男若く盛んなる時、玉茎屡々生ゆるに任せ繁く交わり合うと言えども、この道を学び無き人なれば、無理に精汁のみを漏らして玉門美

 

 

9

くはひのところにもあたらず・をんな

のせいきもやらしめぬは・たとへは

てきにあふてうすでをもおほせずし

て・むなしくいぬじにをするがごとし・

又をんなのよくしんすでにうごきて

たまかどはりふくれ・うるほひほかに

ながれいつるに・おとこたまくきおえ

ずして・をんな心のそこののぞみをか

 

なへざれば・しだひにそのおとこをに

くみきらふ心いてくるものなり

○くはうていとうてのたまはく・まじはり

あふにそのほうあまたありや

○そぢよこたへていはく・かたじけなくも

せいもんをうけていかてかこたへさ

らんや・いんらんのせつにあらす・かうがう

のおくでんやうじやうのしんじゆつ也

 

快の所にも当たらず女の精気もやらしめぬは、例えば敵に会うて薄手をも果せずして虚しく犬死にするが如し。又、女の欲心既に動きて玉門張り膨れ、潤い外に流れ出るに、男玉茎生えずっして女の心の底の望みを叶えざれば、次第にそのとこを憎み嫌う心出で来るものなり。
黄帝問うて宣わく、交わり合うに、その法数多有りや。
素女答えて曰く、忝くも聖門を受けて、如何でか答えざらんや。淫乱の説に非ず、交合の奥伝、養生の神術也。

 

 

10

しかれはましはりのみちに・事のほう

五あり

 

 第一 龍飛製(りうひせい)

をんなをあふのきにふさして・その

またをひらかしめ・なんしそのもとの

あひたにより・はらのうへにかゝり

ふし・まずくちをすふへし・をんなは

こしをはり玉かとをもりあけ・たま

 

ぐきをうくべし・おとこは玉ぐき

にて玉かとのあはせめをなてゝ・う

るほへるにしたかつて・しつかにたま

ぐきをいるゝなり・しかうじて女のいん

ねんもはなはたうごきて・五ざうのき

もいたらは・しつかにたまくきをうこ

かし・八しん六せんのほうを・おこなふ時

ふうふともにたのしみ・百びやうた

 

然れば交わりの道に事の法、五つ有り。

 第一 龍飛製(りゅうひせい)
女を仰向けに伏さして、その股を開かしめ、男子その元の間に寄り腹の上に掛かり伏し、先ず口を吸うべし。女は腰を張り玉門を盛り上げ、玉茎を受くべし。男は玉茎にて玉門の合わせ目を撫でて、潤うに従って静かに玉茎を入るる也。而して女の陰念も甚だ動きて五臓の気も至らば、静かに玉茎を動かし、八深六浅の法を行う時、夫婦ともに楽しみ、百病た

 

 

 

11

ちまちきえうせぬ

 

 ○第二 虎歩勢(こほせい)

女人をうつぶきにははしめ・おとこ

そのしりへにかしこまり・をんなのこ

しにとりつき・すなはち玉ぐきを

いれへし・五せん六しんのほうをおこ

なふ時・たまかとはりふくれ・しんえき

外になかれ・ぎよくもんのうちやはら

 

かなるものなり・おとこの心ゆるくの

ひをんなよろこひてたかひにけつ

みやくつふす

 

 ○第三 猿摶勢(えんはんせい)

なんしざしてれうのもゝをあはせ

れうのあしをそろへさし出す・をんな

両のもゝをひらきおとこのひざの上

にざし女の二つのあしにて・おとこの

 

忽ち消え失せぬ。

 ○第二 虎歩勢(こほせい)
女人俯きに這わしめ、男その尻江に畏まり、女の腰に取り付き即ち玉茎を入れるべし。五深六浅の法を行う時、玉門張り膨れ、津液外に流れ玉門の内柔らかなるもの也。男の心緩く伸び、女喜びて互いに血脈通ず。

 ○第三 猿摶勢(えんはんせい)
男子座して両の腿を合わせ両の足を揃え差し出す。女両の腿を開き男の膝の上に座し女の二つの足にて男の

 

 

12

こしをはさみ・すなわちれういん和合

して・たまかとうるほふ時・玉ぐきを

さし入へし・おとこのてにて・女のしり

をかゝへ九しん五せんのほうをおこなふ

時・しんrきなかれいてゝ百びやうやかて

いゆ

 

 ○第四 蝉付勢(せんふせい)

をんなうつふきにふし両のてをつき

 

ひだりのあしをさしのへ・みぎのあし

をかゝめて・おとこそのしりへにひざ

まつき・すなはち玉くきをさし入

て・しやくしゆをたゝき七しん八せん

のほうをおこなふへし玉かとをひ

つみはるによつて・おもひの外なると

ころにあたり・のこりなくせいじゆうを

いだす也

 

 

13

 ○第五 亀騰勢(きそうせい)

によにんをあふのきにふさしめ・お

とこの両のてにて女のれうあしを

とらへ・をんなのちのとをりまて女の

あしをからめ・すなはり玉くき

をさしこむ時・をんなのよくせいをの

つからどうじてびくはひをきは

め・えきじゆうなかるゝ事かきり

 

なし

 

 ○第六 風翔勢(ふうせうせい)

をんなゆかのうへによこさまにあふ

のきにふさしめて・みつから両手のてにて

れうのもゝをかゝへ・両のあしをはら

のうへにからめをく・おとこはゆかの

したより立なから・玉くきをふかくさし

入てぎよくもんのおくをひだりみぎ

 

 

14

をこづべし・女をのつからこしをさう

にうこかすとき・九しん八せんのほうを

おこなふへし・まことに此せいは・いん

やうひじゆつのくでん也

 

 ○第七 兎吮勢(といんせい)

おとこあふのきにふし両あしをさし

のへ・女はおとこのもゝのうへにのり・

をんなのおもて・おとこのあしくび

 

のかたにむかふへし・女のてにてたま

ぐきをにきり・ぎよくもんにあてゝ

きんげんにのぞましめ・うるほひを

なす時・ふかくさし入て・せんしんのほう

をおこなふへし・をんなの心の中

ひっくはひなる事たぐひなし

 

 ○第八 魚接勢(きよせつせい)

をんな二人をもちいるほう也・ひとりの

 

 

15

をんなをはあふのきにふさしめて

もゝをひらき・一人の女はおとこの

ましはりあふときのことく・うつふして

むねをあはせ・あふのきたるをんなの

もゝのあひたにかしこまり・ふたりの

女のきよくもんをあはせ・たがひに

いだきあひ・おとこはふあtりの女のしり

へにかしこまり・上下のぎよくもん

 

をなかめ・ふくれうるほふ時・まつした

の女のぎよくもんに・たまぐきを

さし入て・しつかに出入するものなり・

うへのぎよくもむうらやみを・おこし

しんえきはなはだながるゝ時・すなはち

うへの玉かとにさしうつして・しつ

かにせんしんのほうをおこなふ・又下の

ぎよくもんうらやみをなしすりまわる

 

 

16

とき・又したの玉kとにたまくきを

さしうつして・ゆるくせんしんのほう

をおこなふ・かくのごとくして・おとこ

のせいじゆうをはかたくもちて・あはてゝ

もらすべからす・まことに此ほうむねの

うちの・つもるきをはらひ・一さいのや

まひをしりぞくるなかだち也

 

 ○第九 靏交勢(くわくかうせい)

 

をとこかべによりかゝりているをんな

のてにておとこのくびをひきよせ・女

のみぎのあしにて・おとこのこしをう

ちまとふ・おとこのみぎのてにて・女の

ひたりのもゝをおしあけ・女のあし

くびをおとこのひだりのかたにうち

かけさせふたりの身をしとゝあはせて・

女のてにて・たまくきをにぎり・ぎよく

 

 

17

もんにあてがひばくしにおよばしめ

て・玉かともしきりにうるほひ・たまく

きはなはだかたくは・こくしつにさし

こみてしづかにうごかし・九せん一しん

のほうをおこなふ・玉かとびくはいのと

ころにしぜんにあたるとき・しんえ

きなかれいづる事かきりなし

おとこ・女ともにきめぐり・ちつふし

 

てもろ/\のやまひ・たちまちいゆ

るなり

○くはうていのたまはく・九せいのよう

じゆつすでにきく事をえたりいん

やうましはりのみちに・出入にせん

しんのじゆつりかいそんえきのほう

ありときく・ねかはくは・われにこ

れをつげよ

 

 

18

○そぢよこたへていはく・それをんな

のびくはひならしむる事あなが

ちふかく入るにもよらす・又たまく

きの大なるをこのむにもあらす・あ

るひはそのときのけうにより・あ

るひはそのをんなのことむとこ

ろにあたる時・ひくはひなる事

かきりなし・そのときはぜんこを

 

ばうきやくし・はちをもおほえ

ず・かんにたへかねて・はをくいつ

め・身をすくめふるはかし・はないき

あらく・めをふさき・そゞろに

こえを出しおもてあかくねつし

しんえきおほくなかるゝもの也

 ○一寸入を琴弦(きんけん)といふ

 ○二寸入を菱歯(はくし)といふ

 

 

19

 ○三寸入を嬰鼠(えいそ)といふ

 ○四寸入を玄珠(けんしゆ)といふ

 ○五寸入を谷実(こくしつ)といふ

 ○六寸入を愈鼠(ゆそ)といふ

 ○七寸入を昆戸(こんと)といふ

 ○八寸入を北極(ほくごく)といふ

以上かくのことくせんしんに八のなあり

しかるにましはりのみち・ふかくいるゝ

 

事を一せつにいむなり

一こくしつにつねにいたらしむれは

かならすかんをやふるゆへに・めを

やみ・なみたをなかす

二ゆうそにつねにいたれは・はいのさうを

 やふりてこゝちわるく・からえつきし

 て・こしをいたましむ

三こんとにしげくいたれは・かならすおも

 

 

20

 てのいろきにして・こししひれ・もゝ

すくみ・はらいたむ・ひのざうにあたる

ほくこくにいたししむれは・しんの

ざうをやふり・おとこをんなともにや

まひをしやうず・又はなはだ・いそか

はしく・玉くきを・出入し・すこやか

におこなふ事をきらふなり・あいて

いそくときは・かならす・きのみちを

 

やふり・むねのうちに・もろ/\のや

まひをしやうず

○くはうていとふてのたまはく・八しん

六せん九せん一しんとはなにといふ事

にや  ○せいぢよこたへていはく・八しん

六せんとはふかくさしいれて・いき八そく

をつきあさくぬきあけていき

六そくをつくなり・ふかく入て八たび

 

 

21

つき・あさくぬいては・六たひつくこと

にはあらす・あさくとは・きんけんより・

けんしゆにいたるをいふ・ふかくとは・えい

そより・こくしつにいたるをいふ

みぎ此あさくふかきひじゆつをこゝえお

えて・つねにおこなふへし・はなはだ

あさきときは・女のこゝろびくはいなら

ず・あまりふかき時はおとこ・をんなの

 

ために・とくとなることおなし

○くはうていとつてのたまはく・おとこ・女

ましはりあふみちに・五しやうのほう

ありとはいつれにや

○そぢよこたへていはく

一にぎよくもんふくれず・うるほはざる

あひだは・たまぐきをいれるべからす・し

いているゝときは・はいのさうをやふる

 

 

22

二にをんなのいんせいすでにうこくと

 いへとも・おとこそれをもしらず・やうや

 くをんなの心のうち・けうつき・とき

すぎて・ましはりあふときは・かならす

ながちのやまひとなる

三にわかくさかんなるをんなに・としおひ

 たるおとこあひて・玉くきかたからず・

 なまじひに・すこしおゆるといひて

 

 しいてましはりあひ・せいじやうをも

○らせは・めんをやみついにまうもく

 となる

四にをんなの月水いまたやまさ

るに・しいて交合すれは・たかひ

にじんをやふる

五におとこ・事の外さけにえひて・かう

がうし・をんなのびくはいなる事

 

 

23

 すき・をはりたるに・久しく出入

 を・おこなふ時は・かならずおもて

 きなるやまひをしやうず

○くはうていとふてのたまはく・をん

なのいんせいに十のおもひうかふ

といふ・しるしありとはいつれそや

○そぢよこたへていはく

一にはおとこえひふしたるに・をんな

 

 ひそかに玉くきをにきり・そろ/\

 とうごかしみつからきよくもんを

 よする事あらは・女の心野中

 にいんねんきざすいはれ也

二にはをんなの・おとこにあふたひ

に・ことばにてたはふれ・めにて

こゝろをかよはす事あらば・いん

よくうごくとしるへし

 

 

24

三にはをんなのあしのゆびにて

 たまぐきをはさみ・しむる事

 あるは・いんしをもよほすとしる

 へし

四にはおとこ・をんな・たかひに久し

 くこゝろをかよはし・まれにあふ

 て・すてにましはる時・をんな・しつ

 かに/\といはゞ・おとこのせいじゆう

 

 はやくもれん事を・かねてかなし

 むとこゝろへて・しつかに・せんしん

 のほうを・おこなふて・久しくたゝ

 かふへし

五に人なくしつかなるところにたゝ

 二人いて・をんなのいきあらくな

 りて・おもての色あかくなるは・いん

 じのねんきざすとしるべし

 

 

25

六におとこをんなすでにかう/\゛する

 に・をんなのてにて・おとこのせなか

 をきびしくしめ・下よりうごき

 はたらき・上下ひだりみぎへすり

 まはらば・びくはいのさかりとこゝろ

 て・おとこのかたよりも・つよくぬき

 さしをせよとのしるし也

七にましはりあふ時・をんなあふのき

 

 にふして・手あしをさしのべ・うこか

すといふとも・はなはた・いきあらく

して・あしの大ゆひをそらさば・こゝ

 ろのうちに・びくはひはなはたかきり

 なしとしるへし

八にましはりあふときをんなみづから

 ふたつのてにてふたつのあしをも

ちあけ・ぎよくもんをさしあけて・

 

 

26

 たまぐきのいづるをおしみ・し

たびに・おとこのつくとき・しかと

 こたふるは・いんねんはなはだうご

 きて・玉かとのおくのそこに・たま

 ぐきのいたらん事をのそむと

 しるへし

九にましはりあふ時・女えゝるがごとく

 玉ぐきをぬかせず・おとこのこしを

 

 てあしにて・ひし/\としめて・み

 つからたてよこにこぢ・こえを

 出して・われをわすれば・たまか

 との中に・かゆきところありて・玉

 くきにあたるとしるへし

十にくはいがいうのとき・おとこしつかに

 せんしんのほうをおこなふ時・をん

 なみつからとうようしすてにきう

 

 

27

 にもちあげ・おとこのこしをかゝへ・

 下よりしきりに・ぬきさしをなさ

 は・びくはひのきはまりぬと心へて・

 たまかとのおくの・ひたち・みぎに

 たまくきをあたらしめ・玉かとより

 しんえきのおほく出るをまちて・

 しづかにたまくきをぬくへし

○くはうていとふてのたまはく・おとこ

 

をんな・こんがうせしむるに・しせつ

のぜんあくましはりに・きつけう

ありや  ○そぢよこたへていわく

 ○天地しんどう  ○大風  ○急雨

 ○らいでん  ○つごもり  ○朔日

 ○大かん  ○大しや  ○日しよく

 ○月しよく  ○かのへさる  ○甲子

 ○立春  ○立夏  ○立秋  ○立冬

 

 

28

 ○春分  ○秋分  ○夏至  ○五月五日

 ○冬至

みぎ此・日・時は・かならすましはり

あふへからず・もしあやまつてまし

はりあふときは・てんちそのいのち

をうばふ也

 ○じんじや  ○ぶつかく

 ○せいけんの像前  ○いど  ○かまど

 

 ○くり屋のほとり  ○日月光下

みぎ此まへにてましはるへから

す・もしあやまりてましはるとき

は・きじん・かならすその身にわさは

ひをなす

 ○うきうれいにまこゝろをつく

  したる時  ○ふんぬにきをさか

  のほらしめたる時  ○久しくあり

 

 

29

  き・久にたちて・すち・ちから

  をつくしたる時  ○さけにえひ

  ぼうしよくして・はい・いくる

  しめたる時  ○もろ/\のや

  まひ此こゝろいへて血気いまた

  とゝとはさるとき  ○こをうみ

  ていまた一つきにもならばる

  あひた

 

みきこのおりふしくはいかうす

べからず・もしあやまるてまし

はりあふときは・けつきやふれ・

すぢ・ほね・かはき・おほきなるや

まひとなる・ふかくつゝしむへし

又をんなのかみ・きいろに・かほ・身の

いろはなはだくろく・ほね・たかく・に

くあれ・きはめてやせ・おとこより

 

 

30

としたけ・おほくこそうみて・身か

しけ・うるほひなく・こゝろはなは

だたけく・わきのしたくさく・

ぎよくもんかわき・しぶり・しらち・な

がちなとあるをんなには・たまさ

かにもましはるへからす・おもひよら

さるにましはるときは・おとこのた

からをそんするなり・つゝしむへし

 

○くわうていとつてのたまはく・おと

このせいじやうをもらすに・とし

のかすにしたかひてそのほうあ

りや

○そちよこたへていはく・おとこ廿さ

いにいたらは・三日に一たひ・せいをも

らせ・卅さいにいたらは五日に一とも

らせ・四十さいにいたつては七日に一

 

 

31

ともらせ・五十よりうへは・十五日に

一たひもらせ・六十よりうへは・しい

てみたりにもらすへからす・いまふぉき

はみな此ほうをしらす・みたりに

交合して・廿さい・卅さいのきかりな

るしぶんは・一日・一やのあひたに・せい

じゆうを・三と・四たひもらし・あるひ

は・五六とにおよふゆへに・その人

 

としなかはにもいたらすして・kみ・

ひげ・しらかになり・五たいかしけ・い

まだとしよりさるに・すぢ・ほねす

くみ・こしをいため・ついには・も

ろ/\のやまひほうきして・いのち

つゞまるなり・ふかくつゝしむへし

○くはうていとふてのたまはく・をん

なとましはるに・くすりのじゆつを

 

 

32

もつてたへなるきどくをうるこ

とありや

○そぢよこたへていはく・おひたる

をわかくなし・よいきをつよくし・

かはけるをうるほす事・みなこれ

くすりのくのうなり・なんぞ房中(ばうちう)

において・いじゆつなからんや

 

○縁鶯膏(えんわうかう)心のふかき女にもちいへし

 

○ちやうじ(三りう) ○さんせう(四りう)

○さいしん ○りうこつ ○かいへう

 せう ○みやうばん(をの/\すこしにる)

右六いろをこまかにふるひて・なま

なる・みつにて・こねて・おとこをんな

ましはりあふ時・すこしはかりぎよく

もんのおくにいれて・せんしんの

ほうを・おこなふとき・玉かとの中

 

 

33

かゆくふくれ・あたゝかにして・みの

しるながれいづる事かぎりな

し・ふかくつゝしむをんなも・人

めをもおもはず・こえを出し・び

くはひのすかたをあらはす也

○玉鎖丹(きよくさたん)なんしのせいじゆうをも

らしめぬ・くすり也

○りうこつ(一ふん) ○かし(一しゆ)

 

○しゆくしや(二しゆ) ○しんしや(五分)

右四しゆをの/\こまかにこにし

てもちのりにて・あつきつぶほと

にぐはんじ・ましはるまへに・七

りうさけをあたゝめてのむへし・

女三五人にあふといふとも・おとこ

のせいじゆうもれさるへし

○如意丹(によいたん)玉かとをよくうるほし

 

 

34

あたゝかにふくらかしむくすり也

ざくろのかは ○もつかう

○さんやく ○しやしやうし

○ご三ゆゆう

右をの/\こまかにこにして・いつ

れもおなじほどにあはせ・ましはり

あふとき・つばきにてねやして・玉

くきにとろりとぬりぎよくもんに

 

さしいれて・せんしんのほうをおこ

なふへし・おひたるをんなたりと

いふとも・まことにわかきをんなのた

まがどのことくなるへし

○壮腎丹(さうしんたん)おとこのおとろへたる

じんをおきのひ・きりよくをまし・

たまぐきをつよくす

○ちやうかう ○ぶし ○りやうかう

 

 

35

○につけい ○さんしゆゆう

○がうふん(をの/\一匁) ○みやうばん

○いわう(をの/\七匁)

右こまかにこにしてねりたるみつ

にてぐはんし・むくれんじほとに

して・くうふくのとき・三りうづゝ

あたゝめざけにてのむへし・もし

つまなきおとこはそつじにのむへ

 

からす

○西馬丹(さいはたん)すぢほねをやしなひ・

たまぐきをなかく大にする也

○ぢんかう ○にうかう ○もつやく

○もつかう ○としし(をの/\五分)

○ういきやう(一分) ○はごし(一匁)

○とうふん(四十ヶ)

右八しゆこにして。ねりたるみつ

 

 

36

にてこねて・くるみほとにぐはん

じて。くうふくに一りうづゝあたゝ

めざけにてもちいへし・一月にお

よへは・たまぐきふとく・なかく・なり

て・一だんつよくなる也

○寸陰方(すにんはう)をんなのこゝろのそこ

をよろこはしめ・そのおとこをなか

くわすれざらし

 

○じやしやうじ  ○こくつのはい

○につけい(をの/\三分) ○てうぶん(二分)

右四いろこまかにおろして・ましはる

とき・ついきにて・ねやし・たまく

きにぬりて・をんしんのほうをおこ

なふときは・をんなのおとこをおもふ

事あさからす

 

○くすりのこしらへの事

 

 

37

○ちやじ はなふしをさりそのまゝき

ざむ・ひをいむ也

○さんせう あぶりて・つちのうへにふた

をして・しばしをき・とりあけてしろ

みをさる

○りうこつ 一やさけにひたしやき

こにする

○かいへうせう いかのこうなり・こそけ

 

てつかふ

○みやうばん やげんにておろして

すいひす

○かし かみにつゝみ・あつはいにう

つみ・よくういしてけつりあぶる・さ

ねはもちいず

○しゆくしや ぬのにつゝみ・水にてよ

くあらひほして・うすかはをさり・い

 

 

38

ちてつかふ

○しんしや すいひす・ひをいむ

○せきりうひ みづにつけて・yら

をさりあふる

○もつかう ほこりをはらひその

まゝきさむ

○じやしやうし 一やさけにひたして

あぶる

 

○ごしゆゝ あつきゆに七たびひた

し日にほしてあぶる

○ぶし ういしあつはいのうへにて

ころばしかはをさる

○りやうかう ろづ(蘆頭:傷物)をさりて手にあ

ぶらをつけて・よくもみあぶる

○につけい あらかはをさり・きさ

む・ひをいむ

 

 

39

○さんしゆく 一やみつにつけて・か

はをとり・あぶる・きねはもちいす

○いわう すいひす

○がうふん はまぐりのからなり・や

きてすいひす

○ちんかう いかにもくろくしるのあ

るをもちゆ・そのまゝきさむ

○にうかう そのまゝくたきもちゆ

 

○もつやく そのまゝくたきもちゆ

○としゝ よるひる三日さけに

ひたしくたきもちゆ

○ういきやう 一やさけにひたし

いりもちゆ 一もつこうほこりをはらい 其まゝきさむ

○はごし 一やさけにひたしいる

○たうにん あつきゆにしはらく

ひたし・かは・とかりをさりている

 

 

40

○くこつ いぬのかしらのほね

なり せきにてやきてふかふ

○ちやうふん たうのつちなり・すい

ひしてつかふ

○さいしん よくあらひつちけを

さり・あるひはろづをさりてきさみ

あふる

○さんやく 一やみつにつけ・いし

 

はいをよくあらひおとしあふる

右此一さつは・たいめいこくより・えづ

のかたちをしるしたる印本(いんほん)・わか

てうにきたるといへとも・そのむね

のおもむき・深淵・幽微にして・あ

さく・まなふともから・そのじゆつ・には

かにならひがたく。そのほうたやすく

おこなひがたし・かゝるゆへに・その

 

 

41

ことば・まことに卑俗なりといへ共

たいめいのもんしを。やまとことば

にやわらげて・人として・いんやうわ

がうのみちをしりやずく・婚合

のことはりを・おこなひやすからし

めむとするものなり・あながちいん

せいをもよほし・ゆふけうをことゝ

するにはあらす・これたゝてんのま

 

まさしき・いたりいるたからをたも

たしめ・寿算をなかくひさしく

ならしめんとのみ

         持主 村上氏

 洛下二条仁王門町長嶋与三

 休興開板