仮想空間

趣味の変体仮名

2019-11-01から1ヶ月間の記事一覧

如何弁慶御前二人

読んだ本 http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/9892799 3恋ひとちうぎはいづれがおもひかけて思ひははかりなや忠と誠のものゝふに源九郎といふ狐(こん/\)あり こゝにあはれをとゞめしはあべの童子が母うへなりもとより野の身も狐(こん)の いづれも古人…

北海道の人魚図

謹白 抑此人魚の儀は宝暦七癸酉年奥州??もなく蝦夷の漁人(りよじん)某 ある時海上はるかの沖へ??しに 何やらうかみ出るものあり よく/\見るに其丈三?余り 惣身(さうみ)は魚にしてかしらは小児のごとく あまり不思議のものゆへ網をひかんとするに …

仁勢物語 下

読んだ本 http://www.wul.waseda.ac.jp/kotenseki/index.html ヘ13 00062 2(下) 2おかし男いもうとのいとあかゝほなりけるを兄をりて つらあかみくさけにみゆるわか草を 人のわらはんことをしそおもふこきこへけるかへし はつかしやなとあてことの云のはぞ…

仁勢物語 上

読んだ本 http://www.wul.waseda.ac.jp/kotenseki/index.html ヘ13 00062 1(上) 2おかしおとこほうかふりしてならの京かすかのさとへ 酒のみにいきけり そのさとにいとなまくさき魚 はらかといふありけり 此おとこ かふてみにけり おもほえす けるきんちや…

明治二十歳八月十九日日食九分九厘餘

午後二時三十六分右ので(出)より観はじめ 三時四十八分上の右に甚し 四時五十三分上と左の間にをはる(終わる)但し白河より佐渡に至る線路は皆既たるべし 此度の日食は誠に珎らしき現象にて 今を去る事百一年前天明六年正月元日以来曾(かつ)てなきよし …

浪花百景之内 四天王寺東門

この門前は河内大和の通路なれど おほくは南門に来(きた)るを便利となにゆへ常に閑静にして風色物さび松風颯々(さつ/\)として仏地の微妙(みみやう)をしめし 実に殊勝の景地なり 且例月廿一日は浪花大師巡りの順ろなれば くん集(じゆ)なすことおび…

浪花百景之内 北新地梅之橋白雨

此里は蜆川に添ふて東西七八丁が間 両側裏町 青楼建ちつらねて 壱丁目 二丁目三丁目と分かち 南は大川堂嶋に隣り北は曽根崎北野の佳景を望む 殊に二丁目は妓娼(こども)の品格賤しからず 諸候の御蔵屋敷 貴客(きかく)富客(ふうかく)遊宴して四時(しじ…

小春と治兵衛の書置き

大長寺蔵:画像はTV番組より(番組名失念、日本の芸能だったかな) 今宵あり かたき御おしへにあつかり忝存候 私共浅間敷身の果みらいのほともおほつかなく存候 何とそなきあとの御とむ らい?成候下はゝ忝奉存候 これのみ御頼申上?書残申候 以上 十月十四…

浪花百景之内 川口の真景

土佐堀川 堂嶋川 蜆川の三流合し此所に分流して一は西へ あぢ川に落一は南へ木津川に落つる 此図は木津川の分れ口にて船御番所ぎゝとして ちうや出船入船を改めたまふ此ほとり都(すべ)て景色(けいしよく)絶妙にして雨中雪中はいふも更なり ことに月夜は…

浪花百景之内 鶴満寺

靍満寺(くわくまんじ)は淀川の西岸長柄(ながら)村に有りて 天台宗の一宇なり 寺中に糸桜数株(すちう)ありて しかも老樹たり 満開の頃は雅俗の遊人こゝにつどひて花を賞じ瓢の腹を空しくして田楽に腹をふくらし帰るを忘るゝも又多かり 鐘楼の古鐘は世に…

日々新聞 第八号

https://rmda.kulib.kyoto-u.ac.jp/ 新聞文庫より 奸通は盗心と同事爰に珍成 老人所は福島辺とかや五郎右衛門とて六十の上三つ四つ超しながら同村なるお梅とて是も五十二三とかや 此お梅には本夫あり いかゞの縁や五郎右衛門と奸通なせしを評判となりしは天…

鎌倉三代記(紀海音) 第五

読んだ本 https://www.waseda.jp/enpaku/db/ イ14-00002-193 79(左頁) 第五天道はみつるをかき地道はおごりをにくむとかや さても判官能員はわかさのつぼねじがいゆへ せきあく世上にろけんのうへさいつ頃より頼家卿 御ぶれいはなはだおもうしてこときはま…