仮想空間

趣味の変体仮名

錦絵新聞

虎列刺退治(これらたいじ)

虎列刺退治(これらたいじ) 虎列刺の奇薬広島諸臺に在勤せらるゝ歩兵大尉某(それ)氏はこの頃コレラにかゝりて死去せられたるが死後はかならず解剖して公衆の為にその病原を究むべしと遺言ありたり 依て國手(いしゃ)相集りて死体を解割(にわけ)し顕微…

日々新聞 第八号

https://rmda.kulib.kyoto-u.ac.jp/ 新聞文庫より 奸通は盗心と同事爰に珍成 老人所は福島辺とかや五郎右衛門とて六十の上三つ四つ超しながら同村なるお梅とて是も五十二三とかや 此お梅には本夫あり いかゞの縁や五郎右衛門と奸通なせしを評判となりしは天…

大阪錦絵新聞 第五十五号

相州江の島の漁父(りやうし)松本作兵衛の娘おとらは今歳十九にて片瀬村森田安次郎方へ同村寅次が媒酌(なかうど)にて嫁入なし 翌日(あくるひ)親類へ巡(まは)り媒酌の家に行き寅次の女房おくめに挨拶せんとして思はずブウと大きな放屁(おなら)を落せ…

大阪錦絵新聞 第三十三号

大阪錦絵新聞 第卅三号 なにしあふ角の芝居の大舞台。檜の火にはあらずして。牡丹の花の火か松の。玉の振り毛のはげしきに。ちよつとうつりし火がはつと。なりひゞきたる大一座。見物客(けんぶつにん)は表木戸(おもて)迄。張り裂る程大入の。群集(ぐん…

大阪錦絵新聞 第廿五号

大坂堂島中通一丁目卅九番地 油商ひなる伊東政輔 家内打つれ参詣に四天王寺へ出行しは第三月の十五日 カノ極楽の彼岸会に 内は地獄の釜ならで 油を製する大釜あり 留主は下男と下女也しが 如何にしてやら誤ちて にへくり転(かへ)るカノ釜へ転(こ)け込む…

大阪錦絵新聞第卅五号

摂津の国西成郡勝間村井上良助といふ人の。倅は道も準之助。名にあらはれし孝行の。徳は人にも勝間むら。細き煙りの立居さへ。思ふに任せぬ母親が。去(こ)年(ぞ)の春からとりあはす。病ひも重き御恩とて。昼夜介抱おこたらず。薬煎じや飲食(のみくひ)…

大阪錦絵新聞 第四号

第四月十五日の午後。正七時大妙珍な咄あり。鉄砲らしき事ながら。旦那を送って戻り道。狐を乗せたと噂する其車夫(くるまや)は天満にて。十丁目天神橋通元与力町まる人力車屋にて。柴嶋(くにじま)へ行た明き車。さらし堤の客待に。日笠かた手に年頃は。…

大阪錦絵新聞 第十一号

大阪錦絵新聞 第十一号 第二大區十小區大宝寺町中久町二十二番地に住平松さとといふ按腹する者の家へ二月十九日午後六時頃に年齢二十八九の婦(をんな)か来り わたくしは近所の 薪(き)屋の者でござり升か 只今内に客が有て酒が出て有り升ゆへ あなたで療…

大阪錦絵新聞 第四十号

文明のとくたるや四才や五才の幼童(おさなご)書を讀(よみ)文字かき和歌を詠み説教なして老人によく理をさとすも有ノ又生れながらにして怪力の奇童など緒新聞紙上に見へたり こゝに又第三區十二小區新町南通り一町目の客舎大林長治郎の男徳太郎は五年四ヶ…

報知新聞 第五百六十五号

男たる者は事に当り能(よ)く前先(あとさき)を思慮(かんがへ)て分別するを以て貴(たっと)しとす 去(され)は一度決心(けつちやく)の後再び未練を残す事あれば往々(とかく)禍害(わざはひ)を引出す事あり備中国浅口郡玉島村の田嶋政太郎は年五十…

大阪錦新話 第一号

羽前の国山形に、旅籠屋又兵衛といへる者は相応にくらせしが、六年まへに東京より女義太夫が来て興行せしに、おあさといへる義太夫に、うつゝぬかして又兵衛は、素直な女房をおきざりに、出奔んなして横浜で、おあさと二人くらせしが、追々金もつかびすて諸…

曽根崎三丁目の情死

字が小さく読み難い部分があったが頑張って読んでみた。 明治八年大坂錦画新聞第九号 第三月十七日午後八時頃大坂西成郡第三?曽根崎村云々に。新屋しきに情死とて。汚名の高き安五郎は。元薩州蔵やしきの仲士にて。江戸堀北通三丁目に住居しものながら。フ…