仮想空間

趣味の変体仮名

竹田出雲(初代)

菅原伝授手習鑑 第五

読んだ本 https://archive.waseda.jp/archive/index.html 浄瑠璃本データベース ニ10-01216 103(左頁) 第五 雲井長閑(のどけ)に大内山早立かはる水無月下旬 日毎/\に時違(たが)へず電光雷火 霹靂(はたゝがみ) 打続いての天変只事ならず 玉体安全雷…

菅原伝授手習鑑 第四

読んだ本 https://archive.waseda.jp/archive/index.html 浄瑠璃本データベース ニ10-01216 80(左頁) 第四 恩を思へばよやヨホイホ結ぼれ糸のハリナ とけぬ心がつろござるいよつろござる つらき 筑紫に立つ年月 御いたはしや 菅丞相 讒者の業(わざ)に罪…

菅原伝授手習鑑 第三

読んだ本 https://archive.waseda.jp/archive/index.html 浄瑠璃本データベース ニ10-01216 59(左頁) 第三 鳥の子の巣に放れ魚(うを)陸(くが)に上るとは 浪人の身の喩種(たとへぐさ) 菅丞相の舎人 梅王丸 主君流罪なされてより都の事共取賄ひ。御台…

加賀国篠原合戦 第五

読んだ本 http://base1.nijl.ac.jp/iview/Frame.jsp?DB_ID=G0003917KTM&C_CODE=0084-000907 97(二行目) 第五 寿永二年仲夏(ちうか)下旬 草もゆるがす旱(てり)つめし 日影も西に赤籏押 立三位中将維盛 敗軍をふたゝびあつめ恥を虚むる一戦とて 死を一決…

加賀国篠原合戦 第四 連理のかさぎね

読んだ本 http://base1.nijl.ac.jp/iview/Frame.jsp?DB_ID=G0003917KTM&C_CODE=0084-000907 75(左頁) 第四 連理のかちぎね さいたさくらになぜこまつなぐこまがいさめば 花がちる ヤレモ サウヤヤレヤレサテナ こまがいさめば花がちる じゆえい二年のはる…

加賀国篠原合戦 第三

読んだ本 http://base1.nijl.ac.jp/iview/Frame.jsp?DB_ID=G0003917KTM&C_CODE=0084-000907 47(左頁) 第三 民に臨むこと凛乎として 朽ちたる索(なは)を以て六馬(りくば)を馭(ぎょ)するごとしとかや 西八条の侍大将越中次郎兵衛盛続(もりつぐ) 御領…

加賀国篠原合戦 第二

読んだ本 http://base1.nijl.ac.jp/iview/Frame.jsp?DB_ID=G0003917KTM&C_CODE=0084-000907 26 第二 浮き沈む憂(うき)を浮世の浪風や 人の心のあら海を渡りくらべてかへり みる 身の信楽の片邊(ほとり)に稲津の刑部俊治(としはる)と云者あり 元来源 氏…

加賀国篠原合戦 第一

読んだ本 http://base1.nijl.ac.jp/iview/Frame.jsp?DB_ID=G0003917KTM&C_CODE=0084-000907 3 白鬚実盛 黒髪実盛 加賀国篠原合戦 作者 竹田出雲 長谷川千四 道は元来一(いつ)也 衢(ちまた)多きゆへに南北に迷ふ 絲(いと)は 元来白く染(そむ)るにより…

菅原伝授手習鑑 第二

読んだ本 https://archive.waseda.jp/archive/index.html 浄瑠璃本データベース ニ10-01216 32(左頁) 第二 道行詞の甘替(あまいかい) サア/\子供衆買ふたり/\ 飴の鳥じゃ飴の鳥 夫がいやならしる飴鑿切(のみきり)泣く子の口へは 地黄煎玉 扨其外(ほ…

菅原伝授手習鑑 第一

読んだ本 https://archive.waseda.jp/archive/index.html 浄瑠璃本データベース ニ10-01216 3(大内の段) 再版 序詞 菅原伝授手習鑑 竹田出雲作 蒼々たる姑射(こや)の松化(け)して婥約(しゃくやく)の美人と顕はれ 珊々(さん/\)たる 羅浮山(らぶさ…

義経千本桜 第四 第五

読んだ本 https://archive.waseda.jp/archive/index.html イ14-00002-842 73(左頁) 第四 道行初音旅 恋と 忠義のいづれがおもい かけて思ひははかりなや 忠と信(まこと)のものゝふに君が情と預られ 静に忍ぶ都をば 跡に見捨てて旅立て つくらぬなりも義…

ひらかな盛衰記 第五

読んだ本 https://archive.waseda.jp/archive/index.html イ14-00002-696 96 第五源平互に攻め戦ふ生田の大手を討やぶらんと 梶原平三景時次男平次景高 無二無三に切て入敵あまた切ちらし 太刀のほめきをさまさんと 攻め口少し引退き一息ついで立たる所に 後…

ひらかな盛衰記 第四

読んだ本 https://archive.waseda.jp/archive/index.html イ14-00002-696 76 第四山遠ふして雲旅人(りよじん)の跡を埋(うづむ) 爰も名にあふ香嶋の里西国の往還迚 賤が家居も賑はへり 今日は天道大日如来 未申の年は御一代の守り本尊と 錫杖ふり立家々に…

ひらかな盛衰記 第三

読んだ本 https://archive.waseda.jp/archive/index.html イ14-00002-696 42 第三 道行君が後ろ紐捨る身を 捨てぬほだしは子ゆへのやみ 空もあやなき暁の 髪も形も宵の儘世のうさつらさ悲しさを いはぬ色なる山吹御前月さへ西に落人の 桂の里のなんぎより し…

ひらかな盛衰記 第二

読んだ本 https://archive.waseda.jp/archive/index.html イ14-00002-696 22 第二鷹は水に入て芸なく 鵜は山に有て能なし 筋目有侍も世事には疎き町住居 削る楊枝さへ細望姓(ほそもとで)しんく果もじ身すぎ楊枝 商売磨やうじの看板 猿もくはねど高楊枝 浪…

ひらかな盛衰記 第一

読んだ本 https://archive.waseda.jp/archive/index.html イ14-00002-696 2 逆櫓松 矢箙梅 ひらかな盛衰記頃は元暦元年正月廿日 朝日将軍木曽義仲悪逆日々に盛んなる 都の騒動しづめよと 鎌倉殿の下知を請け 大手の大将蒲(かばの)冠者範頼 勢田をさして攻…

蘆屋道満大内鑑 第五 (京一条の橋~大内~晴明蘇生の祈り)

読んだ本 http://archive.waseda.jp/archive/index.html ニ10-00991 88(左頁) 第五慎みを知て慎まざれば禍遠きにあらずとかや 陰陽師安倍の保名浪々の身の年月も 早八才の晴明に自然と妙術備はれるを 古主へいひ立てふたゝび帰参を願はんと西の京の旅宿よ…

蘆屋道満大内鑑 第四(葛の葉子別れ~蘭菊の乱れ~草別れ~信太の森二人奴)

読んだ本 http://archive.waseda.jp/archive/index.html ニ10-00991 61(左頁) 第四となり柿の木を 十六七かと 思ふて 覗きやしほらしや 色付いた 十六七かと 思ふて 覗きやしほらしや色付いたかけておる賤があさ機あさはかに なんの織るぞいの 生(おい)…

蘆屋道満大内鑑 第三(左大将舘~道満屋敷~奥庭)

読んだ本 http://archive.waseda.jp/archive/index.html ニ10-00991 37 第三鴻(こう)飛で冥々才者(よくしや)なんぞ慕はんや 左大将橘の元方は桜木の親王の御契り浅からぬ 六の君を失はんと御菩薩が池(みぞろがいけ)の底深き 工みも案に相違して御行方…

蘆屋道満大内鑑 第二 小袖物狂ひ (岩倉舘~親王御所~菩薩池~信太社~保名物狂)

読んだ本 http://archive.waseda.jp/archive/index.html ニ10-00991 20(左頁) 第弐大(おほい)なる者の己を立つるは奢りの基ひ 此字をわくれば一人(にん)の者と訓ず岩倉治部太輔(たゆふ)主君左大将の仰を蒙り 保憲が秘書を首尾よく奪ひ 己が館に預り置…

蘆屋道満大内鑑 (第一 東宮御所=大内~間の町~加茂館)

読んだ本 http://archive.waseda.jp/archive/index.html ニ10-00991 2 蘆屋道満大内鑑 (第一) 作者竹田出雲風に叫ぶ青障の外 雨に嘯く古林の中尖れる?(はなさき)蔓(はびこる)尾 小前大後色中和を兼 死すれば丘を首(かしら)にす是此妙獣 百歳(はく…

大塔宮曦鎧 第五

読んだ本 http://archive.waseda.jp/archive/index.html イ14-00002-111 88(右頁6行目) 第五 かゝやけり日西天に没すること三百七十余ヶ日 大凶変じて一元に帰すといふ 聖者(じやうじや)の末来記当たれるかな 西国の官軍等天皇をうばひかへし はりまの国…

大塔宮曦鎧 第四 

読んだ本 http://archive.waseda.jp/archive/index.html イ14-00002-111 67(左頁) 第四 大塔の宮くまのすゞかけもろ共に あはれと思へ 山ざくら 花に心をそみかくだの 姿にかへて大たうの 宮もわらぢのたび衣 今ぞはじめてみくまのゝ さきにおちつくあても…

大塔宮曦鎧 第三 (身替り音頭の段)

読んだ本 http://archive.waseda.jp/archive/index.html イ14-00002-111 53(左頁5行目下) (身替り音頭の段)天てらす 月日の種の御身にも 世のうき雲におほはれて まだ八歳の若宮御母君 楚(そ)の囚れといたはしくも永井右馬頭 宣明に預られめぐりきびし…

大塔宮曦鎧 第三 (六波羅館の段)

読んだ本 http://archive.waseda.jp/archive/index.html イ14-00002-111 44(左頁) 第三 (六波羅館の段)都なる女あり車を同じうす 顔(かんばせ)蕣(あさがほ)の花のごとしとうたふ 鄭衛の二風(じふう)道を蕩(とらか)し国を賊(そこな)ふの淫声と…

大塔宮曦鎧 第二

読んだ本 http://archive.waseda.jp/archive/index.html イ14-00002-111 24(左頁) 第二臣として不忠成は子として不孝成に同じと 田氏が母の確言誠なるをや 両六波羅の下司(したづかさ)斉藤太郎左衛門尉利行 決断日の外も休みなく六はらの北殿 常盤駿河守…

大塔宮㬢鎧 第一

読んだ本 http://archive.waseda.jp/archive/index.html イ14-00002-111 2 (第一) 太平紀 網目 大塔宮曦鎧 近松門左衛門添削 作者竹田出雲掾 松田和吉舜に錐を立るの地なけれ共天下をたもち 禹(う)に十戸の聚なけれ共諸候に王たり 上三光の明をおほはず …

ひらかな盛衰記 松右衛門内より逆櫓の段

読んだ本イ14-00002-696 (松右衛門内) 55行く空の 難波潟あし火焚家(たくや)の 片庇 家居には似ぬ里の名や 福嶋の地はおしなべて世を海渡る舟長の 有が中にも権四郎とて年も六つを十かhりの 松右衛門といふ通り名は養ひ聟に譲りやる 門に目充ての松一ト…

ひらかな盛衰記 三ノ口 笹引の段

読んだ本 http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/856522 245 左頁四行目 「立さはく かぜも はげしき 夜半(よは)の空星さへ雲に 246おほはれて 道もあやなく物凄き裏は田畑を隔ての大藪 押合けかき分け 忠義一途にかい/\敷 お筆は片手に若君抱き山吹御前の…

ひらかな盛衰記 三の口 大津宿屋の段

読んだ本 http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/856522 221宿屋笹引の段盛衰記 三の口 222 左頁 ひらかな盛衰記 三の口東路をのぼり下りの 旅人も二つと三つに追分や大津に並ぶはたごやの 棟門(かど)多き其中に名高き関の清水やが 得より 223奥に客留て 料…