仮想空間

趣味の変体仮名

傾城阿波の鳴門

傾城阿波の鳴門 第十

読んだ本 https://archive.waseda.jp/archive/index.html ニ10-01136 91 第十ヤア暫く待れよいづれも 刀の虚実改めもなく 持参したは某が誤りとは云ながら 代々預る殿の重宝 何望有て此刀隠し置ふ様もなし 察する所此盗賊は慥外にといはせも果ず ヤア其言訳…

傾城阿波の鳴門 第九

読んだ本 https://archive.waseda.jp/archive/index.html ニ10-01136 87(左頁) 第九国民も豊か鳴戸の阿波の国 徳嶋郷の町はづれ弓矢神迚もてはやす 武士は取わけ町人も 参詣群衆をなしにける往来も多き其中に 先を払はすに野田軍兵衛 国一ぱいに広がりし …

傾城阿波の鳴門 第八

読んだ本 https://archive.waseda.jp/archive/index.html ニ10-01136 72(左頁) 第八よしあしを 何と浪花の町はづれ 玉造に身を隠す阿波の十郎兵衛本名隠し銀十郎と表は浪人内証は 人は夫共白浪の 夜のかせぎの道ならぬ 身の行末ぞぜひもなき 人の名を 神と…

傾城阿波の鳴門 第七

読んだ本 https://archive.waseda.jp/archive/index.html ニ10-01136 66 道行思ひの富士 第七かね付けは 娘のはなれ時 はご板のえの雛様に 恋といふ物しり初めて 殿御持つ夜の辻よ辻 お辻は二世と 親/\の其約束も名斗に 只思ひねの夢にだに 藤やを見たしな…

傾城阿波の鳴門 第六

読んだ本 https://archive.waseda.jp/archive/index.html ニ10-01136 53 第六とん/\/\とんと世上の色の湊は京の女房に 江戸のいきはり大坂の揚屋で長崎衣装着せて 一ふう三四五六七八九新町 師走の果も色里は 別世界なる賑ひに胸の煤掃き衣装着せ紋日の日…

傾城阿波の鳴門 第五

読んだ本 https://archive.waseda.jp/archive/index.html ニ10-01136 46(左頁) 第五南無阿弥陀/\ 抑(そも/\)当寺の御本尊目剥の如来と申奉るは 人皇廿六代武烈天王悪逆無道の有様にて渡らせ給ふ其時に此如来出現まし/\て御怒給ひ 両眼を剥せ給へば武烈…

傾城阿波の鳴門 第四

読んだ本 https://archive.waseda.jp/archive/index.html ニ10-01136 32(左頁) 第四浪花津に いづれはあれど取わけて 分限長者の寄所 今橋筋の軒ならび 其名も綷(くけ)屋三郎右衛門と人にしられし家がらも 夫に離るゝ不仕合商ひ 万事不手廻りに 今は世間…

傾城阿波の鳴門 第三

読んだ本 https://archive.waseda.jp/archive/index.html ニ10-01136 27(左頁) 第三下総と渡せる橋は 両国の国境をば名に呼し 橋のあいろも見へわかず 猶降しきる夕立のしのを乱せる雨の足 夜目にも夫(それ)と蛇の目傘 えならぬ工の二人迚 両国橋にさし…

傾城阿波の鳴門 第二

読んだ本 https://archive.waseda.jp/archive/index.html ニ10-01136 13 第二 桜井主膳と表札を 打ねど其名隠れなき 阿波の一城主玉木衛門之助殿譜代の侍主従供に武蔵野の月も忠義に目もふれぬ 堅い屋敷の内庭に掃除は得手のやちこらさ打水玉の露程も かげひ…

傾城阿波の鳴門 第一

読んだ本 https://archive.waseda.jp/archive/index.html ニ10-01136 3傾城阿波の鳴門 座本 近松門左衛門 第壱唐(から)の七賢 ?廣(しうくはう)阮籍(きせき)元咸(げんかん)向秀(しやうしう)王戎(わうじう)山濤(さんとう)列伶(れつれい)思ひ/\に出立て …

傾城阿波の鳴門 八つ目 巡礼歌の段

http://www.bunraku.or.jp/pdf/mini2017_03.pdf 読んだ本 http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/856220 巡礼歌の段 阿波鳴門 八ツ目 2傾城阿波の鳴門 八段目よしあしを 何と浪花の町はづれ 玉造に身を隠す阿波の十郎兵衛本名隠し銀十郎と表は浪人内証は 3人は…