仮想空間

趣味の変体仮名

2019-10-01から1ヶ月間の記事一覧

鎌倉三代記(紀海音) 第四

読んだ本 https://www.waseda.jp/enpaku/db/ イ14-00002-193 62(左頁) 第四 わかさの局道行うれしとは むかしぞよみしほし月夜 あくるわびしきかまくらの御所の御もんお七重やえ こへつしのびつかくろいつ わかさのつぼねいもふとはあさぢといへどあさから…

鎌倉三代記(紀海音) 第三

読んだ本 https://www.waseda.jp/enpaku/db/ イ14-00002-193 43(3行目) 第三もろこしにまさりし物は何々ぞ 京はぶたへと大みやうのお道具持のつくり鬚 そろふて/\かちのしゆ 手をふる腰ふるとりげふる 靍が岡への御さんけい前駆後乗きらめきて ひかりを…

鎌倉三代記(紀海音) 第二

読んだ本 https://www.waseda.jp/enpaku/db/ イ14-00002-193 23(左頁) 第二手車の品こそかはれ 源は 清和のながれせきとゞむ こひの見なとに頼家公色と酒との乱れ髪 さばけ過たる近習がそゝりあげたるたいこ口 拍子に乗て手車の女房達はざは/\と殿御ひと…

鎌倉三代記(紀海音) 第一

読んだ本 https://www.waseda.jp/enpaku/db/ イ14-00002-193 2 鎌倉三代記(第一) 作者 紀海音広徳真異録にいわく 天地はけうあくをちやういくせず 蛇鼠(じやそ)は龍虎と成ことあたはず てんもう恢々たり去ていづくにゆかんとす 天せい大樹の御気じやう …

大阪錦絵新聞 第五十五号

相州江の島の漁父(りやうし)松本作兵衛の娘おとらは今歳十九にて片瀬村森田安次郎方へ同村寅次が媒酌(なかうど)にて嫁入なし 翌日(あくるひ)親類へ巡(まは)り媒酌の家に行き寅次の女房おくめに挨拶せんとして思はずブウと大きな放屁(おなら)を落せ…

無間鐘梅枝伝譜

読んだ本 http://www.wul.waseda.ac.jp/kotenseki/index.html 文庫06 00999 参考 http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/9892610 1寛十一未年 三拾? 品川鯨児(しながはのくじら)三又水虎(みつまたのかつぱ) 山東京伝作無間鐘梅枝伝譜(むけんのかねむめが…

ひらかな盛衰記 第五

読んだ本 https://archive.waseda.jp/archive/index.html イ14-00002-696 96 第五源平互に攻め戦ふ生田の大手を討やぶらんと 梶原平三景時次男平次景高 無二無三に切て入敵あまた切ちらし 太刀のほめきをさまさんと 攻め口少し引退き一息ついで立たる所に 後…

ひらかな盛衰記 第四

読んだ本 https://archive.waseda.jp/archive/index.html イ14-00002-696 76 第四山遠ふして雲旅人(りよじん)の跡を埋(うづむ) 爰も名にあふ香嶋の里西国の往還迚 賤が家居も賑はへり 今日は天道大日如来 未申の年は御一代の守り本尊と 錫杖ふり立家々に…

ひらかな盛衰記 第三

読んだ本 https://archive.waseda.jp/archive/index.html イ14-00002-696 42 第三 道行君が後ろ紐捨る身を 捨てぬほだしは子ゆへのやみ 空もあやなき暁の 髪も形も宵の儘世のうさつらさ悲しさを いはぬ色なる山吹御前月さへ西に落人の 桂の里のなんぎより し…

ひらかな盛衰記 第二

読んだ本 https://archive.waseda.jp/archive/index.html イ14-00002-696 22 第二鷹は水に入て芸なく 鵜は山に有て能なし 筋目有侍も世事には疎き町住居 削る楊枝さへ細望姓(ほそもとで)しんく果もじ身すぎ楊枝 商売磨やうじの看板 猿もくはねど高楊枝 浪…

ひらかな盛衰記 第一

読んだ本 https://archive.waseda.jp/archive/index.html イ14-00002-696 2 逆櫓松 矢箙梅 ひらかな盛衰記頃は元暦元年正月廿日 朝日将軍木曽義仲悪逆日々に盛んなる 都の騒動しづめよと 鎌倉殿の下知を請け 大手の大将蒲(かばの)冠者範頼 勢田をさして攻…

本郷元町孝子伝読売(部分)

本郷元町孝子伝読売 ぬきかざし親子のものをよびおこしつゝ金あらば出すべし もしはやまつて声たてなばでんがくざしにしてくれんと 小山のごとき大男三人うちつれおつとりまけば 鉄五郎はふるへつゝ歯の根もあはず やう/\に財布とりいだし盗人にわたすにぞ…