仮想空間

趣味の変体仮名

2017-04-01から1ヶ月間の記事一覧

楠昔噺 徳太夫住家の段

というわけで『楠昔噺』の「砧拍子の段」だけ読んで、続く「徳太夫住家の段」を楽しみに文楽劇場で見たらばあーた、まさかの予想を上回る展開に客席で現実に「え゛~~」と声を出して驚く嵌めになったのでありました。だってさ時代物だから誰か死ぬのだろう…

柿本人麿

岩佐又兵衛画筆。なんじゃこりゃ。 対の「紀貫之」同様、漢字は漢字として読めるだけ読んでみよう。 保濃甫乃登明石農昴の?霧木嶋億行船惜そ思 柿本人麿 勝以画之 ハア?もうワケわかんない。 翻刻をカンニングすると、 「保濃甫乃登」=「ほのぼのと」、 …

菅原伝授手習鑑 二段目 道行詞甘替  安井汐待の段

読んだ本 http://www.enpaku.waseda.ac.jp/db/index.html (イ14-00002-890 ) 36二段目 口 道行詞の甘替(みちゆきことばのあまいかい) サア/\子供衆買たり/\ 飴の鳥じや飴の鳥 それがいやならしる飴鑿(のみ)切り泣く子の口へ地黄煎玉 扨其外平野飴…

菅原伝授手習鑑 初段 築地の段

読んだ本 http://www.enpaku.waseda.ac.jp/db/index.html (イ14-00002-890) p31 右頁七行目下~ 「出て行く 源蔵と引っ違へ帰る梅王青息吐息 門の臺木に足つまづきかつぱと転(こけ)て起きる間も待た れぬ/\侍衆 御大事がおこつてきた 科の様子何かはし…

紀貫之

岩佐又兵衛筆。読めねえよ。 平仮名として読める文字以外を漢字のまま読んでみよう。 紀貫之 桜ちる木の下風盤佐無賀羅天空耳志ら禮怒雪そ降介類 勝以画之 なんじゃこりゃ。あてくしが自力で平仮名に変換できるのは、 「盤」=「は」 「佐」=「さ」 「無」…

菅原伝授手習鑑 初段 筆法伝授の段

読んだ本 http://www.enpaku.waseda.ac.jp/db/index.html (イ14-00002-890 ) 筆法伝授の段 p18 左頁三行目~ 立ち帰る 上根と稽古と好きと三つの中 好きこそ物の上手とは 芸能修行教への金言 公務の暇明け暮れに好ませ給へる道真公 堂上堂下りはいふに及ば…

菅原伝授手習鑑 初段 加茂堤の段

読んだ本 http://www.enpaku.waseda.ac.jp/db/index.html (イ14-00002-890) p10左頁二行目中程~ 引捨る車は松に輪を休め 舎人 二人は肘枕 二輛ならべし御所車かたへは藤原かたへは菅原道真公の名代は左中弁希世 時平公の代参は三善清貫 加茂明神へ御脳の…

菅原伝授手習鑑 初段 大内の段

読んだ本 http://www.enpaku.waseda.ac.jp/db/index.html (イ14-00002-890 ) 参考にした本 同上イ14-00002-441 など 2菅原伝授手習鑑 (初段 大内の段)蒼々たる姑射(こや)の松化して芍薬の美人と顕れ珊々たる羅浮山の梅 夢に清麗の佳人となる 皆是擬議…

東都八景 佃嶋帰帆

東都八景 佃嶋帰帆 真帆 引てかへる 佃に夕月の御舟も おなしむやひ するらし 重堂 真帆引いて 帰る佃に夕月の御舟も同じ 舫いするらし 「裳」は「も」では、と閃くのに数日かかった。「むやひ」は「もやい・舫い」だと思う。 【みんなの知識 ちょっと便利帳…

菅原伝授手習鑑 三段目 車曳きの段

読んだ本 http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/856508 286菅原伝授手習鑑 三の口 (車曳の段) 鳥の子の巣にはなれ魚陸(くが)に上がるとは 浪人の身の喩え種(ぐさ) 管丞相の舎人梅王丸主君流罪なされてより 287都の事共取賄ひ 御台のお行方尋ねんと笠ふ…

菅原伝授手習鑑 二段目 丞相名残の段(道明寺)

読んだ本 http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/856508 256(表紙)菅原伝授手習鑑二段目切 道明寺 257菅原伝授手習鑑 二の切 (丞相名残の段) 聞かして入りにけり 早刻限ぞと御膳の拵へ 銚子土器(かはらけ)熨斗昆布嬪共に嶋臺持たせ 伯母御座敷へ出給ひ …

菅原伝授手習鑑 二段目 杖折檻の段 東天紅の段

読んだ本 http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/856508 224(表紙) 八時鶏(やごゑとり)の段 菅原伝授 弐段目の中 225菅原伝授手習鑑 弐の中 (杖折檻の段) 管丞相の御別れ対面ありたき覚寿の願ひ 流人預かる判官代輝国の用捨を以て 河内の屋敷へ入給へば …

楠昔噺 砧拍子の段

読んだ本 http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/856219 落語か漫才みたいで笑った。続きはしんみり涙アリの展開かしら。 でも時代物なんだっけ?じゃあ誰かの命が犠牲に? え゛~~ 劇場でのお楽しみ! 追記:劇場でお楽しみ後 徳太夫住家の段 楠昔噺 三の口 …

菅原伝授手習鑑 五段目 大内天変の段

読んだ本 http://www.enpaku.waseda.ac.jp/db/index.html(イ14-00002-890) 参考にした本 同上(ニ10-02393) 2冊目 54 五段目雲井長果(のどけ・長閑)き大内山早立ちはる水無月下旬日毎/\に時違へず電光雷火霹靂(はたゝがみ) 打続ての天変只事ならず …

菅原伝授手習鑑 四段目 寺小屋の段

読んだ本 http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/856509 12 左頁1行目~ 引連れ急ぎ行 どりやこちの子と近付きにと若君の傍へ寄せ機嫌紛らす折からに 立帰る主の源蔵常にかはつて色青ざめ 内入り 13悪く子供を見廻し エゝ氏より育ちといふに 繁花の地と違ひ い…

菅原伝授手習鑑 四段目 寺入りの段

読んだ本 http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/856509 2 菅原伝授手習鑑 四の切 (寺入の段) 一字千金二千金三千世界の 宝ぞと 教へる人に習ふ子の中に交る菅秀才武部源蔵夫婦の者いたはり 3傅(かしづ)き我子ぞと 人目に見せて片山家芹生の里へ所がへ子供…

増補菅原伝授手習鑑 松王屋敷の段

明治時代になってから書かれたものだそう。仮に全段通しで上演したとすると「北嵯峨」と「寺入り」の間に挿入される。松王により妻千代の真意が量られた上での夫婦の苦渋の決意、小太郎のあどけなくも健気な幼いなりの自己犠牲への覚悟、松王の仮病の必然性…

菅原伝授手習鑑 四段目 北嵯峨の段

読んだ本 http://www.enpaku.waseda.ac.jp/db/index.html (イ14-00002-890 2冊目 34p 5行目~) 34 5行目下夢破る 門山伏が螺の貝吹立/\北嵯峨の 在も山家もぬけめなく縁の行者の跡を追い 朝夕してやる五器膳器 五器の実修行としられたり アゝやかまし御…

菅原伝授手習鑑 四段目 天拝山の段

読んだ本 http://www.enpaku.waseda.ac.jp/db/index.html (イ14-00002-890 2冊目 p26~) 26 四段目 君思へばよやヨホイホ結ぼれ糸のハリナ とけぬ心がつろござるいよつろござる つらき筑紫に立つ年月 御いたはしや管丞相 讒者の業に罪せられ 埴生の小屋の…