仮想空間

趣味の変体仮名

2016-01-01から1年間の記事一覧

体内十界之圖

体内十界之圖 昇旭斎國輝画(三代 歌川国輝) 夫れ人の子たる物ハよく親にしたかひて善なる道を習ふ可し抑此胎の図ハ善悪二ツの道にしてよき事を為者は上図の如シ又悪事をなす者ハ遂にハ下の図にをちゆる故假令ひ如何なる虫にても無益にこれを痛るハ宜しから…

国芳自画像

御そんじの画工いちみゃうかいほどよし しつれいながら是より口上を申上ます毎々御ひいきなし下されありがたふぞんじます 扨此本の義なを又後編つゞいて売出しますればおかはらず御ひやうばんをおねがひ申ますごぞんじの莖十郎が女色の武者修行をいたしてあ…

お六櫛

BSプレミアム 浮世絵ツアー「中山道」より 浮世絵ツアー - NHK 木曽街道 荒井宿 名産店の図 「名物 お六櫛」 木曽の名産お六櫛といふはミねばりといふ木にて挽あかのとれる事ミやうなる櫛なり竹のとうぐしとちがひはさきやハらかく髪すぢのきるゝといふこと…

大晦日の宝船

江戸時代、大晦日の晩に七福神宝船の絵を枕辺に忍ばせ、佳き初夢を願ったそうな。 なかきよのとおのねふりのみなめさめ なみのりふねのおとのよきかな 長き夜の遠の眠りの皆目覚め 波乗り船の音の良きかな 上から読んでも下から読んでも同じ「回文」になって…

華古与見 人之巻 

華古与見 人之巻 口絵六 歌川国芳 「アレ そんなにまくって見ておくれでない 愛想が尽きると悪いから 「いいじゃァねえか 見るは法楽(ほうらく)見らるるは因果だ 「なんだえおかァしな そんなかたわ者じゃァないよ 「それでもぼぼんがァと言うからヨ 「ヲ…

逢悦弥誠 下之巻

逢悦弥誠 (あふゑやま ・おうえやま) 下 平節「源氏のとりはしらぢより そねぬをなにとゆびがの子 いもせをいふはよし仲の ちぎりたがゑぬ つまどりの つまと/\はたがなかごとの 白はあふても見ぬ顔にてや 「あふてわかるゝとりのはゑ わかれてあふてあハ…

お伝地獄

「お伝地獄 」 那枝完二・著 小村雪岱・画市「お伝」伝「あい」市「おれ、どうでも気が済まねえかえら、やっぱりおめえは先へ帰(けえ)ンねえ」伝「あたしを帰してお前さん、どこぞへ行く気じゃないのかえ」 お伝は市十郎の手をぐっと抓ったしかしまた見れ…