華古与見 人之巻 口絵六 歌川国芳
「アレ そんなにまくって見ておくれでない 愛想が尽きると悪いから
「いいじゃァねえか 見るは法楽(ほうらく)見らるるは因果だ
「なんだえおかァしな そんなかたわ者じゃァないよ
「それでもぼぼんがァと言うからヨ
「ヲヤ 憎い口だよ そんなことを言うとさせねえからいい
「フウ それもよかろう あんまりやらかして腎虚でもするといけねえの
「ヲヤ ようかし 腎虚するふうかえ ぢん
ばり(腎張)でいながら
「ヘン ごもっとも 腎張りまら張りたや とんだ宗旨ちげえだ
見るは法楽見らるるは因果=見世物の口上。~可哀想なのはこの子でござい、などと続く。
ぼぼんがァ=けもののももんがとぼぼを掛けている。
腎張=精力絶倫
腎張りまら張りたや=光明真言の文句「ジンバラハラバリタヤ」のもじり。