読んだ本 http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/2536546
(前書と目次省略)
14
豆腐百珍続編
浪華 酔狂道人何必醇 輯
尋常品
一 御雉とうふ 壱挺四つきりぐらひひらに方(しかく)に
きり塩をふりかけ焼きて其やきたてに温め酒を
かけて用ゆ
○禁中にて正月の節物也長橋局より群臣百
15
官奴隷(しもへ)にいたるまて上下をいとはずこと/\゛く
賜ふなり
△又禁庭御煤払のとき右の如く賜ふあり大釜
にて御雉の如くきりたるを夥しく煮て味噌を
かけ用ゆ是をあつかべといふ
二 渦まき豆腐 水禅寺海苔をしきひろげ豆腐
よくすり卵白つなぎに入れ上へまんべんに
海苔のあつさ倍によくしきのべまきたて干瓢に
てくゝりよく蒸て味つけ小口ぎりにす畢竟前
編「廿二」松重ねをまきたるものなり
△うず巻にせずして前篇「十五」おしとうふを條(なが)く
きり水禅寺にてまきかんひやうにるくゝり
味つくるを海苔まきとうぐといふ
三 海苔まきとうふ 右へ見へたり
四 鍋やきとうふ 長いも わり銀杏 揚麩
木耳 くわい わり葱白 焼栗子 松露
なめたけ 青昆布 ○酒しほ薄醤油にる 煮
16
調(かげん)よくおぼろ豆腐とぢにしてりやうり鍋に
て出だすなりおろし山葵をく
五 目川でんがく 釜に葛湯を沸かし串にさしながら
始終煮ながら取だしては爐(ひばち)へかけ取だしては爐へ
かけするなり常の田楽の如く焼くにおよばず水
気を除(さる)までにして味噌をつけ小爐にて爐(炊き?)なが
ら座上へ出す也是江州目川の本製なり
○一製に煮てをくかわりにせいろうにて始終蒸し
にかけをくなり亦佳(またよし)
17
六 今宮の沙(すな)田楽 爐の邊(ぐるり)に沙を多くつみ田楽を斜めに
沙へさし火を盛(つよく)して常の田楽よりは遠火に
するなり○京北今宮の門前の茶屋に此製を用
ゆ焼かげん尤も佳
七 一種のかすていら 豆腐よく水をしぼり醴(あまざけ)の液汁(しぼりしる)
よくすり合せ蒸す調和好み随ひなり○前篇
「九十一」kすでいらと別製なり
18
八 湊とうふ 「八十四」織部とうふの下(ところ)に見へたり
九 ぐつ煮とうふ ふくさ味噌を酒にてゆるめて
始めより豆腐をいれよく煮る○すり山椒をく
十 衛士(えじ)でんがく 「九十一」東雲でんがくの下に見へたり
十一 極楽とうふ 「四十七」吾妻でんがくの下に見へたり
十二 夕顔とうふ 壱挺をひらにふたつに切り其半挺
きつしり入る底なきぐるりはこを杉にてこしらへ
半てうを入れ湯だまのたつ煮え湯を二三べん通し
さてあさき鉢の底たいらかに生醤油をあさく
一分ほどため其上へ右のはこ入とうふをそつとおき
極寒天にそとへ出しをき三夜さらすなりはこを
いだし其まゝ小口きりにして下物(さかな)に用ゆ
十三 観世汁 薄きり豆腐を稀調(うすうこし)の中味噌にて
煮て胡麻あんをかくるなり○濃醤と略(ほゞ)同じ
19
通品
十四 青みそ田楽 十五 梔子ぞめの色ハンペン
十六 青のりそめの色ハンペン 十七 管とうふ
十八 匙(すくひ)とうふ 十九 全揚(まるあげ) 二十 しき葛 うどんどうふ すり山葵