夏祭浪花鑑 三段目 住吉鳥居前

 

読んだ本 http://www.enpaku.waseda.ac.jp/db/index.html ニ10-01283 

 

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第三 出入の数をつまぐつた 数珠三昧の男作 (住吉鳥居前の段)


住吉の浜辺を春の名に高き 夫レ斗では並木のかげ 新家の煮売髪結
床 櫛のはをひく往来も自由な堺海道を 大坂の方からひよこ/\とくるは
撥鬢糟毛の親仁 釣船の三婦迚は 人のいやがるぶう/\も 年が異見で直つ
たか 片手には数珠片手には だるまの様な小ぢよつぽがぢやうだんあるき持あぐむ
母のおかちが付添て 道々機嫌鳥居前 マア市ちつと爰で休みや 三ぶ様ン
も休ましやんせ ヲゝサテ此坊主はようあるいたの 大方天下茶やあたりて慥


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にだゞけふと思ふて 廿五文がかご相輿で振廻ふ所を 三文が地黄煎玉てまじ
なふた きのふこなたが戻つて けふ團七が牢から出ると聞た故 嬉しうて夜がねら
れず 夜の明けるを待兼た コリヤ坊主 追付けとゝに逢してやらふ イヤしたかもつと隙
がいらふ 悦ふて明神様へお礼がてら 連て参らしれんかい 間違のない様におりや
爰に待て居よ ほんに三ぶ様こちの團七殿念頃な中じや迚 いかひ世話でご
ざんす 何のいのしたがいふじやないがこなたの親父三河屋の義平次が迎いにきて鑓る
筈 けふは又なぜこぬの けさから腰がいたいといふて サア/\/\作病しやて 殊に直ぐ

にもないわろじや物 こんな事誰も来とむながる マ参つてござれ アイそんなら
そふ致しませう コレがんがへ参つて来やんしよといやいのと口うつしいふ鸚鵡の鳥 親子
は宮へ三ぶは火打石に腰かけすつぱ/\ 茶の銭始末と見へにける ハイ/\頼ませう 杖
せんか ヲゝ大小路あたりから持て来て 息杖の先にぶらりとかごつゝぱり 旦那申 跡
の立場のかごとかへます銭やつて下はんせと 願へば垂れの内よりも 極めたは
大坂迄着けてから先で渡さふ イヤサ夫レじや少(ちと)勝手が悪ごんす 跡のかことかへねば
ならぬ どふじや有 と爰でやつて下さりませ サアやる事はやすけれど 銭を爰


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に持合さぬ 大坂で慥に渡す ハア相棒聞たか もつけな物じやな イヤ受取にや
勝手が悪いが 大坂はどこへ着るのじやナ 長町辺で尋たらば ムウ先はしれぬのでご
ざりますか イヤモそんな弥爰で渡して下さりませ ハテしつこい爰に銭がない
といふに ムウそんならおいらを衒(かた)るのかといがみかゝれば アゝコリヤ麁相云な 武士
に向つてヤどこへ武士 ありさまは丸腰エイ夫レで衒りのてめ上た こんなやるはヤアかう
せいと 思ひ合たる悪者同士 かごをくるりと打かへされ 打ちより出たは磯之丞 落たるはづ
みに膝すりむき くはつとせく気も身の恥を指しうつむいてこらへゐる コリヤ棒組

何でなと爰迄のかご代 算用して取て仕廻 下着成とたくつてさん
用済まそふと立かゝらんとする所を コリヤ/\めつたな事して後悔すなと横合から
三婦が声 ヤ何もしらいでそこな親仁何いはるぞい ホゝしつている/\ コリヤいかむなやい/\
サア足元の明い中にとつぱしらいで なこな様若いがア おとなしいよう堪忍さつしやる
ぞ シテかこ代は何ンぼの極め 直なしたは二百五十か ても高いかごじやの からしやつた
こな様もこな様じやて ゆかりかゝりはなけれ共コレ此親仁がヲ尻持 ヤアわか様が尻
持か ヲ此釣船の三婦が尻持た立引 此数珠でかぞへて見りや 丁ど九百九十


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九出入有る 前ならうぬたゝんで仕廻い 千人投の数に合すけれど 堪忍していなして
やると たん切る顔をじろりとながめ ホゝ釣船面白い どふしていなしやる サア見よふと
つかみかゝるを身をかはし ころりと投たは百の銭高いきはめはこちのそん 了簡して半
分やる 此格でいがんだら大きなめにあいおろと 丸うさばいた男作 うつくしいので
きみ悪く銭受取るもこは/\゛に 尻こそばふて雲介はかご引かたげ帰りける 磯之丞は
しづ/\と 三婦に一礼 狼藉者に出合難儀の所 其許のお世話にて事なくお
さまり大慶致す 只今拙者流浪の身 時を得てお礼を申為なれば お在所はい

づく承りたい イヤそふ有ては此親仁所は申さぬ 長町邊と有故に わしもちよつちよ
とあのあたりへいきます者 長町は何町め イヤ何町めかは存せねど 三河屋の義
平次を尋て参る者 ムウあの義平次に用が有るとは テモかはつた者にお近付じや
の ヤ近付ではござらねど其娘のおかち ヘエそんならおまへはてつきり磯之丞様とやら
でござりますか とは又よく御存じサア こふでごんす けふ團七が出牢迎いにおかちと
息子と わしが連れて来てやりました 道々おまへの咄聞ましてお笑止に存ますが
團七がよい様に仕ませうぞ気遣いをさしやますな おかちは宮へ参られたが戻り


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の遅いは エイてつきりとコリヤ坊主がだゞけて新家の昼食 あつちやから往て昆布や
に居ましよ 三婦に聞たといはしやませ 是は重畳(てうちやう)きのふ堺で日を暮しけふは
大坂へ参る所 よい所でそこ元のおめにかゝり ハァ其挨拶もゆるりと/\ハゝマアちやつと
いかしませ 然らば後程御意得んと こぶやをさして急ぎ行 アあの人よい所で問と暖簾ひら
り 床の衆今日のお払ひ者かふ遅うござるの わしや大坂から迎にきた くる迄 

爰を借りませうと待つ間程なくざは/\/\そりや科人じやと見る人も十が九ついがん

だ世に 直ぐ成道を引れくるは兵太夫が情にて 助る恩と頼みの詞 身にしみ/\゛と忘ら
れず我かとなみの生簀の魚 沖に出たる心地也 警固の役目は其日の当番
御法のことく囚人が縄とかせ コリヤサ團七 くはしくは屋敷にて介松主計 玉嶋兵太夫
両人申し渡さるゝ通り去年九月十三日 御家中大鳥佐賀右衛門が家来に手を負せ
双方共に牢舎の所 手疵は癒て相手は牢死 其故死罪を御赦免なされ
和泉堺をお構ひなさる 有がたう存奉れと 云渡す事云仕廻直ぐ様 屋敷へ帰らるゝ
跡見送つて團七は古郷の方を伏拝み アゝ忝い 佐賀右衛門が仲間つれの げしにんに取るゝ


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かと思へば無念で口惜かつた 兵太夫様お礼は申さぬ 其かはり磯之丞殿身の上命にかへて
も微塵さら/\御難儀はさせませぬと ひとりつぶやく後から團七/\と呼だはどこ
イヤ床からと ずつと出るはヤア三婦殿 ても珎らしい息災にごさつたの ヲゝイヤおりや大坂から
堺へ通ふ わりや堺から大坂へ通ふ 商売違ふても心はかはらぬ念頃 了簡強いはわれ
があらした事 よく/\聞れぬ事が有てと思ふて扨あんじたは出かした/\必ず恥じやと思ふ
なよ 江戸見ぬと牢へ入ぬとは男の中じやないといふ けさから嬶衆も坊主めも つれ
立て迎に来て待て居た エちやつと顔見せてやりやじやが テモ長い月代 ムウくさい着物

しやな着がへ一つ持てきた幸いな此床で月代剃て明神様へもお礼申せ おりやこぶや
へいて落付かそ アそりやいかい世話てやした貴様見ぬ中にきつう十図じやの/\ サア今に
とんと是 腹が立てもなむあみだ 笑ひ/\もなむあみだ 念仏でいそがしい頼母子が
はやる 扨とついでにわれがひいきの片岡仁左衛門 扨当つた 顔見せへ持こしていまに日向
丸をしているは コレこちらの辻札 竹本義太夫曽根崎の心中で打破たの マア一

日見にいけやい イヤこんな事いや日が暮るが 一ついはにやならぬ事有るは おかたが咄でくはしう
聞た 磯之丞殿にたつた今逢た故 一所にこぶやへやつて置いた ソリヤわしが大事のかへ サア/\/\


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其訳も聞て居るてや/\ とかくこぶやてゆるりと咄そ おりや先にいて居と風呂敷包
手に渡し 中にや銭も入て有 月代剃て早ふおじや コレ床の衆一つしてやて頼みまする
と気を付て内と新家へ別れ行 我故にいとし男の身の難儀 聞悲しさの跡追て大坂
へと斗あてどなく 走り爪づき琴浦は痞(つかへ)をなで/\アゝ爰はとこじやほんに住吉様 磯様と連
立て難波やへもよう来たが 若しやあそこに名が有まいかと 見返る跡に憎いやつ 佐賀
右衛門が爰にくる見付られたらとらまへおろ どこへかくれう間もあらせずアコリヤ見付たぞ
逃まい/\ お鯛茶やからよう抜けそをやつたな おれがいふ事何と聞ぞ 元来貴様には

此佐賀右衛門がいて居たを あの磯めが身請して お鯛茶やの箱入 指もさゝせず賞玩
しおる そこで我等がたいこを持 ごくだうに拵立て 勘当させた骨折も皆そ様からおこる事
風来人に心が残ろと 仕廻いの果ては鳶田へさらされ 情所を犬や烏が思ひ出すも身がふ
ろふ まだ其上にひよつとすると 男は助つて女は死損 そんなあぶない事せうよりさらり
と気をかへ サアまあ難波やで祝言の盃せうと手を取ば エゝいやらしい聞とむないコレ爰を
マア放さんせと もがく程猶しつかと握り ぴんしやんしても此大鳥が掴でからは放さぬ/\
エゝ憎てらしいあれ/\ ハテはしこない声が高い たかうてもわしやいやじや/\ いやで有ふがどふ


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で有ろが 連ていんで女房にすると 合点せぬ者むり無体 引ずるいぢはる床の前 ハテ お
じやいのと泣より 佐賀右衛門が利き腕ぐつと暖簾ごし捻上ぐればアイタゝゝ こりやどいつじや何
ひろぐ イヤ何もせぬおれでゑす つと出たる剃立ての糸鬢あたま青月代 ヤアおの
りやけふ牢から出おつたヲゝ驚くまいへゝゝ團七でゑすわいなさつきにからできますかよ れ
つきとした侍が女わらべをつかまへてマ此手を放してやらふてやと拳いためて突退れば イヤ
うぬいらざか所へ出しやばつて 邪魔ひろぐか何とすると いふても相手にならばこそ こな様かあの
お鯛茶やにいやしやつた琴浦様じやのシテ磯之丞様にあはんしたかいゝやかそふしてマア供は

どこに居ぞイゝエ誰もないわいなと咄しの半ばにだまし打 團七二つと切付るをひつぱづして
もんどり打せ ハテ大胆な そんな事じやさかいに あんな悪魔が見へたかる コレわしは礒
様を世話にする 團七といふ者でエイそんならおまへがおかち様のお連合かへ アイ/\挨拶
と刀のあしらひ両方を 受けつこたへつ又切付柄と拳を握り ムウそんならおまへこち
の嬶 アイ知っておりますとも 是はしたりと踏のめし ソリヤマアどこでは背骨に膝 サイ
ナア お鯛茶やへおいにござんして 初て逢うて間もなく 磯様もわし故に コレ気遣しよ
まい 磯様もついてそこにしや そこにとはとれとこに とこはアイイそこの コレ耳おこした コレナア


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何と嬉しかろが ホゝ ちやつと早ふ行しやんせ 早ふ/\と磯之丞が 有家をさゝやき教へられいそ
/\として急ぎ行 ヤアあのめらうやる事ならぬとはねかへしてかけ行を 首筋つかんで
是はいな コレ東側じやぞへ 此時宜必ずいふまいぞ 三婦といふ者が居程に よう頼でおかしや
んせへと そこの底迄気を付けて 世話やく隙に刀をさや おさめた思案か佐賀右衛門 飛が
ごとくに立帰る とはしらずお侍 もふいにやらいでと振返り 是はしたり どこへうせた てつき
り新家のかざかいで 先へはよもや廻るまいとはいへ道が気づかひな 宮へはいつでも参ら
るゝ上 心はせいて行く道からおい/\/\ ハアテ呼のにこな男待て貰ふと三人づれ

中に二人は以前のかごかき どてら布子の懐手 ムウおれに待てとは何ぞ用か ハテ用か
なうてよぼかいの こつぱよなまよそろ/\としかけやい/\ わいらでいかざ助てやろ 其間に
抜さいた髭ぬかふと床の床几に上足打 たばこ入から出す鑷(けぬき)もなんほうふとき
せんさく也 いがみと早ふ見て取團七 コリヤ出入でもする気かなア いらぬ事しやおけやい
イヤおくまいわい 名はいはいでも頼まれたといや合点じやあろ ハテ高がさつきの女中貰ひ
に来た 口手間いらすと請けとろかい ムウ聞へたが そんな事いはぬ物じや いはぬ物とは ハテサ
渡すまいといふた時にや どふも成まいがな コレ是で貰ふ/\わい 此腕で こつぱ


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の権なまの八が受取わい イヤこいつがよけて通せばほうずがない もふきかぬぞよ/\ ヤ
きかぬといふはどふ仕やる イヤこふかうすると右左 ばたり/\と蹴たをせば イヤこいつ脛出し
たぞ たゝんてしまへ合点じやと床にもたせし開帳札 手ンでに引さげ/\てめつたむせうに
擲(たゝき)かゝれば身をかはしてかいつかみ 引たくつたる後ろよりこつぱ微塵に打付くるを もいだる札に
て打落され ひるむ所を続け打にばた/\/\ 扨も回向も二万日 弓や八橋壺
井の札 こらへぬ我武者に打すへられ 二人はほう/\片息に 跡を頼むと云捨てて命
から/\逃て行 見て居たやつは大胆者 髭抜仕廻鑷をおさめ ヘゝゝテモよわい

やつらじや あれでも人に頼まれるしや迄 といふてひけても居られまい おれ頼
だが無理じやない ドリヤ出てあはふとのつし/\ 團七ちよと下に居て貰ひませう
わし同し棒組頼むにひかず 一寸も後へは寄らぬ一寸徳兵衛が ちよつとマアヘゝゝこふして
見やうきと 帯の前がはしつと取 ホゝゝこりや又身が有て面白いわい そんなら指し詰
かうせうかい ムウそふ仕やりや コレヤこふする ムウかうする イヤおりやこづする イヤかう
するはと打手 とむる手右左 片手にりんと尻ひつからげ 出入花さく折も折 余り遅さ
に新家から 迎いにおかちがたゞひとり くればうたてや又喧嘩 コレもふ了簡さつしやれ


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といふもきかぬつかみ合 ぶつつぶたれつとゞめても踏飛すやら蹴飛すやら とゞ
めぬ仕様も及び立辻札取て二人が中へ 横にこかした機転の綛(かせ) とゞまる夫とゞ
まらぬ 相手の布子見知り有顔は ヤアわりや此中の乞食めさがれ こちの人に何
で手向ひ非人めが 人でないsめとしかられて コリヤお家様でござりますかと誤り入た
顔付で 出入の腰はおれにけり コリヤ女房 おりやずんど合点がいかぬ あいつどふして見
しつて居る 見知て居いで何とせう 短ういへば磯之丞様 お鯛茶やからお帰りな
されぬ其時の思ひ付 お遊びなさるゝ濱先で 非人の喧嘩身の上咄 こいらを頼

で云したがお耳へ留つてお帰り お袋様のお悦び 其御褒美にあの布子 まだ其上に
お金も有り 夫レから止めた其形じやな ムウそんなら重々憎いやつ 玉嶋の御恩を着て 磯之丞
殿にあたをする 佐賀右衛門が尻持恩しらずの畜生め もふ赦さぬと飛かゝれば 飛しさ
つてアゝ待た/\ 其磯之丞殿といふは備州出のお侍 玉嶋兵太夫殿の子息か ハアしらなん
だ/\ 此徳兵衛も備中の玉嶋生れ 少しの科で追払はれ 国を出た時残して置た女房
へ釣つてもお主 おれが為にも親方筋 其思はく 琴浦殿に 横恋慕する佐賀右衛門に
頼れた 傍輩の尻持たは大きな間違い 立引く所からおれも供々おせわして下されとほつくり


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折れる吉野笹 一寸徳兵衛が一分の立物とこそしられけり團七しゞうをとつくと聞き縁につる
れば近(こん)の物と こりや珍らしい出合じやな 其詞違(たがは)ずば何の慥な固めをせうわい ヲゝそりや
何成と望次第 コレお内儀 此辻札の絵を見さしやれ 曽根崎心中の徳兵衛が 生玉で
たゝかれて恥顔(つら)かいて居る所 其徳兵衛のかんばんで 此徳兵衛が出入を留め こふ打明てとけ合た
明神の引合せ エイ忝い/\したが おりやちつとの間も菰かぶつたで うるさかつて下さんな した
が余り物は喰なんだぞい あのお人のいはしやる事寺へいたおり聞やんした百人一首の天智天
皇様も乞食の相が有た故 木の丸殿にこざつたけな 浮沈みは有ならひと会釈に團七心

付 女房共 此二人の衆はこぶやにか サイナ三婦様のいはしやるはな 舅の所へ戻りがけ 掛かり人二人
連ていんだら気に入まい 今夜はこちへ連ていんで 女中一人は引請ふ 磯之丞様はゆく/\は 大
事ない奉公でもさせましたらよからふと 市松と四人連先いんでゞごさんしたはいの そりや
慥々 慥なついでに固めはどふする ヲゝ腕ひかふ盃を呑ふか イヤ/\腕ひいた迚どふした
迚 コレ肝心の爰がすはらにや役にたゝぬが わが性根見すへた故 固めの印渡さふかい
何成共請取ふ コリヤ是を渡そと肌襦袢の袖引切て指出し コリヤ是は團七が身に
付た片袖 磯之丞殿を世話にする 片腕にする証拠の袖 とつくりと請取よ


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ヲゝ面白い 互に心底つゝまず隠さぬ徳兵衛が 証拠も又かうちぎつて
渡すは 磯之丞殿をそでにせぬといふ印 とんな事があらふ共 御難儀に成
事なりやそでないといひぬく証拠 ザア請とれ/\ ヲゝ請取た/\と
互に取替手にとをし おれが此袖かうかたに引かけて世話したらのふ磯之丞
ヲゝおれもかう引かけりや ヲゝ気つかひはみぢんもない おれも大坂へすくに出よふ
そんならばサア連立ふ サアいかふ/\と裏表なき気のひろ袖かためはしやん
と住吉の もうしやの袖よりたしかな袖 つれてこそ いそぎ行

 

 

住吉大社鳥居前

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