あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願い申しあげます。
干支に因んで読んでみましたが、いやも、酷い云われよう。なんの根拠もなくただ犬の性質を人に、しかも女性に限って当て嵌めようとしているだけで、 たまたま戌年に生まれついたが為に、世間様から斯様に人柄を断じられ、おまけに棒で殴られた日にゃ堪ったもんじゃありません。今は犬は安産祈願のシンボルとされていますが、江戸時代には無節操な多産の質と看做されていた。では当時何が吉相かというと、「亥の子」の風習から、亥年生まれが子宝に恵まれ夫婦仲もよいとされていたようです。
浮世十二支
まけて戌
此まけていぬのとしの生れは一代のまもり
本尊なみだによらいにしてふうふなか
あしくつねにいがみあひたび/\ぼうを
くらひあげくにはおひはらはれういぬ日の
生れはどこにもしりがおちつかず
子はいくたりありても
どれがだれの子やらいあつかう
わからず此世からちくせう
どうをうけたりと人に
わらはるゝゆえ
ほんのふの
いぬの日に
此神をいのり
たましひ
をいれかへて
まことのにんげんと
なり人のまじはりを
しててい主にした
がひこゝろをたゞしく
もてばすえしゞう
しあはせよし
負けていぬ
この負けて戌の年の生まれは、一代の守り本尊、阿弥陀如来にして、
夫婦仲悪しく、常にいがみ合い、度々棒を喰らい、挙句には追い払われ、
戌の日の生まれは、どこにも尻が落ち着かず、子は幾たり有りても
どれが誰の子やら一向分からず、
この世から畜生道を受けたりと人に笑わるる故、
煩悩の戌の日にこの神を祈り、魂を入れ替えて誠の人間となり、
人の交わりをして、亭主に従い、心を正しく持てば末始終幸せ由。