BS「ザ・バックヤード 九州国立博物館」より
「病草紙(やまいのそうし)」の「顔にあざがある女」と思われる。
ある女かほにあさといふものありてあさ
ゆふこれをなけきけりあさはうちまか
せて人の身にあるものなれとも閑所は
くるしめなしかほなとにつきぬれて
人にましはりはれなとふるまふこと
かなふへくもなけれはまことにかたはな
り
ある女、顔に痣というものありて、朝夕これを歎きけり。
朝は、うちまかせて、人の身にあるものなれども、
閑所(ひとけのないところ)は、苦しめ為し、顔などに付きぬれて、
人に交わり、ハレなど振舞う事、叶うべくもなければ、
誠にかたわなり