今秋東京で『玉藻前』を上演するとのこと。イエーイ!やったー!てなわけで、2016年1月放送の「日経スペシャル 招待席 ~ 桐竹勘十郎 文楽の深淵 ~」の録画を久し振りに見たのであります。ちっと気が早いが予習復習であります。
観月ありさ女史の美貌の為でしょう、いつになく鼻の下が長めの勘十郎さんはカワイイのであります。あとから登場の勘彌さんもチラチラとありささんを見ては頬骨が上がる、と見えたは穿ち過ぎでしょうかえっへっへ~。兎にも角にもにやけていようがいまいが勘十郎さんの玉藻前・狐の七化けは凄いのであります。
で、番組の中で太夫さんのお仕事を紹介する段がございまして、呂太夫さん(当時は英太夫さんでした)がおじい様から受け継いだ由緒正しき床本を見せて下さいます。わーい!読んじゃうもんね。太夫さんの持ち物を読める機会なんて先ず無いもんねえっへっへ~。
絵本太閤記 十段目 尼崎の段
参考にした本 http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/856569
17(←参考にした本のコマ番号)
つて給はらば かうした
嘆きは有まいに 知ぬ
事とは云なから 現在
母御を手にかけて
殺すと云は何事ぞ
せめて母御の御最
後に 善心に立帰る
と たつた一云聞してたヴぇ
拝むはいのと手を合し
諌つ泣つ一筋に夫を
31
にと庭先の すね木
の松が枝踏しめ/\
よぢ登り 眼下の討
手をきつと見下し 和
田の御崎の弓手より
追々つゞく数多の兵
舩 間近く立たる魚
鱗の備へ 千生瓢の
馬印は 疑ひもなき
真柴久吉 風をくら
29
どふした罪か情ない
私も一所に殺てたべ
死たいはいなと身を
もだへ 互に手に手を
取りかはし名残涙の
暇乞 見るに目もくれ
心消母も老母も声
を上わつとばかりに
取乱せは遉勇気の
光秀も 親の慈悲心
読み方オワリ。貴重な床本が読めて嬉しいな。「尼崎」全部よみたくなっちゃったな。