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趣味の変体仮名

羽林頼家(武者かゞみ 一名人相合 南伝二)

https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1312418

 

  羽林頼家(うりんよりいへ)
頼家は鎌倉二代の
将軍にて 頼朝の
惣領なりけるが 病に
よつて舎弟(おとうと)
千幡君(せんはたぎみ)へ
西三十八ヶ国を
譲り 御子(こ)一幡(いちはた)
君へ東二十八ヶ国を
譲らんと規定(ぎじやう)ある所
外戚比企能員(ひきよしかず)是を
不足として 叛逆(ほんぎやく)を発(おこ)す 依て頼家も伊豆の
修善寺へ押篭(おしこめ)られ 竟(つい)に北条の為に毒殺せられ
給ふ 頼家伊豆へ押篭られ給ひしより人中(にんちう)に白気(はくき)横に▲

▲過(す)ぐ 近臣等(ら)驚きて是毒死を遂(とげ)
給ふの御相なりといふ
頼家これを▲△

▲△誠とし
給はざりしが
終(つひ)に
毒の
為に
卒(そつ)し
給ふ


家(か)に
所謂(いはゆる)
因(いん)歟(か)
果(くは)歟