仮想空間

趣味の変体仮名

2018-06-01から1ヶ月間の記事一覧

絵本太功記 六月六日

読んだ本 http://archive.waseda.jp/archive/index.html イ14-00002-093 44(左頁) 同六日の段扨も逆賊武智光秀 多年の恨一戦に春長父子を打奉り 妙心寺に砦を構へ勝ほこつたる諸軍の勢ひ 供に威風を顕して備へ厳しく守りいる 中央には光秀の母さつき 褥の…

絵本太功記 六月五日

読んだ本 http://archive.waseda.jp/archive/index.html イ14-00002-093 33(2行目) 同五日の段聞(門夕)鱗山揮(ぶんりんさんぎ)一同して風雨烈しき中国の 物騒がしき蛙が鼻 久吉公の陣館 乱杭高垣幕ゆひ廻し 兵具ひつしとならべしは 事厳重に見へにける…

絵本太功記 六月四日

読んだ本 http://archive.waseda.jp/archive/index.html イ14-00002-093 29(左頁2行目) 同四日の段東魚来つて四海を呑む 西鳥来つて東魚をくらひ 四海既に穏やかならざる 戦場の地の理を窺ふ山づたひ 近習召連れ隆景は しづ/\谷間に立休らひ ヤア/\旁 …

絵本太功記 六月三日

読んだ本 http://archive.waseda.jp/archive/index.html イ14-00002-093 23(左頁) 同三日の段 あはれなり董卓(とうたく:三国志の悪人武将)は漢室を焼捨伯知は水を以て趙(てう)をひたす 例を爰に真柴が軍師名に高松の城郭も 若死の合戦強勇も手に汗 握…

絵本太功記 六月二日

読んだ本 http://archive.waseda.jp/archive/index.html イ14-00002-093 15(右頁5行目) 同二日の段 出陣の用意せよ ハア 所存の程こそ 何と三助暑くてこたへられぬじやないかい ヲゝサ此下郎には何か成る 朝とくから手桶の切り水くれ方も又此様に汗水に成…

絵本太功記 六月一日

読んだ本 http://archive.waseda.jp/archive/index.html イ14-00002-093 6(左頁) 六月朔日の段扨も其後天正十年六月上旬の事かとよ 内大臣平の春長 東北に猛威をふるひ押て都に上洛有る 御嫡男城之助春忠二条の御所に居をしめ給ひ 天奏御沓を入給へは 饗応…

絵本太功記 発端

詠んだ本 http://archive.waseda.jp/archive/index.html イ14-00002-093 2 目録発端 妙国寺蘇鉄怪異の事第壱 光秀反逆出陣の事第弐 本能寺大合戦の事第三 中国水攻の事第四 小梅川安徳寺密談の事第五 清水長左衛門切腹の事第六 光秀妙心寺にて辞世の事第七 …

絵本太功記 六月十三日

読んだ本 http://archive.waseda.jp/archive/index.html イ14-00002-093 99 (4行目) 同十三日の段 徳を世々に 伝へて 美嘆せり 神力勇者に勝ずといへ共 天遂に是を罰す されば武智十兵衛光秀 筒井順慶裏切によつて山崎の一戦敗れ 漸遁れ小栗栖の藪陰近くさ…

絵本太功記 六月十二日

読んだ本 http://archive.waseda.jp/archive/index.html イ14-00002-093 85(4行目) 同十二日のだん なく/\短夜に心せかれて たとり行誰を乞 鳴や梢に から衣ほつてふ蝉の音を友と 世をいとふたる浪人の風雅を好む一かまへ谷の流れも水無月の 空半ばなる…

絵本太功記 六月十一日

読んだ本 http://archive.waseda.jp/archive/index.html イ14-00002-093 83(左頁) 同十一日の段 家来共やい 弥明日は山崎にて晴軍 時に抜目ないは久吉殿 敵方の間者 又怪しき曲者も有らんと 此赤山与三兵衛へ密々の申付け 汝らもやかりなく 若しや怪しき者…

絵本太功記 六月十日 (尼崎の段)

読んだ本 http://archive.waseda.jp/archive/index.html イ14-00002-093 73(右頁最後) (尼ヶ崎の段) 一間へ入にけり 残る誉の 花一つ 水上かねし風情にて思案 投首しほるゝ斗漸涙押とゞめ 母様にもばゞ様にも 是今生の暇乞 此身の願ひ叶ふたれば 思ひ置…

絵本太功記 六月十日 (夕顔棚の段)

読んだ本 http://archive.waseda.jp/archive/index.html イ14-00002-093 69(左頁2行目) (夕顔棚の段) 同十日の段 なむ妙法蓮華経/\/\/\ 御法の声も媚めきし尼ヶ崎に片辺り 誰住家といふ声も おのが儘なる軒のつま あたり近所の百姓共茶碗片手に高…

本朝廿四考 第五

読んだ本 http://archive.waseda.jp/archive/index.html イ14-00002-741 97(左頁) 第五甲斐越後両家の戦ひ 四度の軍術互角にて 勝負一時に決せんと釼の刃音鯨波 山河もうごく斗なり かゝる所へ北条氏時村上左衛門義清 軍兵数多引連て暫しと石に腰打かけ コ…

本朝廿四考 第四 (奥庭狐火の段)

読んだ本 http://archive.waseda.jp/archive/index.html イ14-00002-741 92(2行目上の段) (奥庭狐火の段) 思ひにや こがれてもゆるのべの狐火 さよふけて狐火や 狐火のべの のべの狐火 さよふけて 幾重漏くる爪音は 君を設けの奥御殿 こなたは正体涙なが…

本朝廿四考 第四 (十種香の段)

本 http://archive.waseda.jp/archive/index.html イ14-00002-741 87(1行目下の方) (十種香の段) 臥所へ行水の流と人の 蓑作が姿見かはす長上下 悠々として一間を立出 我民間に育ち人に面テを見しられぬを幸いに 花作りと成て入込しは 初君の御身の上に若…

本朝廿四考 第四 (道行似合の女夫丸)

読んだ本 http://archive.waseda.jp/archive/index.html イ14-00002-741 69(左頁) 第四 道行似合の女夫丸(めうとぐはん)偽りの 文字をわくれば 人の為 身の為ならず恋ならず 心なけれど濡衣がなきつまの名も勝頼にともなふ人も 勝頼といふてよし有蓑作が…

本朝廿四考 第三 (勘助住家の段)

読んだ本 http://archive.waseda.jp/archive/index.html イ14-00002-741 55(左頁5行目下)(勘助住家の段) こそは帰らるゝ 木曾山木立あらくれて 無法無徹をしにせにて名も横蔵のすじかい通 草鞋(わらんづ)の日もふり埋む餌竿かたげて門口より 母者人今…

本朝廿四考 第三 (景勝下駄の段)

読んだ本 http://archive.waseda.jp/archive/index.html イ14-00002-741 50(左頁4行目下) (景勝下駄の段) ゆゝしけれ 秋の末より 信濃路は 野山も家も 降り埋(うづむ) 雪の中なる白髪の雪 女ながらも故有て 男のすなる名を名乗る 山本勘助と人毎に 岩…

本朝廿四考 第三 (桔梗原の段) 

読んだ本 http://archive.waseda.jp/archive/index.html イ14-00002-741 43 第三 (桔梗原の段)名も山深き信濃路に ?(やさ)しき花の名に呼し爰ぞ桔梗が原とかや 甲斐と越後の領分にわけて立たるさい目の場所 馬草を苅に奴らさ 一本きめた刀より研ぎ立て鎌…

本朝廿四考 第二

読んだ本 http://archive.waseda.jp/archive/index.html イ14-00002-741 22(三行目) 第弐 木曽川や夜半に紛れて 出て行恵は四方に隠れなき 下諏訪の神垣は下照姫の御神にて 霊験あらたに帰します故近国の貴賤歩みを運ぶ賑ひに 宜ねが小鼓神楽歌神慮も嘸と…