仮想空間

趣味の変体仮名

2018-08-01から1ヶ月間の記事一覧

奥州安達原 第五

読んだ本 http://archive.waseda.jp/archive/index.html ニ10-00558 94 第五深きを以て浅きに入浅きを以て深きを知る 其源や武将の大度 八幡太郎義家公 貞任が籠りたる小松が柵に押寄らる 付随ふ輩(ともがら)には 舎弟新羅三郎義光鎌倉の権五郎景政 其外一…

奥州安達原 第四 道行千里の岩田帯(~一つ家の段)

読んだ本 http://archive.waseda.jp/archive/index.html ニ10-00558 71 第四 道行千里の岩田帯傾城の 癪は誠の置き所 世界の客へそら言も ひとりにつくす真実の 恋の中なる 恋絹が寝姿恥ぬ中となる 其こしかたの 通ひ路は花車のかげ橋渡り初め 生駒の手綱せ…

奥州安達原 第三 (朱雀堤の段~袖萩祭文)

読んだ本 http://archive.waseda.jp/archive/index.html ニ10-00558 45 第三さればにや少将は 百夜(もゝよ)通へと夕闇の 笠にふる雪つもる雪恋の重荷の朱雀道 七条堤の仮橋に 盲目(めくら)女の引語り 綴(つゞれ)の中の秘蔵娘 十斗なが手を出して 右や…

奥州安達原 第二

読んだ本 http://archive.waseda.jp/archive/index.html ニ10-00558 25 第弐琴棊書画を嗜む身共生まれず 明け暮物の命を取り浮世を渡る 綱手縄 浪打際にさは/\と かづきの海士が昼休み コリヤ長太のおかた けふはお代官様が外が濱を通らしやると浦中はもや…

奥州安達原 第一

読んだ本 http://archive.waseda.jp/archive/index.html ニ10-00558 2 奥州安達原(第一) 作者 竹田和泉時は康平五つの年 後朱雀院の朝に当つて東夷猥りに逆威を奮ひ 王命に背き奉るといへ共 源氏の武功に切靡(なび)け再び治まる時津風 八幡太郎義家公 武…

日高川入相花王 第五

読んだ本 http://archive.waseda.jp/archive/index.html イ14-00002-680 93(右頁5行目) 第五孔子季氏を謂(のたまは)く八佾(はついつ)にして庭に舞はず 是をも忍ぶべくんば 孰(いづ)れをか忍ぶべからさらん 左大臣藤原の忠文猪熊通りに別殿 をかまへ …

日高川入相花王 道行思ひの雪吹 (附・渡し場の段)

読んだ本 http://archive.waseda.jp/archive/index.html イ14-00002-680 77 道行思ひの雪吹(ふゞき) つまづきし 石も他生の縁の端 むすぼふれたる 身をしる人もなし しる人は 哀れと思へ桜木の ちりてちはつの御姿ならはぬ 旅の苦をこして 恋路/\が 身の…

日高川入相花王 第四

読んだ本 http://archive.waseda.jp/archive/index.html イ14-00002-680 69 第四むかし/\此所に真那古の庄司といふ者有 頃しも春の始めつかた熊野三所権現に あゆみをはこぶ諸人(もろびと)の 往来(ゆきゝ)に宿の施しは誠に出家侍の 屋敷は余所にかはり…

日高川入相花王 第三

読んだ本 http://archive.waseda.jp/archive/index.html イ14-00002-680 41(左頁) 第三心は文字に書かるれど絵にかゝれぬを心といふ 三徳を備へ五常を去らぬ 六孫王経基のおはします 八条の訴目館(そめやかた) 北の方真弓御前君子のよきたぐひとや 夫を…

日高川入相花王 第二

読んだ本 http://archive.waseda.jp/archive/index.html イ14-00002-680 22(三行目) 第二 顕はせり花の都の邉りにも狼谷といふ名有 熊野山家の育ちにも容儀たいはい心はへ清きを家の通り名や 真那子の庄司清次が 一人娘に清姫迚 今年二八の春過ぎてなつき…

日高川入相花王 第一

読んだ本 http://archive.waseda.jp/archive/index.html イ14-00002-680 2 日高川入相花王 (第一)此花は是人間の種にあらず 瓊樹(けいじゆ)枝頭(しとう)第二の花と 親王に題すからうたの言の葉草はかはらねど 唐土人(もろこしびと)の目にふれぬ 我朝…

増補忠臣蔵 本蔵下屋敷の段

読んだ本 http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/856422 2浄瑠璃は音声の曲節と文章の妙味を相湏(ま)ちて感興を起さしむるは世の普く知る所なり 今回発行する此懐中浄瑠璃五行稽古本は古来の五行本にならひて特に朱点を附したるは珎しうも新きうへに体裁いも…

日本振袖始 第五 八雲猩々 (附・大蛇退治の段)

読んだ本 http://archive.waseda.jp/archive/index.html ニ10-00299 77(左頁) 第五 八雲猩々 すでにじこくも夜半の雲 天をこかせる篝の煙 谷ふかふして嶺そびへ 山水たぎる皺(ひ)の川上 八つのもたひにとく酒をたゝへ 影をうかへる高棚に 五重のあら菰し…

日本振袖始 第四 素戔鳴の尊道行

読んだ本 http://archive.waseda.jp/archive/index.html ニ10-00299 61(左頁) 第四 素戔鳴の尊道行さる程にそさのおの尊 そみんが宿を御出有 旅よりたびに出雲路や きのふの八重のしら雲を けふの山路とふみわくる 人めのせきのせきもりも とがむとしもは…

日本振袖始 第三

読んだ本 http://archive.waseda.jp/archive/index.html ニ10-00299 42(左頁) 第三あしはらやあめつち人もひらけそめ さかえにけりなさかほこの しづくのたま水のかゝるときしもうまれきて たみもゆたかに田かせは 稲はやつかにあは麦も にぎはひまさる秋…

日本振袖始 第二

読んだ本 http://archive.waseda.jp/archive/index.html ニ10-00299 24(左頁) 第二万古(ばんこ)目前の境界懸河渺々(べう/\)として巌(いはほ)峨々(がゝ)たり山又山いづれの?(たくみ)か青巌(せいがん)の形を削りなせる 水又水誰が家にか碧潭…