仮想空間

趣味の変体仮名

塩浜

 

 塩浜

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BS朝日「歴天」より。出典不明。

番組は、天候が歴史の節目にどう作用したかを探る内容で、源平の合戦と忠臣蔵が取り上げられており興味深かったです。画像は、浅野・吉良それぞれの領地の赤穂と三河ともに塩の産出が盛んであり、元来その製法を巡って対立していた事も、浅野が刃傷に及んだ理由のひとつではないか、と説明された時に使われていました。

 

 

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「塩浜」
海辺の鹵(かた)地をけづり能(よく)ならして平かならしめ海より
うしほをくみてこれへまきかけよく日にかはかしさらへ
にてかきならしよくされたる時桶へいれて水にたれ其水を
釜にうつして松葉にてたく也 海より潮(うしほ)をくむ皆女の所作
なり あるひは所によりて樋(とい)をかけて潮を塩浜へ取もあり
諸国海辺より多く塩出るといへ共播州赤穂の塩を名物とす

 

 海辺の塩地を削り、平らによく均して塩田とし、海から海水を汲んでここに撒き、日にあてよく乾いたら再び海水を撒き、さらえ(道具の名称)にて搔き均し、よくさらえたら桶に入れて水に垂らし入れ、その水を釜に移して松葉にて炊く。海から海水を汲むのは一般的に女子の仕事だが、所によっては樋を設けて海水を塩田へ取り込む方法も見られる。諸国の浜辺で多くの塩が採れるが、播州赤穂の塩が名品とされている。

 

 

 鹵=しお、しおち。塩(鹽)の原字。象形。塩が地上に析出するさま。
   塩を産出する西方内陸部の塩鹹地を意味する。

と辞書にありますが、ここでの「鹵」は「かた」おそらく「がた」と読まれており、つまりは「潟」ちゅうことでええんでないかい。多く日本各地で海べの干潟を平にならして塩浜を作ったことから、塩田が盛んな時代には「鹵:しお」と書いて「がた」とも読んだのではないかいな。