仮想空間

趣味の変体仮名

伊賀越道中双六 第九 伏見の段

読んだ本 https://archive.waseda.jp/archive/index.html 

       浄瑠璃本データベース  ニ10-01451

 

 

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 第九 伏見の段

男共/\ 胴の間へお蒲団は入ったかな ハイ艫(とも)の間の四人様水菜は爰に置まする コレ舟頭

衆此荷物割破(われ)物じやぞ ソレ気を付けて貰はふと 世話を素焼の土産物積むゟ早く押出し

て 舟を見送り御機嫌よふお下りなされとそこ/\に 夕日程なく呉竹の伏見の里の舟

着場 軒をならべし舟宿の客に絶間もなかりけり 世の憂を何と志津馬は爰かしこ 敵の

行衛尋ね兼 心気労れて眼病を いたはる瀬川も諸共に暫しは爰にやどりして 北国屋が

 

奥へニ階 手を引連れてそろ/\と 梯子を折しも黄昏の人なき隙を幸と辺り見廻し イヤ

申志津馬様ニ階斗もお気詰り 月の夜すがの川気色見やしやんすのか目の毒生と 介

抱如才撫さする 心遣ひぞわりまけれ イヤモウ何ぼう養生仕てもはか/\゛しうもない眼病

見かけに替りなけれ共 けふ此頃は此様ニそなたの顔さへわかり兼る ぶら/\月日を過る中 主人

上杉公急病にて御死去遊ばされし由 御存生の中に敵も討ぬn残念 頼に思ふ政右衛門殿

武介諸共引別れ大坂へござつた故 伏見に逗留するも若しや敵の ヲゝ是はしたり 思はず

知ず大きな声で コレ/\誰も聞ては居なんだと 萱にも心奥口へ 聞へ憚り差寄てひそ

 

 

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/\咄す店先へ 志津馬に連れて孫八が忍ぶ姿の按摩取 頭巾すつほり船着きの宿屋/\の門口

から 按摩よござい ヲゝ孫八殿コレ/\瀬川殿 去とは物覚への悪い我抔按摩取の勘兵衛 必麁相

おつしやるなと 云つゝ差寄小声に成 若旦那のお供して二三日以前から此伏見に逗留して 思ひ付

た按摩痃癖(けんべき) 毎日/\此船宿入込で気を付くれどさして是はと申様な手かゝりもござり

ませぬ 夫はそふと若旦那ちとお目はよふござりますか ヲゝ孫八の心遣ひ忘れはせぬ 某迚

も此程より歩行はならず 出入の旅人に心を付けて窺へ共 敵の行衛知れざる故次第に重る

眼病は 口おしさよと斗にて打しほるればお道理と 瀬川も涙孫八も 供に目をすり居たりしが

 

アゝ去迚はお気の弱い 何の神仏がないにこそ アレ天道が正直なれば御孝行な心が届て 御本復も本望

も今の中でござりましよ 其様思召すは養生の大きな毒 ヤ毒の次手に瀬川様 兎角病人は助(かい)

抱が大事 お如才有まいけれどお若い同士 何よりかよりお持合うせの彼毒忌が肝心でござります

ハゝゝゝゝ ヤ是から上手の宿屋を廻つて 後程お見舞申ませうと 云つゝ立て表口 出るゟ早く声張上

按摩痃癖 鍼の痃癖と 覗く隣の八百屋の見せ奥の間ゟのか/\と出るは桜田林左衛門 アゝ旅労

れて殊の外頭痛がする 幸の導引一つ頼もふかい ハイ/\左様ならお座敷へ イヤ/\表を見るも

又気ばらし 苦しうない爰で/\ 成程それもよふござりましよ ヤ旦那御免なされませと 庭から直ぐに

 

 

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店の間へ上る孫八桜田の 互に夫と面体を知らねば何の気も付ず イヤコレ療治人 身は随分

きついが好き遠慮なく揉でくりやれさ ハイ/\アゝきつう凝てござります そふしてマア見受ました

所が歴々様 骨組と申し丈夫なお産れ 嘸お力も強かろな アノ兵法とやら剣術とやらも 定

て抜けてござるしや有ろな ヲゝ我達が目にもそふ見ゆるは尤々 天(あめ)が下広しといへ共 某に立合ん

者は恐らく覚へない 成程左様に見へまする そふしてあなたのお国は何国で どつちへお出なされます

ムゝ身共は西国方の者成が 智謀剣術ス勝れし故 高木(ほく)風に倒るゝ習ひと 傍輩の讒(さん)に

よつて浪人して長々と漂泊せしが サア身共程の達人がおらぬは国の弱みと有て 此度帰参を

 

仰付られ 先知の上に過分の御加増 古郷へ帰る晴の道中 数多有供廻りは別宿に扣へおれば 跡荷

物の揃ひ次第明昼舩にて下る積りと 口から出次第潜上(せんしやう)を 隣の店に漏聞く志津馬 アレ

瀬川あれを聞きや 同し武士の身の上でも 衰へると盛ふるは是程にも違ふ物か 心を

尽して尋扖(さが)す敵には廻り逢ず 困窮の上此眼病よつく武運に尽きたかと 悔みに瀬川も

供涙 ほんに思へはおいとしや 沼津でお別れ申てより お跡をしたい尋ね逢かいも長しい日は立ど 是

ぞと思ふ手がゝりもないを苦にして此様に ほんに悲しい病む目ゟ 傍で見る目の私が心 推量して

下さんせとかこち歎くをこなたには 聞耳立る桜田が 両耳ぴつしやり アゝコリヤ何とする放さぬかやい

 

 

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アゝお前様も辛抱のない 斯致して引さべねば お頭痛が直りませぬはい ハテ仰山な按摩だな

シテコリヤ何といふ流じやぞい 是は南蛮流の隣の今宮流でござります ハア聞へたそれで聾にする

のじやな ハゝゝゝコレ瀬川 したか其様に案じてたもんな此宿の亭主が引合せで隣に逗留してござる

眼医者竹中贅宅老の加減の業 湯せんに立て洗でたも アイと云つゝかい立て勝手へ入て汲で出る

夫に尽くす貞節の心は清き清水焼 白湯に振出し差出せば 始終聞居る林左衛門 詞の五音心得

ずと 延上つて差覗くをちやつと両手でめんない千鳥 アゝコリヤ/\何とする目が見へぬはいやい 又是

も今宮流か イエ/\/\斯致して置まして ト一時に手を放すと 何とお目がはつきりと成てよご

 

ざりましよがな 是を名付て天照(てんしやう)大神天の岩戸開きと申ます 何を馬鹿なことを した

か気作りな按摩取 シテそちが名は何と云ぞい ハイ私は板屋勘兵衛と申まして 此間大坂から

登りました あなたもお下りなされたら 外を差置き芝居へお出なされるで有ろ ア面白い事で

ござります コレ則爰に持ておりますが役者の番附 お慰みに御らうじませ ムウナニ是が役者の

番附 ハイ大坂土産に何を貰たナ申 役者の番附日傘でござります ムウナニ日傘 チエ日

傘 シテそちが仮名(けめう)は板屋の勘兵衛 チエ板勘兵衛 ナニ板勘兵衛 ハゝゝゝヤ是からお下をやりま

しよが横に成なされませぬか イヤ/\下の療治は後程頼 料物(もつ)も一所にくれふ 中々気作りな

 

 

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男め故 長旅の鬱気を散じた さらば是から夕飯の知行に有付 勘兵衛後

にと桜田は刀引さげ立上り 一間へ入ば孫八は上の町へと急ぎ行 道摺逢ふていつこかへ 飛脚

と見へで門口から ハイふぉなたぞ頼んませう 是のお客林新五様ゟ大坂からの此御状と 聞ゟ志

津馬は覚への替へ名 ヲゝ是は/\則拙者林新五 直々に請取ました ハイお返事をなさ

れるなら 追付取に参りましよと云捨飛脚は立帰る コレ瀬川 唐木殿ゟの此書状

何事じや読でたも 早ふ/\に封じめ解き 覚束ながら押開く 襖の内ゟ林左衛門差足抜

足表口 戸脇に隠れて立聞く共 心付ねば テモ扨も政右衛門様のお気の付た 私でも読る

 

様に仮名交りの此手紙 ナニ/\弥御無事と存じ候 然れば敵の落ち足とゝめん為大坂川口の出口/\は

門弟共数多付け置き油断なく手当致し 我抔事は武助諸共尼崎兵庫の辺りに待受候間 其

地にて替りし事も御座候はゞ 早速御(おん)知らせ下さるべく候 此由申入度早々以上 スリヤ政右衛門には

大坂を立って兵庫の辺りへ参られしか 此方ゟも委細の訳 返書に委しく申送らん コレ瀬川爰は端

近奥の間で 大義ながら書てたも飛脚の来ぬ中サア早ふ アイと瀬川は夫の手を引連れ這入る後かけ

とつくと窺ひ扨こそ/\ 和田志津馬に相違なし 踏込で討放そふか いかゞせんととつ置いつ思案半ばへ

ひよつか/\一僕さへも内証の 薄いを黒める木綿の居士衣 見るから薮医の竹中贅宅 療治

 

 

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仕廻ふて戻り足 夫と見るゟ ヲゝ是は/\隣座敷のお侍様 コリヤ端近にござりますな アゝ昨晩ちよつと

御意得申た贅宅老 サ是へ/\と片脇へ 招き寄て声をひそめ 今朝も申ことく隣家に逗留致して

居る若侍が アノ眼病 貴殿が療治召るゝに付き 折入て頼し密事弥御承知下さるゝや イヤモ御大身

のあなた様のお頼 お礼物さへ慥ならば先は過分 然らば打明てお咄し申 子細有て某始め 別宿に逗留

致す 組の者共へ仇有るやつと 夜前ゟ心を付くるに 身共が推量ちつ共違はず 彼が実名知たる上は討て

捨んと思へ共 彼者に力を添ゆる剣術無双の曲者有故 我々が手にかくる時は返って此身の有所も知れ 帯

紐解て夜が寝られず サア頼と云は爰の事 何卒貴公の働きにて毒薬を薬と偽り きゃつが眼の

 

見へぬ様に何と手段は有まいか 此事成就致しなは 一廉(かど)お礼を仕らふ 先頼の印と懐中ゟ金子の包取出し左少

なからと手に渡せば ヤアコリヤ金子五十両 テモ結構ない印しやな 隣の病人治したとて高々弐洙か よふ

くれて百疋は覚束ない ほんの是が牛を馬に乗かへたと申物 後共云ずたつた今 我抔が秘方の毒薬

を 差すが相図に両眼ゟ 五臓へ染込む腐り薬 ちやくと用意致して置た コレ刀いらずに仕廻ふて取は 此贅

宅が手の中に有る エゝ早速の得心満足致いた/\ 必手ぬかりなき様に イヤモお気遣ひなされますな生か

すおぼえへはなけれ共 殺す事ならこつちが得物 委細はあれから御らうじませ いかにもよきにと打點頭 しめし合し

て店の間の 障子引立窺ふ桜田 何でもしめたと贅宅が 物にかゝりの掴み頬 上べに見せぬ塗

 

 

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骨の 扇ぱち/\隣の店 ヤ贅宅でござる 御見舞申と声に志津馬は一間を出 ヲゝ是は御苦労千

万 扨お帰りを待兼ました ヲゝそふてこさらふ 昼からお見舞申筈が 御存じの流行り医者あそこから

も竹中 爰からも贅宅様 生き薬師じやと持てはやして 漸今罷帰つた何と昼の洗ひ薬て

さつぱりとよからうがの イヤさして替つた事も ハテめんよふな アノ薬ではよい筈じやが ドレ/\今一度

見て進ぜふと 行燈引寄せ灯明りにためつすがめつすかし見て コリヤ内障立(そこひたち)しやはいの 是なら

洗ひ薬では行かぬ筈 コリヤ取て置の差し薬を 出さずは成まい コレ大切な薬しや程に うつかりと

思はしやんなや 気遣ひ召さるな 今の間に本復さして進ぜふと こて/\取出す薬箱 アゝ是はよいお

 

方にかゝり合して拙者が仕合せ 此お礼は本望を イヤ追付本復致したら急度致すでござりましよ

ハテ心遣ひさつしやるな 医道は仁術人を救ふは医者の役じや サアもそつとこつちへよらるしやれと 片手に瞼

押明てすくふ件の毒薬 すぐに志津馬が命を断つ匕の刃金の差し薬 忽毒気廻ると見へ ヤゝきつふ

此目がヲゝ痛苦 しゆむかしゆむて有がの 少しの間じやこらへさつしやれ薬めんけんせざる時

は 其病治せすと申て 一旦動かねば薬はきかぬ 追付両眼明らかに 此生薬師が治して進ぜる

トレ其間に一ふく致さふと 煙管取上すつぱ/\ すつぱのこつてう納た頬付 志津馬は苦痛たへが

たく 申/\是迄の御薬とは違ふて 五臓迄も染渡り いかふ苦しうござりますと 声に瀬川も

 

 

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走り出 若お薬は違ひはせぬあ お心慥に持しやんせと一方ならぬ介抱に じろりと詠 うつそり共め 今

薬じやといふて差たのは 我が目を潰さふ斗 おれが秘方の毒薬じやはやい ヤア/\そんなら今のは毒で有

たか 何意趣有て此仕業 サ様子が有ふ 様子はと 立上れ共よろ/\/\ 瀬川どこに居やる 瀬川爰が苦しい

/\ せつないわいのと夫の悩みを見る悲しさ 有にもあられず縋り付き そんならお目がもふ見へぬか ハア

ヤイ同欲医者の鬼め 魔王め ずた/\に刻でも恨ははれぬとしがみ付 小腕取て膝に引

敷 ヤイ/\/\ばた/\と刎廻つてももふ叶はぬ イヤ申隣のお客 何と拙者が匕加減を ヲゝとくと是

にて見届けたりと 物頼ゟ林左衛門したり顔に歩み出 和田行家が躮同苗志津馬 無念に有ふな ナニ

 

某を和田志津馬と知たこなたは ヲゝ沢井股五郎に力を添る 伯父の桜田林左衛門 其方づれが股五

郎を討んなどゝは 及ばぬ事と聞ゟ扨はと這寄/\ 敵の片われ遁さじと 刀の柄に手をかくるを 襟

がみ掴んでぐつと捻付 ヤア剣術無双の此桜田に刃向はんとは こざかしい蚊とんぼ侍 捻り殺すは安

けれど 某始め股五郎が有家を知れては一大事と 贅宅に申合せし身が計略眼も見へ

ぬ分際でも 見事親の敵を討か 相人は大敵其上に 城五郎殿のお心付にて 剣術勝れし侍数

多付添ふ股五郎 所詮叶わぬ事だとあきらめ 首でもくゝつてくたばれと悪口雑言脚にかけ

踏付られて無念の歯ぎり エゝ侍の有まじい 卑怯未練の此仕業 親の敵の股五郎に 縁を

 

 

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引たる其方が 土足にかけられ手向ひも ならぬは此目が見へぬから エ口惜や無念やと拳を握り

男泣 見るに瀬川が気は狂乱 目かいも見へぬ志津馬様に むごいつらい大悪人天道様の明らかなお目

には是がかゝらぬか 孫八殿はナニしてぞ 神も仏も恨めしやと声を限りに泣さけぶ エゝやかましいわい/\

コリヤ眼の見へぬ斗じやない 毒気が五臓へ廻るが最期 追付ころり百両の 褒美がほしさの仕

事じやわいやい ヲゝ贅宅が働きにて 此志津馬めを仕廻ふて取 待伏ひろぐ政右衛門め 鼻明

すのがこつちの方便(てだて) 荷物の内に忍ばせ置し股五郎にも落付せ うぬらが苦痛を肴にして

一献汲ふ ハレよいざまと蹴飛し かけ行鐺をしつかと取 すりや差敵の股五郎は ヲゝ身共と一所に昨日

 

ゟ是に逗留致し居るはい エゝ忝い 今こそ敵の有所が知れた 志津馬様 嘸御本望とぬつと出たる池添孫八

主従一度に身繕ふ ヤア/\ コリヤ儕眼が見へるな 贅宅こりやどふじややい ヲゝ目医者と成て入込し

此贅宅が本名は 孫八が兄池添孫六 志津馬様と云合せ 明らかな両眼を目病と偽り儕が

俗性敵の行衛を知ん為 首尾よふ参つた桜田殿と 云れて恟り ヤゝゝゝスリヤ股五郎を見出さん為 云合せで

有たよな 此上は一味の者へ告知らせんとかけ出る 敵のかとふ人(ど)逃さじと抜く手も見せず主従か 励し

き手練の働きに さしもの桜田叶はじと旅宿をさして逃込だり ヤアいづく迄もと孫八志津馬 欠け

入んとする奥の間ゟ どつこいならぬと呉服屋十兵衛 かけ隔てさゝゆるを 血気の志津馬が切先に

 

 

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肩先ずつぱり切下げられ うんと倒るゝ其隙に奥を目がけて欠入を ヤレ暫くと声をかけ 浜辺につ

なぎし苫舟ゟ 舩装束を其儘に 武介引連政右衛門 しづ/\と歩み出 手に入た敵なれ共 爰では討れ

ぬ子細有り 町人ながら義心有十兵衛が此深手 非道に組せし先非を悔 志津馬が手にかゝりしは

本望ならんと有ければ 手負はむつtくと起上り ヲゝ御推量の上は我所存 今更ぐど/\申に及ばず 股

五郎始め一味の者共 西国へ落失せては御本望の妨げと 政右衛門様の計略にて 最前の似せ飛脚を 誠と

心得裏道ゟ小倉堤を伊賀越に 志州鳥羽の湊ゟ 大廻しにて九州相良へ 落失ふとの云

合せを お知らせ申て相果るが 志津馬様へのせめての寸志 町人なれ共敵の端くれ 股五郎に頼れ

 

た 一つの命を両方へわけてお願ひは此上なから ヲゝ瀬川が事は政右衛門が刀にかけて志津馬に添す ハゝ武士の鑑の政

右衛門様 其様一言は呉服屋が 冥途の晴着 サア片時(へんし)も早くぼつ付て 此年月の御本望 早く/\と気をい

らつ 手負に取付妹が歎くをせいして政右衛門 ヲゝいかにもぼつ付討留んは我掌の内に有と 志津馬が亡君

上杉殿の 御家門たる畠山 正家公ゟすへ置れし 宇内公の石碑有伊賀路において本望達する物ならば

泉下にまします顕定公 行家殿への追善ならん 譬何百何十人彼に力を添ゆる共 天理に背く敵の介太刀

何条恐るゝ事有らじ 時は初更の戌の刻 先廻つて伊賀こへに 多年の本望今此時と唐木が諌めに刀足 手

負を跡に三つ瀬川 三途の瀬ふみは敵の魁さらば/\を夜嵐に声吹き分かる海道筋跡を いたふて「急ぎ行