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趣味の変体仮名

北條時頼(武者かゞみ 一名人相合 南伝二)

https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1312418

  北條時頼(ほうでうときより)
時頼は時政(ときまさ)の五代の孫にして 北条九代の内 泰時(やすとき)
時頼を名将と称せり 就中(なかんづく)時頼は智略あり
威量(いりゃう)あり 殊に仏道に帰依厚く
中にも禅学を信じ 宋(そう)の蘭渓(らんけい)
を師となし 入道して最明寺
道崇(どうそう)といふ 彼(かの)謡曲に時頼行脚(あんぎや)
して 常世に逢ふ抔(など)は附會(ふくわい)の
説にして 其徳行(とくかう)を知らしめんとの
所為(わざ)なるべし 時頼は常に陰(いん)
隲(とう:騰)を成す故に 眼下に其紋あり 人相論に
曰(いはく)眼(まなこ)善(ぜん)なれば自(おのづから)心に慈(じ)あり 因(よつ)て相は唯(たゞ)心
より生ずと見へたり