仮想空間

趣味の変体仮名

火水風災雑輯(一)35コマ

 

読んだ本 https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/2592140?tocOpened=1

 

 

35

「 当八月八日 雷落場所?

水戸殿通用門

?表之さかい水門石垣え

一ツ橋御門外明地松平紀伊守?向

御茶の水油坂門??三ヶ所 屋敷

坂(?)田町玉すし?前

神田多町長谷川と申質屋

下谷七曲り并伊予頭少輔

深川小石川町??

御蔵道石川屋敷?

浅草熊ケ谷いなり地内

茅場町ねやち?雷火

青山御えんせう?

白山下伊賀坂松平備中守外

??か組備中守

赤坂一ツ木町??屋しき

麻布永坂町?は青藤?組後迎

為石まつ屋しき

森川宿本多

青山五十人町大嶋と申屋敷向

戸田隼人正屋しき

千駄ヶ谷八幡地内

?喜六反前橋?屋向

伝通院??

愛宕下青松寺山

深川御舟??

新宿松平出羽守屋しき

深川廣橋

日本はし釘店

巣鴨弐ヶ所

牛込凡門前ぼたん屋??向

雑司ヶ谷二ヶ所

茗荷谷戸田青田小屋敷

本所菊川御中ノ橋

麻布中町弐丁目

鮫ヶ橋

青山良道辻荒川?屋敷

本所藤堂和泉寺

?坂???

小梅川舟

芝大久保加賀寺

本所相生町

芝うら田川町??

麻布

一番町口勘?佐屋五郎左衛門

佃しま沖舟中

上野御宮前

赤羽根

麻布日ヶ/\外

浅草裏下金龍寺

〃小橋

〃新寺町真言宗寺二軒

白山伊賀坂上飯田と申屋敷

番町成瀬隼人正屋しき

桜田上杉弾正大弼屋敷寄

高田馬場 根

〃長明寺

 都合五十八ヶ所也 」

 

「応需 為直画」

 

「瓦にて尻を打やぶる」

「?しこていられ弥々是此瓦は尻の中へ

はいつ?したものをい?はつだそ?

おいしやさんわたしは小石川の御屋

敷の御門の家根へおちたのさそこ

で家根瓦でこんなに尻をやぶ

つて大けが心してお?る?

成奉??

 

「ひはらを強くうつ」

「ミシりを(←?)鳥畑長七の

沖中の入船のなかから

やた?るあいにくいのに

きぼりた?らか??か

ねかしてか?た其上

おちてひはらをいた

ぶりててんての事に

???に成所て?升

たが??でもこんの?ざ○

 

○そ?かりもふ手の

帆ばしらたぐつて

道にしたから

其帆ばしら一

のぼつてやつと

雲にすがつて

よう/\たすかり

ました

 

「腕のりやうじ」

「アイタ/\うでかぬける/\アゝ

オレのうでがふらやへ?したがいじゃ

げでやつと少しはまらうござり升

もふ/\こう/\したことこんど

田丁の質ぐらへおちた所が雲は上る

で?こかつゝなりくらの二階中

??あるいて見てもしかたが

ねへからまどのあみをやぶつて

(下)

▲やつと出た所が

???

 

(左頁上)

「外科(料)骨按の名人」

 

「足のりやうじ」

「アゝもちつとしづかにやつておくんなさいまし

わたくしはこんどかやば丁の米ぐらへ落やした

所がたちまち火事に成て買こんで置た米

を不残やいてしまう程の大事だがもと

より火の中に斗いるからだゞから火はなん

ともないが左の足をくじいて立事がなら

ぬ所を雲がきてやつとたすかつたの

でござり升

 

「背骨のりやうじ」

「ヲゝあつゝしか

し又いゝ心

もちに成て

きたおかげさまで

よふ/\鬼心がつき

ましたモシおいしや

さまお聞なさりまし

わたくしも是迄諸方

へ落ましたがそ庭

のよふな所へおちた事は

ござりませぬ森川の

おやしきうちにふうふ

いてふと申て大木がござり

升が其いてふは根が

またに成ており升

其またのちやうど

真中へおちまして

背ぼねを打まして気

がとをく成ました其

上あいつ?ふうふ中を

さかふと思つて落やりがつてかへつてう

ぬが背骨をぶつていゝきみだと木玉共

かぬかしおり升とさこんなむまらぬ

事はござりません

 

(左頁中)

「角雄牛の角植かへる」

「アゝいてへ/\?牛の角をおる程

ひどくぶつたものだから気せ

つをしました眼でに?

口へはいつたので?つと

いきをふきかへし

よく/\見れば

浅草の地内

のいなりさまの口

(斜め左下)

鳥居のさ?き

すんての事てそ

れ?ごろりと行

とこでござり升た?

其先みた?にて下

さりましたちんばでは

見にくか???升

 

(左端)

「子雷首なかじき」

「モシ御いしゃさま?なからに此子にはこまり升

いふ事を聞ませぬから此?り首をつゝこんてわたくし??気に

もまれ升 又内のものもうちのものでござり升なんのつのてや(耶?)すり

の事てござり升のに柴のやしきへ??ともにおちましたとさ

?はけがはいたしませんが此子はひどいめにあいましたが

虫でもで?はもにこざり升る 「怪我面多勢」