仮想空間

趣味の変体仮名

火水風災雑輯(一)78~80コマ

 

読んだ本 https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/2592140?tocOpened=1

 

 

78

頃は嘉永四年辛の亥四月三日昼九つ時ごろゟ四?

塩丁よこ丁辺より出火いたし折ふし北風はげし

同町ひし屋よこ丁御屋しき方同浄うん寺よこ丁

塩丁弐町目同三丁目両かはのこらずやける大木

戸田安様御下やしき柳生様下屋しき

ゟ内藤様御屋敷内少々やける夫より内藤

新宿下丁中丁両かは茶や旅籠屋焼る同

横丁やける

大そうじえんまのこる

正じゆ院おばアさん残る

同所上町やける此所の火三徳と

いふごふく屋にて止る

一口はおし丁同おし原よこ丁

鈴木様高久様御屋敷その外

御やしきやける岸豊次郎様

火の中にて残る正がくし願せうじ毘沙門天

焼る法念寺残るお小横丁おいわ稲荷焼る

左門殿丁右馬殿横丁古田豊次郎様長安

同門前丁安部様御下屋敷さゝでらやける

信の屋丁板倉様宮崎様岡部様御やしき

にて止る向がは大番組御屋敷大番丁やける

此外御武家御やしき御組御直参の御やしき

あまた焼る青山みすじ町御組屋敷で止る

同所六道辻飛火にて一けん焼る又一口は

伝馬丁三町目舩板横丁車内同横丁同

弐丁目荒木横丁焼る同所新堀江丁残るいが丁

少々やける向がは天王横丁やける円通寺やける天

王社のこる法蔵寺よこ丁拝山寺法蔵寺南いが丁

やけるこれゟ西風にかはり麹丁十三町目同よこ丁

福寿院伊賀丁おたんす丁焼る伝馬丁一町メ

新道横堅不残やける向がは天とくじ門前丁

替地少々焼る麹丁拾一町メ俗に

竹丁と云御堀橋にて漸/\

夜五つ時火鎮人々安堵の

思ひヲなし火用心こそ肝要也

 

 

79(78に同じ)

 

 

80

天保五年

午の二月七日昼八つ時頃ゟ西北ノ

風はげしく神田佐久間丁三丁目

喜太郎店次郎左衛門宅

より柳原土手下夫ゟ四方へひろ

かり日本はしへん八丁ほり両国

辺ゟ新大橋やけ落れいかん

しまへん佃しま其外大舩やけ

明六つ時頃潮へんにてしつまる

又同九日夕七つ時過頃ゟ西南の

風はけしく檜物丁へんゟ西がし

へんまてやける

又同六日朝四つ時過頃西北の

風はけしく呉服はしへんゟ

京橋辺のこらず芝口

へん潮手まてやけるま?

におそるへし慎へし火

の元之大切なる事是を

見てしるへし委しくは

えつにて御らん可被下候其外

大はし小はしのやけし事

数しれす

類焼場大凡四里ほとニ成

此絵図三度のやけ場所白

すじにて分る

右ニ付御すくい小屋

両国廣こうじ

神田さくま丁元四日市

常磐はし外松屋

此外追々追加